第3話 歴史上の日本の防衛
K大学のライバルと言ってもいいかも知れない大学に、
「W大学」
というところがある。
K大学とは、昔からの、
「永遠のライバル」
ということで、スポーツや、文化面においても、
「その勢力は大学界を二分する」
と言われているようで、昔から、薬物研究に関しても、大いに争ってきたといってもいいだろう。
そのW大学というところは、昔から、いわゆる、
「大日本帝国時代」
から、
「軍部と結構なかかわりがあった」
と言われていた。
軍部と、普通の大学とでは、そもそも違っているのだが、大学の中では、それぞれに、
「贔屓」
であったり、
「関わりのある」
という大学が存在したりする。
そのため、
「W大学」
というところは、
「大学界でも、謎が多いところ」
と言われてきた。
それはあくまでも、
「K大学と比較して」
ということであり、
「K大学が、開かれた環境の大学だ」
というわけでは決してないのだった。
K大学とW大学の違いというと。
「K大学というところは、陸軍とのかかわりが深いところであり、W大学というところは、逆に海軍とのかかわりが多い」
と言われていた。
軍人育成ということであれば、士官学校であったり、陸海軍の大学などが、その登竜門となるのだが、K大学であったり、W大学というところは、
「兵器開発」
ということでの、スペシャリストが集まっているといってもいいだろう。
旧陸海軍というところは、何と言っても、
「大日本帝国」
の中では特殊であり、憲法において、
「天皇による統帥権」
というものが存在した。
つまり、
「軍というところは、天皇直轄であり、政府といえども、軍のやることに口出しできないどころか、作戦を知るということもできないのだ。
もし、漏らしたりすると、国家の存続問題に発展するわけで、戦時中などの、
「情報統制」
という中で、
「首相が、ミッドウェイでの、散々たる敗戦を知ったのは、半年後だった」
というくらいである。
国民にひた隠しにするということは、政府にもひた隠しにしないといけないということで、それだけ、軍にとって大切なものは、
「軍人の士気の高まり」
であり、それは国民に対しても同じだった。
鼓舞しなければいけないところは、必死になってひた隠し、鼓舞をするというのが、戦争遂行の鉄則だったのだ。
今の時代の人たちは、どうも、歴史の授業でどこまで習っているのか分からないが、
「大日本帝国は、中国を侵略し、それを正義の米英が、制止しようとして、経済制裁を行ったが、それによって、日本は、南方の資源がほしくて、南方に進出したことで、無謀な戦争に突入した」
と習ったのではないだろうか?
そして、その背景として、
「政府のいうことを聞かず、軍部が暴走した」
というところがあったということであろう。
しかし、後半の、
「政府のいうことを聞かない軍部」
というのは、本来なら、
「当たり前のことなのだ」
そもそも、
「軍部は、統帥権によって、政府のいうことを聞く必要はない。もっといえば、政府が軍のすることに口出しをしたり、機密事項を知ってはいけない」
ということになっているのだ。
だから、少なくとも、
「政府のいうことを聞かず、軍部が暴走した」
というのは、成り立たないということである。
また、中国に、
「侵略した」
というのも、実際には諸説あり、元々は、偶発的な小競合いから、そもそもの、
「反日感情から、中国が日本を挑発した」
ということになる。
だから、
「日本が侵略をした」
ということであれば、
「そもそもの、反日というものが、いかにして起こったのか?」
というところから見て行かないといけないであろう。
しかも、戦争への突入には、今は、
「太平洋戦争」
などという言葉で言われているが、実際には、閣議決定された、本来の名前があるのだ。
それが、
「シナ事変からこっち」
という意味を含めた、
「大東亜戦争」
ということである。
「大東亜」
というのは、
「東アジア」
ということであり、そもそも、アジア諸国というのは、数百年前の大航海時代からこっち、
「欧米列強」
と呼ばれるところから、
「侵略され、強引に戦争を仕掛けられ、植民地にされてしまった」
という歴史があるではないか。
だから、アジア諸国というのは、独立国ではなく、
「欧米列強」
における、
「宗主国」
から、植民地として、搾取を受けているのだ。
だから、欧米からすれば、
「自分たちの領地を後から来て争うという日本は、侵略国だ」
ということになるのだ。
もちろん、諸説はあるだろうが、事実だけを重ねてみていくと、贔屓目に見ても、その構図に変わりはないだろう。
だから、日本が、
「無条件降伏」
をした際に、日米英戦を、
「大東亜戦争」
という表記ではまずいのだ。
そもそもの、日本における、
「大東亜戦争の目的」
というのは、
「アングロサクソンから、アジア諸国を解放し、そして、日本を中心とした、アジアに、大共栄圏というものを築く」
ということが目的だということだったのだ。
