第60話 ノヴァリスの女王

 キャテルトリーのレストラン「マリーワン」は、今日も多くの客で賑わっている。

 ガヤガヤと騒がしい店内の奥にあるテーブルに、ナナセとルイン、タケルとツバサの四人が集まっていた。


 店主のマリーワンは「珍しい顔があるわね」と言いながら注文を取る。マリーワンとツバサは顔見知りで、その口ぶりから二人は久しぶりに会ったようだ。


「久々にこの店の料理が食べたくてさー。マリーワンの料理は俺の知る中で一番だからね」

 マリーワンを褒めたたえるツバサを、当のマリーワンは軽く睨むだけだ。

「よく言うわねー。もう一年以上来てないでしょ? ここに」

「いやいや、俺も忙しいのよ色々と」

「やっぱり『ハイファミリー同盟』に入ると変わっちゃうのかしらねー」

 軽い嫌味を言うマリーワンに、気まずそうな顔でツバサが頭を掻く。


「マリーワン、しょうがねえよツバサは。ヤマケンの右腕だし忙しいのは本当なんだから」

「そうらしいわね。マリーツーから聞いてるわよ、同盟のランクも上位らしいじゃない」

「まあ……なんとかやってるよ」

 ツバサは苦笑いしながら「みんな、好きなもん頼んでいいよ。今日は俺がおごるからさ」と言うと、ナナセとルインは目を輝かせた。

「あら、そういうことなら私に任せて! ハイファミリーの方に相応しいお料理をお持ちしますわね!」

 マリーワンは何か企んでいるような顔で笑った。


 テーブルの上にはマリーワンで最も値段の高い料理がずらりと並ぶ。ナナセとルインはツバサのおかげで美味しい料理にありつけたので、二人ともご機嫌だ。

「このお肉、美味しい!」

 ナナセはとろけるような柔らかいステーキを一口食べ、笑顔がこぼれる。

「この『シャトルフ茸』初めて食べたけど、すっごくいい香り」

 ルインも肉の上にスライスされた高級茸の風味に感動している。

「良かったなお前ら、うまいもん食えて。ツバサのおかげだぞ?」

 タケルは美味しい料理に舌鼓を打つナナセとルインを、ニヤニヤしながら見ている。もちろんタケルの前にも同じ料理が置かれ、早食いの彼女はとっくに平らげてしまっている。


「……マリーワンの奴、ここぞとばかりに高い料理ばっかり持ってきてさ。まあいいや、俺も今日は酒飲もうっと」

 ツバサはすっかり諦めたようで、店員を呼び止めるとワインを注文した。


 食事が進んだところで、ツバサはワインが揺らめくグラスを置き、話を始めた。

「さて、俺が君らを呼び出した理由だけど……ヒースバリーじゃ話しづらいからさ」

「大体検討はつくぜ。お前らの『仲間』についての話だろ?」

 タケルの言葉に、ツバサは頷いて更に話を続ける。

「タケルも知ってるだろうけど、今うちの同盟が大変なことになってるんだよね」


 レストランの窓から見える木々の緑はどんどん濃くなり、空の青もはっきりとしてきた。季節は少し進み、気温が上がってきた。リスティが初めての合同討伐に行ってから少し時間が経過して、ハイファミリー同盟には大きな変化が起こっていた。


「リスティが合同討伐の調整を担当するようになったんだ。どこのファミリーと組ませるかとか、メンバーの選抜にも口を出すようになったんだよ。そのせいで俺達は最近合同討伐から外されたり、人気の魔物狩りに参加できなくなってる」

