第23話 原作者、寄り道をする。

 ココアの為に寄り道をしよう。


 サクヤが捕まった周辺は山賊が潜伏しやすい。

 その辺行って、オシロスコープで人間の反応見つかれば、だいたい山賊。

 あんなところで山の中うろつくのなんて、他にいない。

 狩人だって、あの辺は獲物少ないから行かないし、山賊がどこに居るかわからない山に侵入する一般人なんて基本いない。


 なので、その場所まで移動して。

『オシロスコープ』

 ……

 ……

 ……

 あれ? 多い。


「どうした?」

「あ、いや、なんか人が多いんだよね」


「山賊が多いの?」

「多分……」


「いっぱい食べれるむ?」

「あ、まぁ、そういう事に……なるかなぁ?」


 とりあえず、近場の生体反応の場所に行ってみるか。


「あーハズレだわ、あれは山賊じゃないな」

 六人ほどのグループだが装備が小綺麗だ。

 山賊があんなに綺麗な装備持ってるはず……。


「おい! なんだお前らは? まぁいい、死にたくなければあり金全部とその女共を差し出しなぁ!」

「えええ! お前ら山賊なの!?」


「あぁん? そりゃどういう意味だ?」

「その装備、まだ新品同然じゃないか、そんな綺麗な装備なんて国の兵士だって持たないぞ」


「ああ、そういう事か……理由知りたいか?」

「教えてくれるなら」

「じゃあ、力ずくで聞いてみな!」

 その男はいきなり手斧を投げつけてきた。


「危なっ!」

 慌ててマジックシールドを発動した。


 発動した……。

 あ、もう終わった。


 サクヤが光魔法をプリズムで拡散して屈折で綺麗に相手の脳天貫いた。

 一人だけリーダーっぽいのは、ココアが最近覚えて面白がって使ってる回転アタックで気絶。


 ちなみに、回転アタックは勢いつけて相手に向かっていき軽くジャンプしてそのまま前転しながら体当たりするという、無駄に体力使って、ダメージはそこまでじゃないっていう、非効率の塊みたいな攻撃だ。


 でも、こういう時は使えるな。

 本人も楽しそうだし、これはこれでいっか。


「さてと、尋問ターイム」

「あ、それなら良い魔法があるわ」

「そうなの? じゃあ頼むよ」

「任せて」

 フィーが優しい笑みで山賊に魔法をかける。


『隷属死霊化』


「う! グォォォガァ!」

「これで、今は私の言うことはなんでも聞くようになったわ。

 魔法の効果が切れると死霊化してるから、魂は壊れてしまうけど仕方がないことよね」


 自分で考えた設定だけど、こうやって見ると結構鬼畜な魔法だな。

 でもまぁ、情報収集するには便利だな。

 嘘もつけないらしいし。


 こうして、得た情報をまとめると。


 原因は俺らしい。


 フィーを仲間にしてスタンピードを止めたで、あのイベントは終わったと思ってたんだけど、現実じゃそれで終われなかったようだ。


 そもそも、スタンピードを起こす原因になったのが商人が不良在庫として抱えてる武器や防具をなんとかする為だ。


 スタンピードが無くなった事で、この部分は何も進展しなくなった。


 そこで、代わりにこれらを山賊に流したらしい。

 代金は村などを襲撃した後、上前をはねる形で回収。


 悪い奴らの横の繋がりで噂を聞きつけた奴らが続々と集まる。

 村を襲った時にどこにでも居る爪弾きどもを吸収する。


 を繰り返して、現在急速に規模を拡大してるらしい。


「ワレワレはイズレ、クニヲおそう……ゴブァファァ」

「あ、時間切れみたいね、壊れちゃった」


「モンスターの襲撃止めたら、人間になるとか聞いてない」

 俺の設定には無かった事だ。


「聞いてしまったからには止めるべきだろうな」

 サクヤのお姫様的正義感な部分に火がついたようだ。


「急いで天空城確保しよう!」

 俺たちは寄り道を中止して、街へと向かうことにした。


【後書き】

 お読み頂き、ありがとうございます。

 この作品はカクヨムコン参加作品です。

 カクヨムコンは星の獲得が非常に重要になりますので、少しでも入れて頂ければ作者は泣いて喜びます。

 この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と少しでも思ってくださった方は↓の『☆☆☆』を『★★★』に評価して下さると本当に助かります。

 よろしくお願いします。

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