諸説あったとしても、
「立派な戦争目的ではないだろうか?」
アヘン戦争などによって、
「中国を食い物にした欧米列強が、戦争に勝ったということで、それを正当化しようとしての、大東亜戦争という表記をダメなものとする」
ということだったのだ。
だから、戦後、開放されたアジア諸国だったが、すぐに、元の宗主国が介入してきたのだが、
「もう植民地になるのは嫌だ」
ということで、日本が、
「独立国としての考え方であったりを教えたことで、独立戦争に勝利し、独立を勝ち取ったではないか」
そういう意味では、やり方は別にして、
「アジアを解放する」
という戦争目的は、日本が破れたとしても、達成冴えたといってもいいだろう。
それを、まるで、
「日本が自衛のためだけに、アジア諸国を植民地にした」
と言われるのは、
「戦勝国から植え付けられた、本当であれば誤った知識なのかも知れない」
特に、大東亜戦争に入った時の、海軍による、
「真珠湾攻撃」
というものが、
「アメリカのシナリオ通りだった」
と言われるではないか。
「騙し討ちが、本当は騙し討ちではなかった」
というのは、日本が、宣戦布告に関しては、結構シビアだったのだから、逆にいえば、
「騙し討ちにあった」
という事実が残ったとすれば、それは、そこかに戦争に引き込むという策略があったと考えるのは自然なことだろう。
事実だけを見ていくと、そういうことにしかならないということである。
それを考えると、
「戦争というものは、本当に、勝てば官軍だ」
といえるだろう。
極東国際軍事裁判においても、
「人道に対する罪」
などという、元々なかった罪をでっち上げたではないか。
さすがに、
「C級戦犯者」
はいなかったが、それはナチスドイツを裁くためだったということで、日本にたいしての一番の問題は、
「国体としての、天皇制」
ということであろう。
日本は、天皇を国家元首から、象徴とすることで、
「戦争責任を問わず、天皇制の存続」
ということになったのだ。
だが、武装解除から、
「軍部」
や、
「財閥」
という、戦争を起こした責任ということで、解体させられることになり、
「平和憲法」
による、新しい日本、
「日本国」
というものが成立した。
しかし、それ以降、当時の大きな問題として、
「東西冷戦」
というものがあったが、それが、日本という国の立地という問題から、
「非武装」
という政策だったものが、そうもいかなくなり、
「警察予備隊」
からの、
「自衛隊結成」
ということになったのだ。
自衛隊の中には、元旧日本軍という人もいたことだろう。
その後の、
「東西の代理戦争」
というものにおいて、日本の国土から、米兵が出兵していくという、
「日本が、前線基地」
ということになったという歴史があるのだった。
それが、今は、
「憲法改正」
と言われる時代になり、
「自衛隊というものを、憲法で認める」
ということが話し合われるようにあったのだ。
つまり、今は、
「自衛隊は、違憲ではないか?」
と言われるくらい、憲法から見れば、微妙な存在だといってもいいだろう。
長々と書いてきたが、要するに、
「大日本帝国の時代というのは、本当に教育として受けてきたことが、事実だったのか?」
ということである。
戦後、もう80年以上も経っているわけである。
その間に歴史は流れ、世界情勢もいろいろ変わってきた。
あれだけ、大きな問題だった、資本主義陣営と、社会主義陣営の間で繰り広げられてきた、
「東西冷戦」
というのが、終わり、その象徴が、
「ソ連と、ベルリンの壁の崩壊」
だったんだ。
それまでは、
「超大国である、ソ連とアメリカとの間の代理戦争」
というものが、問題だった。
朝鮮、ベトナム、アフガニスタンなど、その象徴で、それが、
「ソ連の崩壊」
ということで、世界平和が来るかと思えばどっこいで、それまで、小競合いがずっと続いていた、イスラムの国と、アメリカとの問題が大きくなり、それが、
「戦争」
という形ではなく、
「テロ」
であったり、
「ゲリラ戦」
というものが、大きな問題になってきたりしたのである。
そんな時代を超えてきて、今の時代は、
「ソ連」
に変わる超大国が、出現したことで、日本を中心とする。諸外国は、
「戦争になるのではないか?」
ということを言われていたりする。
さらに、それをいいことに、某国から、
「武器を買うように、強制的に言われていることで、政治家は、それにしたがっているために、国民への負担から、増税ということになっている」
といえるだろう。
確かに、
「日本は今までのように、平和憲法の国」
というだけのことで、逃れることのできないようになってきたのだが、実際の防衛費の増額というのは、
「某国から買わされる武器の金」
ということになる。
「それでも、日本は平和憲法の国だ」
といえるのだろうか。
ここでも、
「勝てば官軍」
ということで、戦争が終わって80年以上も経つのに、いまだに、属国扱いというのは、本当にどういうことなのだろうか?
