第32話 原作者、勘繰る

「なるほどなぁ、こんな魔道具あるんだ」

 板状で手のひらサイズの長距離連絡機。

 要はスマホだ。


 SLGパートでどんなに距離離れていてもこちらから指示を伝えられる。

 何かしらの魔道具ある設定が補完されてるんだろうなって思ってたけど、こういう風になったんだ。


 そんでもって、ポチッとな。

 緊急招集ボタンを押してみた。


 SOSボタンだな。

 本来ならこれ押して時間稼ぎして強襲に対処するんだろうけど。


 クリティカルしちゃったから、その暇すら無かったんだな。

「相手の距離がバラバラだから、ここに戻ってきた奴を各個撃破していこう」


「ふむ」

「ん?なんかあった?」

「あ、いや、今は戦闘に集中するべきだから、終わったら話す」

 サクヤがそう言って予め決めた場所で待ち伏せの準備をする。


 戦い自体は流れ作業みたいなもんだった。


 フィーのサンドマン召喚で気が逸れた相手にサクヤの光魔法、ココアの体当たり、モッチーのHP吸収が襲いかかる。

 一組だけサンドマン無視しようとしたけど、眠りに抵抗できずにより簡単に始末された。


「さてっと、何か言いたそうだったけど、何だったの?」

「あー、それなんだが、コイツらと戦ってレベルが上がったんだ」

「へ?」

 思わず変な声出た。


「そんなはずは無いんだけどなぁ……もしかしてお前らって人間じゃ無いのか?」

「我々は魔眼兵だ……です」

 あれ、このネタも記憶あるなぁ。


 え、待って……。

 え、天空城?


 天空城にはアンニとウンニが居る。

 もちろん、彼女らをメンテナンスする施設もあるし、汎用型ホムンクルスを生産する施設もある。

 

 そして、生産施設を改修すると、護衛強化、戦闘強化、魔眼兵化、魔法兵化が出来るようになる。

 この辺は小説じゃなくてゲームの方の設定なんだけど、ここまで思い出してふと思ったのが、天空城産にしては弱すぎるんじゃないか?


 天空城は小説ではある意味、主人公よりも主役の存在。

 ゲームでもどんなに途中経過が不利でも、天空城さえ取ってしまえば互角以上の戦いが出来るくらいの最強にして万能な存在。


 そんな簡単に倒せるレベルの物を作り出すとは思えない。


 他になんかなかったかな?


「ねぇ!」


 うーん、なんかあったような気がするな……思い出せ俺の灰色の脳!

 ……

 ……

 ……

 課金アイテムか!


あったな! 俺は使った事ないけど確か『簡易版ホムンクルス生成装置』


「のう!」


強化兵、魔眼兵、魔法兵の三種類あって、別々に課金しないと使えない仕様だったはず。

え、でも課金って、そんなシステムここの世界の人間ができるのか?


「考え事してないで前見ろ! 前!」

「うん? 前? っておおおぅ! 鍾馗兵じゃ無いか! ヤッバ! モッチー戦って!」


あいつは物理無効、魔法耐性激高のデッカい版モッチーみたいなやつだ。

モッチーの方が強いけど。


ゲームでしか出てこないが、遠征モードで大量に味方兵が死ぬとごく稀に獲得できるユニットだ。


……遠征モードかこれ。

遠征って専用のホムンクルス生成装置があるんだったか。


遠征は兵士を設定してしばらく放置すると、何かしらのアイテムをゲットしてくるっていう、ゲームではよくあるサブコンテンツだ。


普通に兵隊送ることもできるけど、専用の生成装置を使う方が良い物持ってくる確率が上がる。

その装置は無課金でも強化できる。


うわ、微妙だなぁ。

課金アイテムだったら、完全にこの世界じゃ手に入らない理りの外側のアイテムだ。

確実に俺以外にもう一人転生者がいる。


しかも課金勢なら確実にガチ勢だから、俺も好みとか感情とか無視して効率のみで動かないと勝てない。


でも、これって無課金でも出来るイベントだから、この世界の住人でも充分可能だと思うんだよなぁ。


転生者がいるのか、居ないのか分からない


しかも居たとしても無課金は、ゆるふわまったり勢と、あえて課金しないハンデでどこまでいけるかっていうチャレンジ縛りプレイ勢がいるから、どっちが居るかで全然違う。


一応、居ると思って動いた方が良いかぁ。

だとしたら、縛りプレイするようなガチ勢が来たら正攻法じゃ勝てないから、ちょっとズルしないとな。


【後書き】

 お読み頂き、ありがとうございます。

 この作品はカクヨムコン参加作品です。

 カクヨムコンは星の獲得が非常に重要になりますので、少しでも入れて頂ければ作者は泣いて喜びます。

 この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と少しでも思ってくださった方は↓の『☆☆☆』を『★★★』に評価して下さると本当に助かります。

 よろしくお願いします。

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