第21話 原作者、愚痴を聞く
「……と、言うわけで、明らかにおかしいと思ってな!
それを探っている時にあらぬ嫌疑をかけられて、命の危険を感じて逃げ出して来たんだ!」
「うん」
知ってた。
ダンジョン攻略中、あまりにもココアが強すぎて何も出番が無いサクヤが色々山賊に捕まるまでの経緯を説明してくれるんだけど。
それ、設定したの俺だしなぁ。
でも、ここで色々喋らせて、溜め込まないようにした方が精神的に良い気がするから、ここは思う存分毒を吐かせてあげよう。
ざっくりとサクヤが言ってる事をまとめるとこうだ。
一番目の兄が急に行方不明になった。
王様が急に病気になった。
二番目の兄に様子がおかしい事に気づいた。
これを調べていて、かなり怪しいと判断したサクヤが証拠を探してると、何故か自分が一番目の兄を殺したのでは無いかという噂が流れ出した。
その容疑で捕まりそうだったので、マズイと思って逃げ出した。
道中サクヤを守護しているものが捕らわれた。
なんとか逃げ出したが、山賊に捕まった。
こんな感じ。
あの王子が怪しいっていうか、完全に黒だけどね。
原作者チートじゃなくても、アナライズでしっかり“簒奪者“って出てたんだから。
そして王子もその事知ってるから、きっちり一年経つと俺の事殺しに来るんだよね。
本編では、そこまで思い至ってない俺こと主人公がノンビリとスローライフ始めちゃうから割と大きな事件になるけど、これはコミカライズ版だからこの辺のイベントが全部後ろに回って、スタンピードイベントで、それどころじゃ無いって感じになる。
スタンピードは止めてるから、一年猶予が出来た感じだな。
その間に、思いっきり強化して何が来たって返り討ちにしてやる!
とまぁ、そんな事を考えながら隠し部屋でマジックバックをゲット。
あとはボス倒して賢者の石のカケラ確保したらもう一つのダンジョンだなぁ。
マジックバックなぁ……これの設定考えた時、なぜか変なこだわりあって主人公がアイテムボックスやストレージみたいな便利なもの持ったらいかん! って考えてマジックバックにしたんだけど……素直にストレージとかにしておけば良かった。
今から考えたら、わざわざアイテムにする意味よ!
しかもコミカライズ版だとこのダンジョンくる話カットされてるから、わざわざ別のダンジョン作ってストレージっていうスキルブック置いてなぁ……。
……
……
……
また、やっちまったよ。
これはコミカライズだった!
あ、いや待て、今回の目的はあくまで賢者の石のカケラでこれはついでみたいなもん。
ここ終わらせてから、ストレージある方のダンジョンもクリアしてしまえば問題ないや。
大丈夫、大丈夫。
時間はまだまだ、あるんだから。
さ、大きい方のダンジョン攻略に向かおう。
確保できるものは、マジックシールドの魔法と全体回復の腕輪。
どちらも賢者の石で強化した俺が使う事で、ただの応援係から支援係にランクアップ!
やっと戦闘にまともに参加できる様になる。
もう一個ダンジョンクリアすれば結構なレベルになるだろうし。
うん、順調! 順調!
【後書き】
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