そんなことを考えていると、
「我が国独自の兵器を開発する必要がある」
ということになるだろう。
もちろん、
「平和憲法がある以上、武器の開発を大っぴらにはできないだろう」
しかし、考えてみれば、
「永世中立」
ということを宣言している国であっても、
「軍隊」
というものをもっている。
しかも、その力は結構協力であり、国によっては、国産の兵器開発の会社があるくらいではないか。
日本の自衛隊というのも、装備だけでいえば、世界ランキングの、ベストテンには入ることだろう。
さすがにベストファイブに入るのは難しいであろうが、それでも、上位であることに変わりはない。
「永世中立国」
というのも、ある意味、どこから攻められないとも限らないから、軍隊を持っているということであろう。
そもそも、
「宣戦布告」
というものをどうしてしないといけないのか?
ということであるが、
「騙し討ちになる」
ということも確かにそうであろうが、それよりも、もっと言われていることとして、
「第三国に、戦争を始めたことを宣言するためだ」
ということでもあるのだ。
戦争を始めた国に対しては。第三国は、その姿勢を示さなければいけない。
「どっちの国に加勢する」
あるいは、
「中立を宣言する」
などである。
同盟を結んでいる国は、同盟国と一緒になって、宣戦布告をすることになるのだろうが、そうでない国は、自分の立場を明確にしておかないと、戦争に巻き込まれた時に、戦時体制の国も混乱するからである。
「敵。味方、あるいは中立」
とハッキリしていないと、攻撃もできない。
中立国を攻撃してしまうと、国際社会から、避難を浴びてしまうからであった。
だから、他の国に、ハッキリと態度をさせるために、
「宣戦布告」
というのは、大切なことなのである。
だから、いわゆる、
「日中戦争」
と呼ばれているものは、厳密には、
「前半と後半とでは違っている」
と言われているのだ。
というのも、元々は、小さ軍事衝突である、
「盧溝橋事件」
から始まったものであるが、実際には、その和平交渉は終わっている。
しかし、中国側の執拗な挑発から、日本は、戦闘しないといけない状態にされた。
特に、
「通州事件」
と呼ばれる、中国側による、
「日本人居留民」
に対しての、
「大虐殺事件」
が起こったのだ。
そこで、日本のマスコミや、世論は、
「中国の暴挙を許すまじ」
ということで、全面戦争に突き進むことになるのだが、その時に、
「日中ともに、宣戦布告をしていない」
ということであった。
というのも、
「宣戦布告をしてしまうと、第三国が、その立場を明確にしなければいけない」
ということである。
日本とすれば、宣戦布告をしてしまうと、
「アメリカが、中国と一緒になって、日本に宣戦布告するかも知れない」
ということで、日本は曖昧にしておきたかった。
中国側側からすれば、
「宣戦布告をしてしまい、アメリカが、中立ということを言いだせば、アメリカからの援助物資が入ってこなくなる」
と考えたからだ。
そもそも、アメリカは、
「モンロー主義」
というものがあり、他の大陸の戦争には、消極的だということで、戦争に踏み切ることはないだろうが、中国に宣戦布告をしてしまうと、中国に、権益を持っている国は、日本に敵対する可能性もあるのだ。
それは非常にまずいことで、
「どちらの国も、宣戦布告をするということは、得策ではない」
ということであった。
となると、
「宣戦布告なき戦い」
ということになり、日本では、宣戦布告のない戦闘状態を、
「事件」
あるいは、
「事変」
と言っている。
だから、満州事変も、宣戦布告がなかったのだ。
日本も、最初は、盧溝橋事件からこっちは、
「シナ事変」
という言葉を使っていた。
「日華」、「北支」などと言った事変を使うこともあるという。
だから、本当の
「日中戦争」
というのは、
「あくまでも、日本が米英に宣戦布告したことで、中国が日本に宣戦を布告した時からが、本当の日中戦争という」
というのが、本当なのだ。
日本という国は、そんな歴史を歩んできた国であり、戦後には、
「平和な国」
などと言われてきたが、
「どこまでが、本当なのだろうか?」
ともいえるのだ。
そして、今の時代というのは、
「そんな平和ボケでいいのだろうか?」
と考える人が増えてきているということであった。
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