誰にも読んでもらえなかった頃を思えば
間違いなく前に進んでいるだろう
だが、足りない
もっと読んでほしい、読んでもらいたい
書き付けた文字が積み重なるほどに
募る渇望は、やがて飢えへと変容する
誰もが通った道
そして、ひょっとしたら
これで最後になる道
────やれるだけ、やった?
……✌️
その答えが知りたかった
届くと思っていた、女神の微笑みは
するりとこの手を零れ落ちていった
もう、充分だと思った──
……でも、まだ足りない
まだ書いていない生まれる前の物語たちが
自分の内で叫んでいるのを感じる──
食い下がってみようか
しがみついてみようか
まだ、自分の物語は終わっていないのだから──