第11話 原作者、獣人村を出る
ダンジョンから出てきて、レアドロップ品以外は全部獣人に売った。
かさ張るだけだし。
かなり早いペースで戻ってきたので、グラバーさんはまだ居たので帰りも乗せてもらう事になった。
ココアも問題なく俺と一緒に来る事が出来た。
というか、むしろ居なくなってホッとしている雰囲気まであった。
獣人は本来たとえ別の因子を持つ獣人でも仲間意識がある。
そして、獣人は仲間を見捨てる事はしないという暗黙の了解がある。
異界獣人でもそこまで酷い目にあわないはずと俺は思っていたのだが、そんな事はなかった。
身内で隠蔽するだけで、普通の人間と同じように見た目や能力、イメージで迫害していた。
あの村にしてみれば、邪魔者がいなくてせいせいしたという事なんだろうけど……。
なんか、モヤモヤしたものが残る。
俺の都合で言えば、あっさりココアを連れてこれて、苦労しないでよかったはずなんだが……。
割り切れないものが残った。
なんだろうな、どこか当事者というより作者目線でこの世界にいるっていう事は自覚していたんだけど。
それで良いと思ってたし、何も問題ないと思ってたんだが……。
そうじゃない自分も居ることに気づいたような、そんな感覚がある。
うーん、とりあえずココアには優しくしてあげたい。
馬車の中でクークーと寝息を立ててるココアを見ながらそう思った。
さてと!
気持ちを切り替えて!
ダンジョン攻略したからレベルも上がったし、最強のボディガードも仲間になったし、本来の目的にしてたスタンピードイベントの阻止に向かうとしようかな。
そもそもスタンピードがなぜ起こるのかなんだけど。
まぁ、普通はダンジョンが活性化だのなんだの色々理由あるだろうけど、今回のは完全に人為的に発生させただけなんだなこれが。
どうしてそんな事になったのかっていうと、隣国の戦争終結が原因。
隣の国の王子が戦争相手の王女と恋に落ちた。
小説版では、逃亡中に俺と出会って、巻き込まれて、よくあるロミジュリ展開をなんやかやで解決して、二人を結ばせた。
そのせいで?おかげで?戦争は急遽終結したんだよね。
そしたら武器商人がその両国に売る予定だっった武器や防具、爆発系のアイテムが余りまくった。
困った武器商人は貴族とか巻き込んで、スタンピードを人為的に引き起こして在庫処分してしまおうって考えた訳だ。
こんな事考えるやつクソだな。
この設定考えたの俺だけどな。
……やばい、なんか俺って凄い悪クソなやつな気がしてきた。
いやいやいや、阻止したらセーフでしょ!
よし! 気を取り直していこ!
あ……、小説版では俺がとりなして、あの二人を結ばせたけどコミカライズ版ってどうなってるんだっけ?
え?あれぇ?なんか数コマ『おめでとう』みたいなシーン載って何も詳しい事書かれなかった気がする。
大丈夫か?
なんか心配のなってきたぞ、俺がいる事で、小説版準拠で俺が関わらないとダメですとか言わないよな……。
ちょっと様子見に行った方がいいのかコレは?
落ち着け、どっちにしろ天空城が無い今は仲間を集めておかないと、俺一人じゃ何も出来ない。
まずはもう一人のヒロインと合流する事から始めよう。
スタンピードを起こすのが可能なほど優秀なフィーちゃんの元へ!
【後書き】
お読み頂き、ありがとうございます。
この作品はカクヨムコン参加作品です。
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