第4話
「お前たちはこれから2年間このクラスで生活する。実技はグループで行うこともあるから今決めるように。3人のグループで構成も考えるようにな」
まだお互いを理解していないのにグループを決めることになってしまった。
こういうのは授業を受けてから決めるもんじゃないのか?とも思うが従うしかない。
「どお?僕たちで組まない?」
「いや、そんな簡単に決めていいのか?もっと考えた方がいいと思うぞ?マーカス」
「だってジークとはさっき話して友達だろ?それに、結構強いでしょ」
マーカスは意外と気さくな奴なのかもしれない。だが、たしかに俺は強い方だと思う。でも、マーカスはどうだ。雰囲気はできそうだが
「大丈夫大丈夫。庶民クラスは基本入学試験を受けてるんだけど、僕は魔法試験で1位だったから安心していいよ」
「そうだったのか。俺は孤児院からだから試験は受けてないんだ。すまない」
単にイケメンだから注目されていたわけではなかったようだ。
だとすると、マーカスを狙ってくる人が多くいそうなんだが……
周囲を見渡してみると狙ってはいるがお互いに牽制し合っている様子だ
「これで前衛と後衛はそろったけど、あと1人はどうしようか」
「俺は前衛でも剣術しかできないからタンクか回復魔法のできる奴がいいな」
「あーならタンクにしようよ。僕は回復魔法も使えるから後衛全般は任せてくれていいよ」
そうはいっても誰が何をできるのかなんてほとんどわかっていない状況で探すのは無理というものだ。
他のみんなはマーカスのことを諦めたのかそれぞれグループを結成しオルドに伝えにいく姿が見える。
マズイ。残り物の学生だけはマズイ。
こんなことになるなら早くに声をかけに行けばよかった。
もっと考えてグループつくれよ!
「どうどう?私ならタンクできるよ!」
俺とマーカスの間にひょっこりと赤髪の頭が現れた
赤髪の少女ゼラだ
こんな細い女の子がタンクをできるのだろうか。
表情に出ていたのかゼラから抗議の声があがる
「これでも村では魔物を狩っていたんだからね!身体強化が得意だから問題ないよ!」
そんなことを言われても実際のところわからないしなあ。
かといって他に宛があるわけでもないし。クラスメイトも着々とグループをつくっているわけで……
「ゼラでいいと思うよ。できるって言ってるし。それに周りにもう残ってないしね」
「あー……そう、だな。」
みんな近い人同士で組んでいるのか、既にグループを決めていた。どうりで早く決まるわけだ
「あれ、まてよ。なんでゼラは近くで組まなかったんだ?」
「え?そんなのイケメンのグループがいいからに決まってるじゃん」
マーカス、俺たちはもうだめみたいだ
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