 ツバサはため息をつき、吐き出すように話した。


「お前らが参加できない? あり得ないだろ」

 タケルは驚き、思わず声が大きくなる。周囲の目を気にして慌てて声を潜め「コーヒーゾンビは同盟じゃトップ5には入るファミリーのはずだろ?」とツバサに言った。

「まあ、一応はね。俺達は、結構同盟に貢献してきたって自負はあるよ。なのに最近は希望の討伐には一つも参加できてないんだ。ファミリー内でもかなり不満が溜まってる」


「リスティと何かあったんですね?」

 ナナセは特に驚く様子もなく、冷静にツバサに尋ねた。

「お察しの通りだよ。前に君らとヒースバリーで会った時、あの後リスティの『ブルーブラッド』と合同討伐に行ったんだけど、報酬を分ける時にリスティが『キメラの羽根』を自分に寄越せと言ってきたんだ」

「はあ? 何の権利があってそんなこと言えるんだよ」

 タケルは眉を吊り上げたが、ナナセは表情を変えず黙って頷いていた。


「もちろんそんなことはできないから断ったけど、そしたらリスティ、すねちゃってくじ引きに参加しなかったんだ。魔物狩りはそこで終わったけど、リスティの奴、レンにそのことをチクってさ」

「その、レンという人にでたらめを言ったんですね?」

 ナナセはまるで見てきたかのように話した。ナナセの表情は硬く、静かな怒りを感じたルインは、心配そうにナナセの横顔を見つめた。ツバサはナナセがリスティの性格を良く理解していることに驚いた顔をしながら、更に話を続けた。


「……その通りさ。レンにどう言ったのか知らないけど、俺達がリスティにきつく当たってくじ引きに参加させなかったんだろうって言うんだ。勿論俺達は否定したけど、レンはすっかりリスティの虜で、俺らが何を言っても信じないんだよ」

「それで、お前らが合同討伐から外されてるってことか?」

 タケルが尋ねると、ツバサは肩を落とした。

「そういうこと。レンがリスティを合同討伐の調整役に任命したって聞いた時は、嫌な予感がしたんだよなあ。案の定、リスティが仕切るようになってから、俺達はあからさまに合同討伐から外されてる。行けるのは人気のない魔物ばかりさ」


「リスティは自分を正当化するのが得意なんです。そういう女なんです」

 ナナセは独り言のように呟いた。


「ナナセ、君はリスティのことを良く理解してるよね。前に会った時も妙な態度だったし……彼女のことを詳しく聞きたくて今日は君達も呼んだんだよ。教えてくれない? リスティがどんな女なのか」

 ツバサは探るような目つきでナナセに言った。ナナセは頷き、同じファミリーの仲間だったこと、ファミリーが彼女の意のままになり、ナナセはファミリーから追放されたことを簡単に説明した。



「……なるほど、今の同盟の状況に似てるなあ」

 ツバサは天井を見上げ、ため息をついた。

「そんなにヤバいのか? 今の同盟は」

 タケルが心配そうにツバサに尋ねた。

「表向きは通常通りだけど、ヒースバリーじゃ実質的な同盟のボスはリスティだなんて噂まで立ってるよ。何よりまずいのが、そんな噂が流れてるってのに、ボスのレンが言わせたままにしてるってことだよ。今までだったら考えられないよ、まるでレンはリスティがボスだと認めてるみたいじゃないか」

「レンと直接話したのか?」

 タケルの質問に、ツバサはもちろん、と頷く。

「俺も話したし、ヤマケンもレンと話したよ。でもレンはもうダメだ。リスティが、リスティがってあの女の話ばかりだ」


 タケルは厳しい表情になり、テーブルの上で手を組む。

「あの時、もっとちゃんとリスティのことをお前に話しておくんだった。俺もナナセから話を聞いてただけで、あの女の怖さを分かってなかったわ」

「怖さを分かってないのは、私も同じです。分かっていたつもりだったけど、彼女がここまで野心がある女だとは思いませんでした」

 ナナセがタケルに続いた。リスティの上昇志向はダークロードにいた頃から見えていた部分はあったが、それは微笑ましいものであった。冒険者なら誰もが抱く夢のようなもので、何も怖いところはない。


