第29話 原作者、追われる。
暗くなるのを待って討伐隊を迂回するように移動する。
闇魔法のダークネスを使ってもらって、その中を歩くようにしてるから、向こうから視界が届く事は無い。
こっちは俺のオシロスコープで位置を把握しながら移動なのでかなり安全だ。
「あれ? 討伐隊からちょうど20名こっちに向かってるな」
「完全にバレてるって事か?」
「ふむ、魔力を捉える眼を持ったものがおると考えるのが良いじゃろう」
「魔力を捉える眼かぁ、それだったらダークネス使わないで逃げた方がいいね」
ダークネスを切ったことで相手は索敵範囲を広げる為に散開していく。
これなら会敵しても各個撃破できそうだ。
魔力を捉える眼。
俺が設定した魔眼の一つだ。
三章で色々強くなりすぎた俺たちに対抗する兵隊としていくつか設定した。
そのうちの一つが魔眼兵だ。
多種多様な(都合の良い能力を持たせる為)魔眼を人工的に埋め込んだ者達だ。
もちろんゲームでもSLGパートで兵として作ることも出来たし、逆に作られる事もあった。
特徴として、額に第三の眼がある。
もちろんこれが魔眼になっている。
ゲーム設定はアニメ準拠だから三章の敵が出て来てもおかしくはないんだけど、ちょっと早すぎないか?
「うーん、世の中の動きが俺が思ってたより早い気がするなぁ」
「主殿のチートは世の中の動きまで知り得るのか?」
「そのつもりだったんだけど、そこまでじゃ無かったみたいだ」
やっぱり、ゲーム世界とリアル世界では違うんだろうな。
今回の山賊も本来なら、無かったはずのイベントだしな。
スタンピードを無くしても、他の形で補完されてしまうのも……って、あれ?
ゲーム版って、天空城後半まで出てこないけど、あの時のスタンピードってどうやって対処したんだっけ?
あ、違う。
SLGパートのチュートリアルだ。
アニメ版でもヒロインとのイチャラブメインで書かれたせいで後ろの方に持っていかれていたけど、ゲーム版は更に扱いが酷くSLGパートで、チュートリアルでゾンビとかスケルトンを倒して、スタンピードが終わるんだった。
その都合上、フィーを仲間にしてもスタンピードは起こる。
あまつさえ、フィーが仲間にいない時はスケルトンやゾンビ相手なのに、フィー仲間にしたら出てくるモンスターが強化されるんだった。
それも、思わず画面越しに、バカじゃねぇのって叫ぶくらい強化される。
どこの世界にチュートリアルで全滅やり直しさせるゲームがあるんだよってくらい強化してくる。
そうだそうだ、ヒロインを集めて、パート移動するとまず、南の島で俺の小説では一切出てこない竜王が復活して。
その島にあるダンジョンが活性化、竜王の眷属であるドラゴンやワイバーン、爬虫類繋がりか知らないが、何故かバジリスクまで出てくるんだった。
あれ、まさかヒロイン集めきったからSLGパートに移行とか言わないよな?
そんなはずは無いか………。
俺の呪いは俺自身を守る盾であると同時にこの世界が動き出すトリガーでもある。
小説版では、その一年でスローライフをして地盤を固めた。
コミカライズ版では冒険者としてお金を稼ぎ、隣国へ逃げようとする途中でサクヤに会って話が展開しだす。
アニメ版ではヒロインたちとキャッキャウフフな展開が続く時期だ。
ゲーム版でもSLGパートに移行するのは、この呪いが解ける一年後だ。
多少出てくるのは早い気がするが、今のところは対処出来ないほどの事じゃない。
大丈夫、俺は原作者なんだから。
【後書き】
お読み頂き、ありがとうございます。
この作品はカクヨムコン参加作品です。
カクヨムコンは星の獲得が非常に重要になりますので、少しでも入れて頂ければ作者は泣いて喜びます。
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よろしくお願いします。
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