13.託児所の必要意義とマッサージ店の営業時間
ご飯を食べた後、俺はリルを託児所に送り、自分の仕事へと戻った。もちろん午後もマッサージだ。
託児所へ行くと、もうみんなお昼ご飯は終わっていて、遊んではいたんだけど。
『まおうせんせぇ、おはなしまだぁ?』
「おやつと、おはなしぃ」
『おひるねは……、あんまりぃ。でも、おはなしききたい』
「おはなち、おもちろい?」
「うん、おもしろいよ!! だってゆうしゃさまのおはなしだもん!!」
と、ジェラルドさんのやらかし話しを聞きたい子供達は、遊びながらアマディアスさんに聞いていた。その姿に思わず笑ってしまったよ。
この託児所では、この街に住んでいて、両親が外へ仕事へ行くために、家で1人になってしまう子供達や兄弟を預かっている。娯楽施設には関係ない施設かもしれないけれど、でも街には必要な物だって、俺が師匠達に話して作ってもらったんだよ。
師匠やアマディアスさんにジェラルドさんは勿論のこと。森に住んでいる危険な魔獣が襲ってきても、外から敵対する人々に攻撃されても。長くて10分、短い場合は1分もかからずに、解決してしまう人達がたくさん住んでいるから、心配はないけど。
でももしかしたらって事もあるだろう? 『絶対安全』の絶対なんてないからな。限りなく絶対に近いけどさ。
だからもしもこの街に危険が迫った時に、もしも両親が揃って、外へ仕事に行ってしまって、誰も子供達の面倒を見てくれていなかったら?
周りの人達が気づいて守ってくれるかもしれないけれど、どうせならみんなで集まって貰って、全員一気に避難できた方が良いんじゃないか、そう思ったんだよ。
そうすれアマディアスさんが転移魔法で、安全な場所へ避難させたり、他の人達や魔獣が、まとめて避難させてくれるはずだ。大きな魔獣にみんなが乗れば、一気に避難できるからな。
そして俺の話しを聞いた師匠達は、それは良い考えだって、すぐに託児所を作ってくれて。街のみんなにも宣伝してくれたんだ。
するとこれに両親は大喜び。そのため託児所は毎日子供達でいっぱいで。あまりにいっぱいだから今、2つ目の託児所を作っている最中なんだよ。来月完成予定だ。
と、なんでこの施設の中なのか? それは勿論、ここには楽しい物がいっぱいだからだ。みんな両親と離れて寂しいだろうけど、少しでも楽しんでもらえたらと思ってさ。
「「「ぜんせぇ、まだぁ?」」」
『『『はやくおはなしぃ』』』
「はぁ、仕方がありませんね」
子供達のおねだりに、アマディアスさんは耐えられなかったのか、お昼ご飯の片付けが済んだら、話しをすると約束していた。
魔王だと、世界では恐れられているけど、子供がとっても大好きなアマディアスさん。だから子供達のお願いには弱いんだよ。お願いされるとすぐに許してしまう。
だから魔王の側近の1人、託児所で働いてくれているホルデンに。甘過ぎます、そんなに甘やかせて、将来我儘に育ったらどうするんですか! と怒られている。今日は別の仕事に行っていて居ないから良いけど。居たら怒られていただろうな。
こうして俺はリルと託児所で別れると、すぐに自分の店舗へ。午後は何事もなく時間が過ぎていき、ノーマンがしっかりジェラルドさんを見張っていると報告がきて、しっかりと自分の仕事をする事ができたよ。
俺の所では10人のマッサージ師が働いてくれている。俺が教えたマッサージ師もいるし、師匠の所で働いているマッサージ師に習って、うちへ来た人も。どちらかが忙しい時は、お互いに人を送って助け合っている。
それからこの世界には日本と同じような季節があり。花が咲き始める季節、暑い季節、世界が色づく季節、寒い季節の4つの季節が。順番に春夏秋冬って感じだ。
そして1年は12ヶ月でまとめてあって、1ヶ月30日。その30日も、6日を1週間としていて。5週間で1ヶ月となっている。
こうやって一応きちんと季節と日数は決められているのだが、休みっていうものがなくて。みんな好きな時に休むから、ある店に行ったら突然の休みだったなんて事が日常茶飯事だ。
だけど俺的には、なるべくたくさんの人に利用してもらいたいし、働いている人達には休みを取って、しっかりろ休んでもらいたいから、順番に決まった日に休みを取ってもらっ
ている。他の従業員達も同じだ。ちなみに今日は4人休みだ。
マッサージは基本、朝に予約を取ってもらう事になっている。だけど急なお客さんも大歓迎で、少し待たせることになってしまうけど、予約の人達の合間にマッサージをしている。今日は予約も、急なお客さんも多くて、ほぼフル回転って感じだった。
しかもここは24時間営業なため、みんなにはそれぞれ働ける時間を先に聞いてあって。朝と夜とに分かれて働いてもらっている。
ちなみに時間は地球と同じ、1日24時間、0時から24時まで。これは地球と変わらなかった。
俺の担当のお客さんのマッサージが終わると、ちょうど18時の鐘が鳴り。今日の俺の仕事は18時までだから、これにて仕事は終了。
こうして俺は後のことを任せて、リルを迎えに一応託児所へ。まぁ、毎回こんな感じかな。時々残業もあるけど、だいたいこんな感じだ。さて、リルは託児所に居るかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます