第16話 原作者、思い出す。
イオニアは国の三分の一程度が砂漠のアラブや古代エジプトをイメージした国だ。
そこの砂漠の一番大きなオアシスにダンジョンがある。
首都自体がオアシスのそばに造られているから、ダンジョンもすぐ側だ。
ダンジョンの敵も砂漠っぽい、サソリやガラガラヘビ、サボテンマンっていう擬人化したサボテンみたいなモンスターが出てくる。
規模は三階までの通常フロアにボスフロアと比較的小さい。
他のダンジョンと少しだけ違う設定があるけど、多分この世界の人は気づいて無いだろうなぁ。
という事でダンジョン攻略なんだけど……。
ココアは毒耐性が高いのでサソリでもガラガラヘビでも気にならない。
そもそも防御力高すぎて、まともに喰らわない。
鼻も耳も良いので奇襲もされない。
モチッコレイスのモッチーは物理無効で、攻撃はHPドレインとMPドレイン。
HPやMP減ってなくても予備として蓄えることが出来るうえに、その蓄えたHPやMPは他者に与える事も出来る。
もうね、本当にここはダンジョンかと思うくらい何もしないで歩くだけ。
フィーが抱っこしたいって言うから、交代でココア抱っこして歩いてるだけど。
抱っこするにはココアってちょっと重いなぁ。
くらいしかこのダンジョンでの感想ない。
そして、ボスフロア。
降りたら、いきなり広い空間でいきなりボスが居る。
「倒してくるむぅ!」
「ココア! ちょっと待った!」
「むぅ?」
「まずはこっちだ!」
全員で回れ右をして入ってきた階段の横を勢いよく蹴った。
バコン!
このダンジョンの他と少し違うところ。
それは、隠し部屋がボスフロアにあるという事だ。
知らないと見つけるのは難しいよなぁ。
閉めれば安全地帯として使えるから、攻略難易度は一気に下がる。
……今回は難易度下げるとかそういうのは関係ないっぽいけどね。
「奥に宝箱があるはず」
あ、鍵かかってる。
「ココア、コレ力ずくで開けてくれない?」
「分かったむぅ」
バキッ
うん、罠のない宝箱はコレが一番早いな。
中には『プリズム』というスキルブックが入っている。
非常に限定的なスキルで光魔法のみに影響するスキルだ。
このスキルは本編では最初のヒロインである……。
……
……
……
あぁぁぁぁぁぁ!
これ……コミカライズの方か!
小説版とコミカライズ版にはいくつも設定が変わったものがあるが、その中でも盛大に変わった設定がある。
それは最初に仲間になるヒロインの立場が、魔法戦士の冒険者から、魔法騎士の王女様になってる事だ。
「やっべー最初の遭遇イベントって山賊に襲われるやつだ!」
この王女様、俺を追い出した王子の異母妹なんだけど、意見が合わず王位継承権にも影響するため、命の危険を感じて城から逃げ出す。
そしてツギルクに到着する手前で、山賊に遭遇するんだよね。
しっかりお約束として、この山賊は王子に尻尾振ってる貴族の息がかかっている。
「何か問題があったの?」
「あったと言うか、忘れてた事を思い出した」
「どうするの?」
「うーん、とりあえずここのボス倒して大至急で戻るしかないかな」
「間に合うの?」
「……行ってみないと分からない」
「とにかく急がないとダメみたいね」
「うん、ココア全力でここのボス……っと、おおっと焦ってミスる所だった!
フィー、確か死霊術で呼べるのは自分で倒した奴だけだよな」
「そうよ、だからまだ私、スケルトンしか呼べないわ」
うん、思い出した。
この子も色々バランスブレイカーになる可能性高いから、アンデット召喚はスケルトンだけって設定にしたんだった。
その理由付けとして、召喚できるモンスターは自分で倒した相手だけってしたんだった。
コレは召喚したアンデッドが倒してもダメって設定。
「かといって、素手で殴るわけにもいかないしなぁ」
んー? ん!
あ、まだ射出タイプのクロスボウ持ってたわ。
弾も何個かあるし、大したダメージ出ないけど素手で殴るよりはマシだな。
「フィーこれ使って、ココアはギリギリまでボス削って」
フィーに射出タイプのクロスボウを渡しながらそう指示した。
ここはさっさとクリアして急いで帰らないと、王女様のクッコロ展開とか……とか、ちょっと見たいかも……いやいやいや、そんな酷い目にあわせる訳にはいかない!
【後書き】
お読み頂き、ありがとうございます。
この作品はカクヨムコン参加作品です。
カクヨムコンは星の獲得が非常に重要になりますので、少しでも入れて頂ければ作者は泣いて喜びます。
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