「リスティって、何になろうとしてるんだろう」

 ルインがポツリと言った。ナナセはルインの横顔を見ると、次に視線をテーブルの上に落とした。

「私達は誰も、彼女の本性を知らないんです」




 重い沈黙の後、タケルは口を開いた。

「同盟のこと、これからも何か変化があったら知らせてくれ。俺も外から色々調べてみる」

「ツバサさん、リスティのことなら私も力になれるかもしれません。何でも聞いてください」

 ナナセもタケルに続く。

「ありがとう。助かるよ」

 四人は食事を終え、解散した。先にヒースバリーに戻るというツバサがポータルの光に包まれ消えていくのを見送った後、タケルはナナセとルインに向き直った。


「この問題はノヴァリス全体に関わる。今後は『黒の手』として俺達は問題に対応するから、お前らもそのつもりで動いてくれ」

「はい」

「分かりました」

 ナナセとルインはいつもの雰囲気と違うタケルの態度に、思わず背筋を伸ばした。

「俺はこの後ブラックに会いに行く。何かあったら連絡するわ」

 言うが早いか、タケルはその場にポータルの鍵を落とし、ツバサと同じように光に包まれて消えていった。




 厳しい表情でタケルを見送ったナナセを、ルインはそっと慰めるように背中に手を置いた。

「ナナセ、私達はリスティのことを見くびっていたのかも」

「そうだね……」

 ナナセはルインに視線を送り、頷いた。リスティがファミリーの中でお姫様のように振舞っているだけなら、問題は小さかった。リスティから離れ、彼女と彼女の仲間達と関わらなければ嫌な思いをすることもないし、平和に暮らせるはずだった。


 だがリスティはハイファミリー同盟に入り、そこでもトラブルを起こしている。同盟のことは良く知らないナナセでも、ノヴァリスの冒険者達のトップに立つ集団で、冒険者をまとめている存在だということくらいは分かる。そんな同盟の関係にもしも亀裂が入り、壊れてしまうなんてことになれば、冒険者達が混乱に陥ってしまう。魔物退治にも影響が出るかもしれない。


(リスティに好き勝手させないように、誰かが彼女を止めないと)


 誰もが永遠に、平和で幸せな人生を送れる世界「レムリアル」に生まれたナナセ。その平和を脅かす存在は排除しなければならない。

 ナナセは拳をぎゅっと握りしめ、決意を新たにしていた。



♢♢♢



 ナナセ達がツバサとレストラン「マリーワン」で食事をしてから数日後。

 今日は、ハイファミリー同盟に所属するファミリーのリーダーが一堂に会する日だ。彼らが集まる会合では様々なことを話し合う。最も重要な話し合いの一つが、魔物狩りの合同討伐に関してのことだ。


 ノヴァリスには、多くのダンジョンと呼ばれる洞窟や地下迷宮が存在していると言われ、その最奥には恐ろしい魔物が現れる。力のある冒険者が束になってようやく倒せるほど強力な魔物だが、その魔物からは多くの質のいいブラッドストーンと、貴重な落とし物が手に入る可能性がある。強力な魔物の素材は強力な武器や防具に使われ、冒険者を更に強くする力がある。多くの冒険者達はその強力な素材を求め、日々力を磨いているのだが、誰でもその恐ろしい魔物と戦う機会があるわけではない。


 なんの計画もなく闇雲に向かっても、恐ろしい魔物の体力を少しも削ることなく倒れていくだけだ。その為に手練れの冒険者達が集まり、作られたのが「ハイファミリー」と呼ばれる上級冒険者の中でも優れた才を持つ者達の集まり。そしてハイファミリー同士で手を組み、協力して魔物を倒す為に作られたのが「ハイファミリー同盟」である。


 ハイファミリー同盟のリーダー達は話し合い、どの魔物をどのファミリーで倒すかを会合で決めていた。魔物は倒された後、一定の時間を置いて再び「宵の泉」からやってくる。同盟はその時間も管理し、いつ次の魔物が現れるか完璧に把握している。ハイファミリー同盟に所属していなければ勝手に手を出せない魔物がいるのである。

