リハビリ
なんとか流動食を一口、摂取できる程に回復した。
水さえも普通には飲めず、ドロドロに作られた水しか飲ませてはもらえなかった。
右足には異常な痛みが走っている。
障がい──僕はオーバードーズにより右足が不自由になった。
身体中には色々な管があり、床ずれを防ぐため看護婦が定期的にクッションの位置を変えにくる。
毎朝、自分の名前と日付を尋ねられる。これは記憶が確かであるか確認するためだろう。
勿論、排泄はベッドに寝たまま、介助される。
通常ならストレスで発狂しそうだが、環境適応能力が高いのか、それほど苦ではなかった──。
そのうちベッドから上半身を起こす段階に来るのだが長期間意識も、あっても寝たきりなので、すぐに目眩がして意識が飛びそうになる。
何日か経て、立ち上がるところまで回復した。
ベッドから車椅子に移動する練習が始まる。
勿論、手足は殆ど動かない。
車椅子に移る動作が出来るようになると退院出来ると思っていたが、
「明日から駒ヶ根の病院に移動になります」
生活保護受給者が入院すると医療保護入院──のようなかたちで入院する事となり、たぶん救急病棟の医者が"精神科での治療が必要"とみたのか僕は精神科での入院生活を送るハメになる。
伊那中央病院から、こころの医療センター駒ヶ根までの移動は身元引受け人がやるのか、僕の場合、両親が父の愛車、白のハイエースで迎えに来た。
車椅子からクルマに乗り込む事は自力では出来ないので看護婦がクルマに乗せてくれた。
様々な手続きを終え、僕はここで暫く暮らす事となった。
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