43.やってはいけない事をやった3人、アクアと目覚まし鳥達の怒り爆発

『森が壊れた!!』


『あー!! あそこ、僕達の秘密基地作った場所!!』


『全部なくなってる!!』


『俺達が見つけた宝物は!?』


『私達の貴重でとっても大切な宝物が!!』


『嘘でしょう!! あれお気に入りだったのよ!!』


『みんな探して!!』


 アクアと他の目覚まし鳥達が、破壊されてしまった森のある場所へ。その場所には大きな木がたくさん生えていたはずだけど。かなり大きな木だったのに、完璧になくなってしまっている。俺はとりあえず師匠の所へ。


「師匠!!」


「おお、スケ来たかの」


「スッケーパパ、リル、お兄ちゃん達の所に行ってくる!」


 オレがリルから降りると、すぐにアクア達の所へ向かったリル。この時点でアマディアスさんはかなり不機嫌な顔で立っていて、ジェラルドさんとイントッシュさんは、地べたに倒れ込んでいた。


『さすが師匠ですね。アマディアスさんとジェラルドさん。それからこちらの方がイントッシュ様だと思いますが。3人を止めるなんて』


『いやのぅ、正確に言うと。止めたは止めたんじゃが、わしは間に入っただけで、それとアマディアスしか止めておらん』


 どう言うことか聞くと。あまりの暴れ具合に、流石の師匠も呆れ。そしてこれ以上自然を壊されてはと、3人が衝突する瞬間を狙って、止めるための魔法を放ったらしい。


 少しくらい強い魔法でも、3人は怪我をしないのは分かっていたし。馬鹿みたいに暴れる3人を止めるには、やっぱり師匠みたいに強い魔法を使える人じゃないとな。


 その結果、師匠の狙い通り、師匠の魔法によって、3人は一瞬動きを止めて、それぞれ距離をとったと。しかし次の瞬間、アマディアスさんが諦めずに? 魔法を放ち。その魔法はジェラルドさんとイントッシュさんにクリーンヒット。


 それで俺が来た時、ジェラルドさん達は、地べたに倒れ込んでいたらしい。そして離れた後に攻撃をしたアマディアスさんのことを、師匠が説教していたと。ジェラルドさん達はその後説教予定だった。


「ほれ、2人共いい加減立たないか。お主達くらいならば、先程のアマディアスの攻撃で、そこまでダメージは受け取らんじゃろう。まったく森や林をこんなに破壊しおって」


 師匠に怒られて、ゆっくり起き上がる2人。と、ここで、集まってきていた、森を確認しにきた警備部隊が、どれだけの被害が出ているか報告に来て。あまりにも酷いと言うことで、説教前に森や林、様々な物を修復する事になった。


 俺達の森には精霊や妖精、様々な人々や魔獣達が集まっているだろう? その中に修復能力を持っている人達がいるから。彼らの力を借りて、素早く修復をすることに。

 まずは土地を修復し、道を直したら。その次は木を生やし、草や花、全ても物を修復していった。


 勿論、この被害を生んだ3人にも手伝わせたさ。本当なら3人だけで修復させたいくらいだって、師匠も言っていたし。

 だけど途中から、ジェラルドさんとイントッシュさんに至っては、それもできない状況になってしまう事に。


 来てそうそう、何かを確認しにいっていたアクアと目覚まし鳥達、そしてそれを見に行っていたリルが。物凄い怒りながら、物凄い勢いで3人の所へ走って来た。


『ちょっと!! なんて事してくれるの!!』


『絶対に許さないからね!!』


『全員、最大の苦痛を味合わせてやる!!』


 戦闘体制に入るアクア達。それを俺は慌てて止めた。待て待て、せっかく戦闘が止まったのに、何で今度はアクア達が完全に戦闘体制に入ってるんだって。


 何とかアクア達を止めながら、話しを聞くことに。すると、どうもここら辺の大きな木に、自分達で秘密基地を作って。その秘密基地に自分達で集めた宝物を置いていたらしい。

 が、3人の戦闘で、秘密基地は勿論、全ての宝物が何処かへ飛んでいってしまい、何も残っていなかったと。


 あ~、と、俺はアクア達を止めるのをやめる。まぁ、それは怒ってもしょうがないし、アクア達は止まらないなと思ったからだ。


『どうしてくれるのさ!!』


『秘密基地を作るのに、どれだけ時間がかかったと思ってるのー!?』


『僕達、色々考えながら、カッコいい秘密基地作ったんだよ!!』


『ちょっと、それはまだ良いわよ! いいえ、私達も作ったから、それで怒るのは当たり前だけど。それよりも重大な事があるでしょう? あの宝物を集めるのに、どれだけ時間がかかったと思ってるのよ!!』


『私達のファッション用の宝物!! 今度のパーティーで使う予定だったのに!! あの髪飾り用のガラス花なんて、なかなか見つからないのよ!!』


 女の子達の怒りに、怒っている目覚まし取りの男の子達が、怒りながらもちょっと女の子達から離れた。うん、怖かったんだろうな。俺も師匠も、他の人も離れたし。


 と、ここで、すぐさまアマディアスさんが話した。


『ああ、あそこの木ですか。あそこの木を吹き飛ばしたのは私ではありませんよ。あれは私がこの脳筋バカに服を傷つけられる前、脳筋バカが戦闘を始めてすぐに吹き飛ばしましたから。やったのはこの脳筋バカ2人です』


 あっ、アマディアスさん逃げた。


「おい!! お前だってその後の攻撃で、完璧に木の根も残さず吹き飛ばしたじゃねぇか」


「ですが最初に飛ばしたのはあなた方ですからね。その時に飛んでいるのならば、あなた方が原因です」


「いや、お前だってやっぱり同じ……」


『なんて事してくれるのよ!!』


『もう時間がないのよ!!』


「待ってくれ!! 謝る!! お前達の宝物も探すから……!?」


『みんな、行くわよ!!』


『ええ!!』


『やっちゃえー!!』


『『『おーっ!!』』』


「「ギャアァァァッ!!」」


 女の子の掛け声と共に、ジェラルドさんとイントッシュさんに向かっていってアクア達。響き渡るジェラルドさんとイントッシュさんの叫び声。

 

 結果2人は、戦闘の時よりもボロボロになる事に。特に女の子の目覚まし鳥の攻撃が凄かった。途中から攻撃はしていたものの、男の子達が女の子の攻撃に引いているくらいだったし。


 そんな2人を助ける事なく、俺達は修復をして。2時間ほどで全ての修復を終える事ができた。

 そうして修復が終わると、俺達は場所を移動。新しい店舗でお説教の続きをする事になって。今説教中なんだ。

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