 一見不公平に思えるが、ハイファミリー同盟の所属メンバーの強さは誰もが認めるところだ。並の冒険者が好奇心で手を出して倒せるような魔物ではない。それならば自分を鍛え、ハイファミリーに所属する道を選ぶ方が早い。今まではこの形で世界は上手く回っていたのである。


 そこへ現れたのが「リスティ」である。


 会合は同盟のボスである「不敗の軍団」のファミリーハウスで行われる。高台の上にある見晴らしのいい場所に建てられた巨大な屋敷に、各ハイファミリーのリーダー達が続々と集まっていた。


 屋敷の広間に巨大な長方形のテーブルがあり、椅子がずらりと並んでいる。テーブルの上には美しい花が飾られ、広間の壁にはリーダー達が集まって撮影された記録画像が飾られている。その画像に映るリーダー達は皆笑顔だが、今まさにこの広間に集まっているリーダー達の表情は冴えない。


 一番奥にあるレンが座るはずの席は空席だった。もうとっくにメンバーは集まり、後は奥にある席の主とリスティだけが来ていない。リーダー達は無言で待っていたが、徐々に不穏な空気が漂う。

 コーヒーゾンビのリーダー、ヤマケンは黒ぶちの眼鏡から覗く鋭い視線を奥の空席に送っていた。




 その時、広間の扉が重々しく開く音がして、その場にいたリーダー達の視線が一斉に扉の方へ向かった。

 とても優雅に、ゆっくりとした動作で現れたのはリスティだ。彼女の隣に寄りそうのはブルーブラッドで同じメンバーのマオだ。彼女はすっかりリスティに懐柔され、今ではリスティのお世話役のような役目をしている。マオの服装はまるでメイドのようで、黒いドレスに白いエプロンをしていた。

 マオが付き添うリスティの後ろを歩くのは、同盟のボスであるレンである。レンはなぜかリスティの後ろを歩き、まるでリスティの付き人のようだ。


 マオが椅子を引き、レンが座るはずの席にリスティを座らせた。その時点でリーダー達はざわざわとし始めた。レンは彼らの様子に構うこともなく、リスティの斜め前の空席に腰かけた。マオはリスティの為にお茶を淹れ、彼女の前に暖かな紅茶を置いた。

「ありがとう、マオ。下がっていいわ」

「はい、リスティ様」

 うやうやしく頭を下げ、リスティから少し離れた場所に立つマオ。この二人の吹き出しそうなほど奇妙なやり取りを、リーダー達は眉をひそめて見ていた。彼らが奇妙に感じたのはそれだけではない。リスティの振る舞いを、まるで当然のことのようにレンが見守っていたからだ。



 リスティは紅茶を一口飲むと、優雅な動作で静かにカップを置き、ようやくリーダー達に言葉を発した。


「皆さん、今日の会合を変わりなく開催できることを感謝します。まず最初に、こちらにいるレンから報告があります」

 リスティがちらりとレンを見ると、レンは頷いて口を開いた。

「みんな、お疲れ様。今日は集まってくれてありがとう。早速だが俺から一つ報告したいことがある。ここに座る彼女……リスティは新たなハイファミリー同盟のボスとなる。俺からボスの座を譲ることにした」

 一斉にリーダー達はざわざわし始めた。


「何言ってるの……?」

「レン、急にどうしたんだよ!? 同盟のボスは全員で話し合って選んだじゃないか。なんでレンが勝手に次のボスを決めるんだよ?」


 次々に困惑の声を上げるリーダー達に、レンは手を上げ「静かにしてくれ」といさめた。


「急な話で驚かせたな。だが彼女のファミリーを率いる才能は、抜きんでたものがあると俺は思っている。知っての通り、彼女の『ブルーブラッド』は同盟脱退の危機にあった。ランクは最下位に近く、借金まみれだった。だが彼女がブルーブラッドに入り、みるみるランクは上がり、魔物狩りの報酬で借金の返済も順調だ。彼女はまさに『ブルーブラッドの女神』と呼ぶに相応しい存在だ」

