41.面倒な問題発生?
『『……』』
「……」
「……」
「……」
静まり返る部屋に中。部屋の中には今関係者が集まっている。まず、部屋の真ん中では、アマディアスさん、ジェラルドさん、イントッシュさんが正座をしている。
そして正座する3人の前には、怒れるアクアとリルが。そんな2匹の後ろに、俺は何も言わずに立っていて。更に俺の後ろには、アクアとリルの加勢に駆けつけた、仕事が休みの目覚まし鳥達が何十羽と集まっている。
と、静まり返る部屋の中、一瞬正座をしていたジェラルドさんが動きそうに。が、すかさずアクアが攻撃をして、ジェラルドさんは正しい正座の姿勢に戻った。そして動かないようにするためなのか、2匹に目覚まし鳥がジェラルドさんの隣に陣取る。
『何動こうとしれるの。ボク、動いて良いって言ってない』
『リルも言ってない』
『ボク達とっても怒ってる』
『うん、リル達とっても怒ってる』
『今はお説教の時間。なんで正座を止めようとしてるの』
『まだまだだよ。まだ正座をやめちゃダメ』
「まったく勝手に動くなど。私達は今、勝手に動くことは許されていないのですよ」
「いや、分かってるが、どうにも足が。なぁ」
「ああ、これはかなりくるな」
『『勝手にお話ししない!!』』
「すみません」
「すまん」
「す、すまん」
『ちゃんとボク達の話し聞いてた? 今日はボク達の大切な日だった』
『とってもお大切な日だよ!! 家族の大切な日!!』
「アクア、リル。知らなかったとは言え、本当にすみませんでした。私がこんな脳筋バカ達の相手をしたばかりに。そのままどこかへ吹き飛ばしてしまっていれば、今頃こんな事には」
「吹き飛ばすってなんだよ。俺だって別に、ここまで酷い事になるとは思ってなかったんだ。なぁ、お前だってそうだろう?」
「ああ、まさかあんなに酷い事になるとは思わなかった」
「思わなかった、ではなくて、まったく考えていなかったのではないですか? 本能で動いたのでは?」
「ちゃんと考えてたさ、勝手に森へは入らせないようにしないとって」
「そうですか? それはあの場所へ着くまでのことなのでは? そちらの脳筋バカに会った瞬間、ほぼ同時に2バカは動いていたように見えましたが?」
「そうだったか?」
「そんなにすぐにだったか?」
「すぐにでしたね。私達が止める間もなく、動いていましたから。そちらも同じようにみえましたが?」
「ええ。こちらも同じで、私達が止める間もなく動いていましたね」
今話したのはノーマンと、イントッシュさんについて来た、イントッシュさんのお付きのブレイドンだ。
「イントッシュ様のことですから、どうせあの時、彼から何かを感じたとかなんとかで、彼に向かったのではないですか?」
「おや、そちらもですか。こっちのバカもそちらの方に、本能的に何かを感じたなんて理由で、向かって行ったと思うんのですが。……それで、あの時、何を考えていたんだ?」
「考えてたって言われてもな、本当に森に来る前に止めようと思ってたんだぜ。ただ、こいつを見た瞬間は、俺とこいつは同じだって感じてさ。それですぐにこう。……ん?」
「俺はどうせこのまま何もなく、森に入れるとは思っていなかったからな。もし攻撃されても、なるべく対抗しないで、話し合いで解決できればって考えていたさ。だけどこいつが現れて。俺もお前と一緒で、俺達は同じだと思って、それで。……ん?」
「はぁ、それが本能で動いた事の証拠だろう」
「本能以外の何があるんですか。大体その本能のせいで、どれだけの迷惑がかかったと思っているんです!!」
「いや、うん、すまんすまん」
「こ、こうどうにも、止まらなくてな。すまん」
『すまんじゃない!!』
『ちゃんとごめんなさいって、言わないとダメなんだよ!!』
「「ご、ごめんなさい」」
いつも通りに皆から怒られるジェラルドさん。だけどいつもと違うのは、そこにアマディアスさんとイントッシュさんが含まれていることだ。そしてノーマンさんが怒るのもいつも通りだけれど、今回1番怒っているのはアクアとリルで。
どうしてこんな事になったのか。それは今日の朝に遡る。数日前、グランヴィルに絵を描いてもらっただろう? その時の絵は40分くらいで仕上がり。予定していた通りの時間で終えることができ。
でも他にも、いく通りか描いてみた方は良いだろう、という事で。数枚、他にも絵を描いてもらったんだ。
その結果、他の絵も最大で1時間以内で描くことができ。グランヴィルはこのまま、絵を描く事に。
そしてその時に描いてもらった絵だけど。グランヴィルの提案で、描いた絵全部を飾ってもらえる事になったんだ。
その話しを聞いて、アクアもリルも大喜び。なにしろ自分達の気に入った姿で絵を描いてもらったからな。お気に入りの絵を全部飾ってもらえるとなれば、それは大喜びするだろう。
そうして今日、全ての工事が終わり、内装の準備に取り掛かる予定でいたため。朝早くからアクアとリルは絵を飾ろうと、完成したばかりの店舗へ行っていた。
絵を並べて、飾るならこの絵が真ん中が良いんじゃないか、いや、こっちの方が。と、グランヴィル達よりも真剣に考えていて。
そんな楽しい時間を過ごしていたアクアとリル。だけどその時間はすぐに終わりを迎える事に。大問題が起きたと、俺に連絡が入ったんだ。
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