第19話 原作者、警戒される。
とりあえず、起こさなきゃ。
「もしもし、サクヤ王女、起きてください」
ユサユサと揺り動かしながら王女を起こす。
「クッ、お前達に慰みものにされるくらいなら、殺せ!」
おーリアル、クッコロ見れたー。
とか思ってる場合じゃないか。
「いえいえ、味方ですよー」
「ん? 誰だお前達?」
「助けに来ました」
「なぜ見ず知らずの私を助けに来た?」
あーその説明難しいなぁ
完全に原作と違う展開になっちゃったしなぁ。
「えーっと、貴方のお兄さんが異世界の人を転移させたのは知ってる?」
「ああ、それは知っている」
「その中で役立たずだって追放されたのが居たのは?」
「知っている。 そのものが他の者や兄に一泡吹かせたと聞いて、力になって貰えるのではと城から出てきたのだからな」
あら、俺の行動で原作改変起きてる?
しかも、謎の軌道修正入ってる?
「それなら話が早い、追放されたのが俺です」
「それと今ここに居るのとは関係ないと思うが」
頭いい人は何となくで納得してくれない。
「転移した者はチートという特殊能力を持つことが出来るんです」
「その噂は聞いたことがある」
「俺は運良く複数のチートを持ってて、その一つがこの世界の知識を人より多く持つことができるものだったんです」
「それでは追放される理由がないではないか」
「その能力は追放された後に気づいた知識なので、酷い目にあわされ……てはいないから、あわされそうになったから今更協力しようとは思わないからそのまま出てきました」
「うーん、そうだとしても、ここに来た理由がわからない」
警戒されてる空気感がすごい。
「ちょっと良いかしら?」
「ん? フィーどうしたの?」
「彼女とお話させて欲しいの」
「うん、良いけど」
「初めまして私はフィー、ダイに多分助けられたものです」
「多分?」
「その辺はいずれ話すとして、今は貴方の状況を考えて」
「どういう事?」
「彼がどんな人であろうと、少なくても貴方がここで凌辱されるのを助けられたのは事実よ」
「そうね」
「私はこの山賊が大きいのか小さいのかはわからないけど、こんな少人数で来るような人数じゃない事は理解できたわ。
あなたはどう思うの?」
「この山賊は大きな方だと思う、小さい村なら襲ってもおかしくないくらいの規模よ」
「そこに助けに来た人と凌辱しようとする人が居る場所とどっちといる方が良いかしら?
信用できるかどうかは、後から考えれば良いんじゃないかしら?
少なくても現状よりはマシじゃない?」
「そうね」
おー何となく話がうまく転がったっぽい。
賢いもの同士だから、感情じゃなく現状の把握と選択でうまくいったのか。
フィーちゃん優秀だな。
「さてと、話もまとまったみたいだし、ここの山賊潰して帰ろうか?」
「そうね」
「むう」
「え? 逃げるんじゃなくて潰すのか?」
「どっちにしろ、そろそろ俺たちの侵入バレる頃だと思うしね」
「おい! おい! お前らどうした! 大変だぁ! こいつら殺されるぅ!」
ドアの外から大きな声がした。
あっぶねー、ギリギリ説得に間に合ったぁ。
あのまま時間かかってたら、ちょっと面倒だったかもしれない。
でもまあ
「ココア、思う存分暴れて来い」
そういって塊肉を渡す。
「ハムッ! 任せてムグッ、むぅ!」
お肉を食べたココアに怖いものなどない!
【後書き】
お読み頂き、ありがとうございます。
この作品はカクヨムコン参加作品です。
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