第3話

モヒカンが男の上着を破った。

「ヒャハー!」

男は無駄な抵抗を試みる。

「や、やめろ!」

男の上半身が顕わになってそれをみたモヒカン達はたじろいだ。

「こ、これは・・・」

モヒカンAが男の体の文字を読み上げた。

「なになに危・険・物・乙・4類?」

モヒカンAが腹を抱えて笑い出した。

「ヒャッハハハハ、おい?お前、そんなレベルの資格ごときでヒーローになったつもりか!超おめでたい野郎だ!ハハハハ、片腹痛いわ。頭の足りないお前がこれ以上生意気にならないようこれを見せてやる!」

モヒカン達は待ってましたとワクワクウキウキしだした。

「これを見ろ!」

モヒカンAが上着を脱いで上半身を男に見せつけた。

男は一瞬ビクッとしたがすぐに冷静になりその文字を見つめた。

モヒカンAが言った。

「どうだ?ん?悔しいか?驚いて言葉も出ないか?ハハハそりゃそうだろう。これがレベルの違いというものだ。そう、皆持っていたらなんとなく食っていけそうに思え、頑張ればなんとなく受かりそうな気がするが意外と難しい資格ナンバー1、それが行政書士だ!」

モヒカン達の歓声があがる。

「ウヒョーーー!!」

男は固まっている。

モヒカンBがバカ面そうな顔で場の空気を読めず声を上げた。

「さすが先輩だ!先輩!俺のも見て欲しいっす!」

それを聞いたモヒカンAがビクッと反応し嫌な顔になる。

モヒカンAが制しの声を上げる前にモヒカンBはさっさと上着を脱いだ。

その身体には「簿記1級」と書かれていた。

それを見た男は思わず声をあげてしまった。

「ぼ、簿記1級だって?!・・・」

このバカ面丸出しのモヒカンがまさかの超難関の簿記1級。

しかし、男はすぐに冷静さを取り戻した。

モヒカンAは自分より難関な資格を見せつけられ、イライラが収まらず、タバコを吸って落ち着こうとポケットから取り出した。

それを見た男は青ざめながら言った。

「おい!そいつは駄目だ!」

男は羽交い絞めを振り払うと音速のスピードで走り出した。

「トオーーー!!」

そう叫びながらスライディングアタックをガソリン容器にぶちかまし遠くに吹っ飛ばした。

吹っ飛ばされたガソリン容器は功を描くように飛んでいき崖にぶつかって大爆発を起こした。

ボカーーン!!

皆あまりの出来事に口をあんぐり開けて固まった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る