第9話

状況を整理しよう。

まず、ステータスを確認してみるか。



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【ステータス】

個体名:春名怜

Lv:2

HP:100/100

MP:100/100

筋力:50

防御:50

俊敏:50

技量:50

知力:50

精神:50


【スキル】

《ユニーク》

『スキルルーラー Lv.1』

『開拓者』

《コモン》


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ダンジョンの中じゃなくてもステータスは確認出来るみたいだ。

そして、『最初の侵入者』とかが消えて、新しいスキルが2つ増えてる。

【スキル】の欄に指を近づける。



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『開拓者』

変化した世界に最初に順応した者に与えられるスキル


レベルアップ時の能力の上昇値が大幅に上がる

すべての経験値の取得量が大幅に上がる

レベルアップに必要な経験値の量が大幅に下がる

成長の限界が無くなる

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おぉ。これって多分、めっちゃ強いんじゃないか。成長の限界が無くなるってあるし。

あとこれって、『最初の〜』系のスキルがまとまった感じなんじゃないかな。

効果がそのままのやつがあるし。

アナウンスも、確か、『最初の踏破者』をゲットした後に、「条件を満たしました」とか言ってて、それでこれをゲットしたんだもんな。

成長の限界が無くなるっていうのは、3つまとまったボーナスみたいな感じか。


ちなみに、母さんも父さんももう家を出たので、変なことをしていると怪しまれる心配はない。



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『スキルルーラー』Lv.1

スキルの複製ができる

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ダンジョン踏破の報酬でもらったスキルだ。レベルがある。説明が淡白で、あんまり詳細が分からないけど…強そう。

コピー系の能力は強いのが定番だろう。


「へへ…」


思わず気持ち悪い声が漏れる。

俺は中学に入ってからちょくちょく、異世界系とかのネット小説を読んでるんだ。それで、こういう能力があったら…とか、そういう妄想をたまにするようになった。


その妄想の影響で、ダンジョン踏破の報酬で「望み」を訊かれた時に、「最強になること」って答えたんだ。


だから、ダンジョンとか、ステータスとか、モンスターとか、そういうものは割とすんなり受け入れられる。

というか、めっちゃ好きだ。

現実にならないかなあ、って考えていた。

昨日も、ワクワクもしてたのはそのせいだ。




ところで、【ステータス】の値はどういうものなんだろうか。

部屋に戻り、またパソコンを開く。


アナウンスがあんな内容だったせいもあってか、ステータスの検証を試みた人は多いようだ。割とすぐ答えは出てきた。


HP…生命力を数値化したもの。0になると死ぬ。

MP…一部のスキルを使うのに必要なもの。

筋力…物理的な攻撃力、力の強さ

防御…物理的な攻撃に対する打たれ強さ

俊敏…体の動きの速さ、脳の処理速度

技量…身体やスキルの操作精度

知力…非物理的な攻撃力、一部のスキルの操作精度

精神…非物理的な攻撃に対する打たれ強さ


とまあ、大体こんな感じらしい。ほんとの所は分からないけど。

あと、精神の値は、もしかするとそのままの意味で精神的な強さに関係するかも、らしい。


てか、HPが0になると死ぬ、っていうのが分かってるってことは、実際に死んだ人がいるってことなのか…?

それは、まあ、考えないようにしよう…


MPが関係する「一部のスキル」というのは、火や水を出したりといった、魔法系と(ネットで)呼ばれてるスキル等だ。

非物理的な攻撃、というのはそういうものを指すらしい。


それ以外のスキルもある。元々剣道を修めている人がダンジョンに入ると「剣道」スキルを得たり、ということもあるようだ。

これまでの世界にもあった、剣で切るとか、そういう攻撃はMPを使わない。

そういうのが「物理的な攻撃」だ。

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