第6話 初戦闘
オルドに連れられ王都から少し離れた森林にやってきた。
初の実践演習ということで、以前つくったグループでの魔物との戦闘訓練を行うようである。
この森林では比較的弱いとされる魔物しかしいない。ゴブリンやホーンラビット、それにスライムといった低級の魔物である。
王都の近くに災害級の魔物がいたら大問題なのだから当然のことであるし、そんな魔物がいるところに王都を設立するわけもない。
そんな安全な森林での演習ではあるが学生の間には緊張感がある。
いくら村で魔物狩りをしていたといっても、それは大人と一緒に、大人の後ろでの仮に過ぎないからだ。
自身が前に出ての魔物との戦闘は今日が初めてになる
オルドからは簡単な説明しかなく、後は自分たちで好きに魔物と戦ってこいとのことだ
「とりあえず、ゼラがタンクで俺が前衛、後衛はマーカスでやってみるでいいよな」
マーカスとゼラから了承を得て、森林を探索することにした。
いや、どうしても聞かなくてはならないことがある。
実践訓練では各自、自分の戦闘スタイルにあった服装・装備を自身で用意することになっており、いつもの学生服ではない。
つまり、各々が異なる服装をしているのだ。
俺の場合は一般的な戦士の装備であり、マーカスは水色のローブを羽織っている。
問題はゼラ、だ。
どうして、大事なところを少ししか隠さない鎧なのだ。
可愛らしい胸は中心部しか赤いプレートで隠されておらず、下半身も同様にパンツのようである。
たしかに、片手剣にラウンドシールドを装備してはいるが、タンクとは思えない、いや戦士とは思えない格好なのである。
ゼラに装備について尋ねてみると何か問題でも?といったような感じで返答が返ってくる
「こっちの方が動きやすいからに決まってるじゃん。」
なんともシンプル。
ゼラ曰く、風魔法によるウィンドアーマーと身体強化によって十分な耐久は確保できていて、動きを速めるために装備の軽量化をしているというわけだ。
それに、赤いプレートの鎧?はビキニアーマーといい冒険者の中では流行っている装備ではあるらしい。
流行の理由はエッチだからなんじゃないかとも思うんだが。
痴女にしか見えないな、と思っていると
「なに?興奮してるの?仲間だから特別に見てもいいよ」
発育は良いとは言えないが、逆にそれがビキニアーマーと親和性が高いのでは?と思えなくもない。しかし、仲間なのだ。そんな風に見ていいわけがない。
そんなことを言ってくる痴女ゼラのことを無視し探索を再開した。
目の前に3体のゴブリン。どれも剣を装備したゴブリンソルジャーという種だ
マーカスの水球で先制をしかけ、一体を倒す。
イメージと違い、水球を顔に当てることで溺死させたようだ。なかなかに残酷な魔法だ。
不意打ちをくらい戸惑っている残りのゴブリンに向かって、ゼラは風魔法と身体強化による補助によって一瞬のうちに間合いをつめ、一撃で倒す。
俺は加速魔法を自身にかけることで高速へと到り、反応されることなく、ゴブリンの首をはね上げることになった。
初戦闘としては十分であろう。物足りないぐらいだ。
タンクとしての働きはわからなかったが回避型タンクとしてやっていけるだろう。
意外とこのパーティーも悪くないような気がしてきた
この後も森林を探索し、ゴブリンなどを討伐し、本日の実践演習は終わりとなった。
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