42.くだらない原因と怒れる者達
『それで、今の状況は!!』
『アマディアス様が、すぐに止めようとしてくださったのですが。ジェラルドさんとイントッシュの攻撃が、アマディアス様の洋服をかすめてしまって』
『はあぁぁぁ。それでアマディアスさんもキレてこの騒ぎか』
大きなため息を吐いた俺。知らせお受けた俺は、すぐに現場へ駆けつける事に。そこで伝えにきてくれたバンパイアのロビーに、連れて行ってもらおうとしたんだが。そこで待ったをかけたのがアクアとリルだった。
『スッケーパパ! どこ行くの!』
『まだリル達の絵を飾ってない。まだ真ん中の絵、決めてないよ』
『分かってるよ。だけど面倒なことが起きてるみたいで、俺が行かないといけないんだ』
『面倒、話し聞いてた。ジェラルドがまた何かやらかした』
『アマディアスおじさんとジェラルドが喧嘩するの、いつもでしょう? いつもお通りだから大丈夫』
『リルの言う通り。それよりも真ん中に飾る絵の方が大事』
『スッケーパパも、ちゃんと選んで!』
いつもの事だから大丈夫。確かに2人だけなら、いつもの事だから大丈夫なんだけど。でも今回はこの森に住んでいない人が絡んでいるし。
何故かアマディアスさんが本気でキレていると、連絡を受けてしまったからな。行かないわけには行かない訳には行かないんだよ。
と、何とか2匹を説得したんだけど。その時点で2匹はかなり怒っていて。そりゃあ、お気に入りを飾るのを楽しみにしていたのに、邪魔をされればな。
だから行くのは俺だけで良いから、2匹にはこのまま飾り付けをして良いって言ったんだ。だけど俺の絵もあるんだからとそれは拒否され。そして自分達も一緒に現場へ向かうと言い出した。
勿論俺は止めようとしたさ。だけど怒れる2匹を止める事はできず。それ以上話し合っている時間もなかったため、結局2匹を連れて行く事に。
一緒に行くならと、俺がリルの乗ろうとしていると。俺の洋服のポケットの中で、ブツブツ文句を言っていたアクアが。
『ボク達の邪魔した、許さない。お休みしてるみんな、緊急事態。ボクと一緒に来て!! みんなの力が必要になる!!』
そう鳴いたかと思えば、数秒後には仲間のめざまし鳥達が集まって来た。
『みんな話しは飛びながら。でも大変な事が起きたんだ。しっかりとお仕置きしないといけないから、みんなの力を貸して』
『『『分かった!!』』』
『リルとスッケーパパとお兄ちゃんの絵。飾るのを邪魔した。リルもお仕置き』
『うん! リルもしっかりお仕置きだよ!』
一致団結したアクア達とリル。こうして全員で現場へ向かう事になったんだ。そして現場へ行く途中で、何があったのか詳しく話しを聞けば。まぁ、くだらない理由で、かなりの被害が起きてしまっていた。
森の近くまで来ていたイントッシュさん達一行。そのためアマディアスさんとジェラルドさんが、まずは森の外で接触しようと森の外へ向かっていた。
移動しながらアマディアスさんは、話しは自分がするから、ジェラルドさんには絶対に手を出さないように注意して。話しをするならアマディアスさんなのは分かっているから、ジェラルドさんもそれに対して、分かった分かったと言っていたと。
が、森を出た瞬間、どちら共が同じタイミングでその場所に出たらしく。そうしてジェラルドさんとイントッシュさんが、お互いを認識した瞬間。2人は戦闘を始めたらしい。ノーマンや、イントッシュさんのお付きと思われる人が止める前に。
2人の戦闘に、周りの木々は倒れ、地面はえぐられ、近くにいた人達数人は、その戦闘に巻き込まれて飛ばされてしまい。
その光景にため息をついたアマディアスさん。どうせ本能で自分達が同じ人種だと感じ取り、自分達の力を試したくなったのでしょう。でもこれ以上周りを破壊されては、修復が面倒ですからね。さっさと止めましょうか。
と、そう言って、2人を止めに入ろうと、2人に近づいたアマディアスさん。そこで予想外に出来事が。2人の放った攻撃の一部が、アマディアスさんの方へ飛んで来て、アマディアスさんの着ていた洋服の裾をかすってしまい……。
実はアマディアスさん、洋服に関してかなりこだわりを持っていて。大切にするのは良い事なんだけど、まぁ、洋服のことになると暴走する事が多々あり。
もしも汚されようものなら、その汚した人物は、何もしなければ何ヶ月も再起不能になるほどの罰を受ける。
じゃあ、もしも洋服を傷つけられたら? 考えたくもないし、見たくもないが。そのやってはいけないことを、ジェラルドさんとイントッシュさんはやっちゃったんだよ。
こうして2人の戦闘に加わったアマディアスさん。2人が普通の人間じゃなかったから、すぐにころ……。まぁ、力はあって良かったよ。とりあえず皆無事らしい。だが……。
くだらない理由で暴れる3人のせいで、森の入り口付近と、周辺が大変なことになってしまい。そこで俺と師匠が呼ばれることに。師匠は俺よりも先に現場へ向かっていた。
『くだらない。そんな理由で、ボク達の邪魔をした?』
『やっぱりいつもの喧嘩?』
『そうだよリル。あ、でもいつもよりもちょっとだけ激しい喧嘩。だけどボク達の邪魔をした、許されない喧嘩。みんなスッケーパパ達が3人を止めたら分かってるよね』
『アクアとリルとスッケーおじさんの邪魔するなんて!』
『絶対にお仕置きしないと!!』
『全力でやろうね!!』
『リル怒ったもんね!!』
あ~あ、大変な子達を怒らせたな。そう思いながら現場へ着けば、ちょうど師匠が3人を止めたところだった。さすが師匠だ。
そしてどうしようもない3人が暴れた場所は知らせ通り、大変な状況になっていた。
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