 リスティはレンの演説をまんざらでもない顔で聞いている。


「そして彼女はハイファミリー同盟の改革にも熱心だ。今までなあなあでやってた合同討伐の管理を彼女に担当してもらい、今まで一部のハイファミリーばかりが狩っていた魔物を平等に狩れるようになり、同盟全体の力の底上げに繋がった」

 ヤマケンは苦々しい顔でリーダー達の顔を見回した。すると数名のリーダーがレンの演説を聞きながら強く頷いていた。リスティの改革は、いくつかのファミリーにとっては良いものだと捉えられているようだ。


 我慢ができなくなったリーダーの一人が声を上げた。

「レン、合同討伐は戦力を考慮したうえでファミリーを選定しているはずでしょ。最近の合同討伐は『ブルーブラッド』の出番がやけに多い気がするんだけど。そのせいか失敗で終わることも増えたと聞くよ?」

「ブルーブラッドは我が同盟で最も合同討伐の経験が少ない。経験を重ねることは大切だ。俺達だって最初は失敗ばかりだっただろう? すぐにブルーブラッドも問題なく狩りを成功させるようになるさ。そこは君達も理解して彼らを見守るべきじゃないか?」

 意義を唱えたリーダーは黙り込んでしまった。


 黙っていたリスティが、ようやく口を開いた。

「皆さん、突然のことで驚いたでしょう。でも私はこのハイファミリー同盟をもっと強固なものにしたいんです。レンは私の考えに賛成してくれました。これまで通り、レンは同盟の為に働きますし、皆さんは何も心配する必要はありません」


「そんなことを言ってもなあ……」

「せめて話し合いをしてさあ、投票で決めない?」

「それがいいよ、そうした方がいい。なあ? レン」


 再び騒ぎ出したリーダー達に、レンは突然「黙れ!」と声を荒げた。リーダー達は驚き、言葉を失った。


「リスティでは何か不満があるのか? 彼女はハイファミリー同盟を更に素晴らしいものにすると誓ってくれた。みんな、俺を信じてくれ。リスティに任せれば、きっと上手くいく」


 ヤマケンはじっと話を聞いていたが、静かにレンに問いかけた。

「下級冒険者だった頃からの付き合いだった俺達より、その女を信じるってのか? レン」

「ヤマケン、お前達を裏切るわけじゃない。ただ俺はもっと同盟をいいものにしたいんだ」

「今のままでいいじゃん、俺達はうまくやってるよ。レン、どうしちゃったんだよ。お前が声を荒げるなんて今までなかっただろ?」

 ヤマケンは頬杖をつきながら不機嫌そうにレンを見た。

「……さっきは悪かった。俺の気持ちを分かってもらいたかっただけなんだよ。とにかくみんな、俺を信じてくれ。リスティはきっと同盟を素晴らしいものにしてくれる」


 レンの必死の呼びかけに、ようやくリーダー達は大人しくなった。だが彼らの中には不満の表情を隠そうとしない者達もいた。

 リスティは彼らの顔を一人ずつ、じっと見ていた。そして彼らのざわめきが収まったところで彼らに語りかけた。


「私達ハイファミリー同盟は、冒険者達の手本となり、彼らを導く立場にあります。そのことを彼らに理解してもらい、同盟の力をもっと強固なものにする為に私は努力することを誓います。皆さんにもぜひ協力してもらいたいの。お願いします」


 リスティは椅子から立ち上がり、深々と頭を下げた。長い髪がばさりと垂れ下がり、顔が見えないほど頭を下げる彼女の姿を、リーダー達は困惑した表情で見つめていた。




 こうして、リスティはハイファミリー同盟のボスとなった。そしてリスティは自らを「ブルーブラッドの女神」または「ノヴァリスの女王」と名乗り始めることとなる。

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