35.アクア達のキンキラ追跡
とりあえずアクアの食事が終わるのを待った俺。食事の途中で邪魔をすると、あの目覚まし鳥の攻撃を受ける可能性があったからな。
それからリルの食事も落ち着かないと、ご飯でテンションが上がっているまま、途中で話しに入ってこられると、どうにも話しが進まなくなってしまうためだ。
ただ、何もせずに待っていても時間がもったいないから、アクア達がご飯を食べているうちに、師匠とアマディアスさんとジェラルドさんに連絡を取ることに。
すると連絡を取ってからすぐに返事が来て、1時間後にみんなが俺の家に集まる事が決まり。俺はすぐに食事を終わらせて、食事中の2匹はそのままに、客室を簡単に掃除し。お茶とお菓子の準備を終わらせた。
30分が過ぎると、アクア達の食事は終了。今回ご飯を食べる部屋には師匠達を案内しない予定だけど。もしも片付けていない部屋を見られても困るから。ささっとたけど食事の後片付けをして。さらに30分後、予定通り師匠達は俺の家に集まった。
集まったのは師匠と、アマディアスさんと、アマディアスさんの部下のカーソン。それからジェラルドさんとノーマンだ。
俺は人数分のお茶をカップに注ぎ、お菓子の入った籠を、テーブルの真ん中に置く。
「さて、スケがお茶を入れてくれましたから、話しを始めましょうか」
「そうだな。で、アクア、何を見たって? 変なものってのは何だ?」
アマディアスさんとジェラルドさんがアクアに聞く。
『威張ってる人達が乗る、キンキラな乗り物。あれが森に向かって来てた』
「威張っている人が乗っている、キンキラの乗り物?」
『うん。いつも威張ってる、でもとっても弱い人達。森に近づくと、みんながすぐにやっつける人達だよ。この前もアマディアスが、ブンブン振り回してた』
「ああ、敵対している、馬鹿な国の権力者達のことですか」
『うん。威張ってて、馬鹿な奴ら。いつもキンキラ乗り物に乗ってるでしょう?』
別に馬鹿な奴らばかりが、乗っているわけじゃないんだが。他の人達もよく乗るし。ただ、うん。そう言われればそうなのか?
アクア言っていたのは馬車のことだ。そしてアクアの印象だと、俺達の森を害そうとする、他の国のお偉いさん達は。普通の人達が乗るような普通の馬車ではなく、キンキラの馬車に乗っている、という印象らしい。
まぁ、確かにこの世は金って連中が乗る馬車だからな。そいつらの乗る馬車はゴテゴテのキンキラキンの馬車が多い。だから間違ってはいない。
『あ、でも、いつもよりは、キンキラ少なかった気がする。静かなキンキラ』
何だその、静かなキンキラって? キンキラなんだろう? と思っていたら、ジェラルドさんもそう思ったらしい。同じことをアクアに言った。
「何だその静かって。キンキラなんだろう? 静かなキンキラってあるのか? で、そのキンキラ連中が、森へ向かって来てたって?」
『うん。ボク達森から出るところで、その前に見つけた。それで、少しの間見てたんだけど、こっちに向かって来た』
「途中で別の道を行く様子は?」
『う~ん、ボク達が見てた時は、ずっと森に向かって来てた。ボク達ね、最後の遊び場に向かうのやめて、ちゃんと追いかけた』
「そうですか、途中で予定を変更して。それはありがとうございます。こういう事はとても大切な情報なので、とてもありがたいですよ」
実はアクア、他の仲間の目覚まし鳥達と一緒に、里帰り中だったんだ。そこでせっかくならと、少しの休みじゃなく長期休暇にして、ゆっくり他の所にもよってくると良いと言ってあった。だけど、どうも最後の遊び場に向かう時に、そのキンキラ連中を見つけたらしい。
『奴らは森を攻撃する、最悪な奴ら。だから僕達みんなで見張った』
最初は森から少し離れた道を進んでいたキンキラ連中。だけど途中からは、森へと入って来て。その森は、俺達の森へくるためによく使われる森だったため、さらにアクア達は追跡を続行し。その森を抜けた所で、キンキラ連中を追い越し、急いで帰って来てくれたらしい。
「なるほど、森にキンキラですか」
「ふむ。アクア達は馬車を何度も見ておるからの。そのアクア達が考える、害する者達が乗キンキラと同様ならば、また面倒が来た可能性が高いのう」
「少し前の襲撃があった後、面倒な事はしないように、と他の方々には、お伝えしたはずだったのですけれどね。キンキラ……。アクア、そのキンキラの乗り物に、何か絵が描かれていませんでしたか? 例えばこんな絵です」
アマディアスさんが光魔法を使い、空中にドラゴンの絵を浮かべた。他にも色々な国の紋章を、光魔法で再現していく。
『絵、絵、う~ん?』
「そうですね。キンキラのドアの所や、前後にありませんでしたか?」
『そういえば、ドアの所に魔獣の絵が描いてあったような? それでその絵と似てる頭をしてる奴が、なんかとっても怒られてた?』
『魔獣に絵? 同じ頭の奴が怒られてた?』
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