第12話 原作者、仲間を求める

 城塞都市『ツギルク』にやってきた。

 この街は、次に来るライトノベルに入れなかった者たちに悔しい思い(主に俺)によって出来上がった街だ。

 もちろん、冗談だ。


 そう! 俺にはネーミングセンスがない。

 小説家あるある、原作者とその主人公にネーミングセンスを求めてはいけない。

 俺は原作者で主人公だから、絶対求めちゃいけない!

 そんな事はさておいて、この都市の紹介だな。


 この都市は昔の動乱時代に最前線として城塞化されていった歴史のある都市だ。

 近くにダンジョンもある事と相まって、現在でも大都市として栄えている。


 その歴史とダンジョンの存在という現在の状況から、最も冒険者の多い場所とも言われている。

 なので、冒険者ギルドもクソでかい。


 「さてっと」

 俺は依頼を受ける為のカウンターではなく、依頼をする為のカウンターに向かった。


「指名依頼したいんだが、Dランク冒険者ゼムフィラで、内容はオカリ草の採取助手、報酬は金貨一枚」

 オカリ菜にしたかったけど、まんま過ぎるからオカリ草にしたこの草は、特殊な草だ。


 この草は他の植物に擬態する。

 鑑定スキルでも判別つかないくらい別の草になりきる。


 その為採取が物凄く難しく流通が少ない、かといってこれを必要とする物もあまり無いのでそこまで金にならない。


 だがスタンピードを起こすには必須の薬草だ!

 なぜかって?

 俺がそう設定したからだ!


 正直理由とかあまり無い!

 とりあえず大量生産出来ない理由が欲しかっただけ!


 オカリ草って名前はたまたまつけたテレビにオカリナが映ってたから。

 オカリ菜ってしようかと思ったけどまんま過ぎるから辞めたんだよね。


 だから、この名前は何も含みがない。

 後々とか全く考えないで設定した。


 擬態する草ってシチュエーションがなんか気に入ったから、後付けで設定増やしたけどな!


 あと、ついでに言うと、オカリ草採取依頼を本編では主人公がこなしてる。

 アナライズ使えば確実に見つけられるから。


 後々、スタンピードを起こす材料だって分かるんだけど。

 この辺の罪悪感もスタンピード止める理由の1つにした。


 話を元に戻そう。

 スタンピードを起こすアイテムの材料確保になるこの依頼なら、ゼムフィラはこの依頼に飛びつくはずなんだよな。


 最初は悪役で出したんだけど、俺が気に入ってしまって、このまま敵として死んでいくのが惜しくなっちゃって、なんとかならんか?

 って、割と強引にヒロインにした女の子。


 金髪碧眼、白磁の様な白い肌を薬品を使って全て隠している美少女死霊術師。


 表の顔は主に薬草の採取をメインにしているDランク冒険者。


 すっかりお気に入りになってしまったけど、スタンピード起こした当事者だからヒロインに入れて良いかかなり迷った。


でも、作者がやりたい事しないでどうする! って思いなおして結局ヒロインに組み込むことにした。


 そのせいで無理矢理気味な、結構強引なシナリオ作ってご都合主義と呼ばれても良いやって思ってヒロイン化させた。

 死んで罪を償うんじゃない! 生きて罪を償え! 俺が協力してやるみたいな流れで持っていった。


 スタンピード起こらなければ罪悪感とかないから、あっさり仲間にならないかな?

 って思ってる。


 それに彼女の弱点も知ってるし、その切り札もこっちは持ってるしな。


【後書き】

 お読み頂き、ありがとうございます。

 この作品はカクヨムコン参加作品です。

 カクヨムコンは星の獲得が非常に重要になりますので、少しでも入れて頂ければ作者は泣いて喜びます。

 この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と少しでも思ってくださった方は↓の『☆☆☆』を『★★★』に評価して下さると本当に助かります。

 よろしくお願いします。


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