story-4-

「席座れー」

教室が教室に入ってくる。


「担任のファレノプシス・オーキッドだ」

(この人が、担任か)


「気になることも多いと思うが、まずは自己紹介をしようと思う!」

(な、なんだって…)


先生はニコニコ笑っていたけれど、生徒達からは、拒否、という空気を感じた。


やはり皆、自己紹介は嫌いらしい。


「まずは俺から自己紹介をする!その後は登録番号順でする」

登録番号、訓練生になる時に渡された番号だな。


(俺、順番早いかもな)

そんなことを翼が考えていると、ファレノプシスは自己紹介を始め出していた。


「先程も言ったが、名前はファレノプシス・オーキッド。生徒からはよく、ファレ先生と呼ばれている」


「担当科目は、体育と間違えられやすいが、AI史だ」

(AI史!I隊でもやったな)


「担当がAI史だが、何の科目でも困ったことがあれば聞いてくれ!」

大きくは無いが聞き取りやすい声で、ファレノプシスは言った。


「次は…ラリューリアだな、よろしく」


(ほう…)

ラリューリアの自己紹介を楽しみな自分がいる事に気づく。

(なんでだろう)


滑らかな声でラリューリアが話し出す。


「ラリューリア・ネリュです。一応貴族ではありますが、ここでは、皆様と同じ立場で学びたいと思っています」

(こいつ、貴族なのか!?)


「ですので、気兼ねなく話しかけて欲しいです。よろしくお願いいたします」


俺は、こいつが、貴族であるということに混乱していた。だが、他のクラスメイトは理解出来ている様で、パチパチと拍手していた。


「次!翼よろしく」

(お、俺か!)


「はじめまして。灯阿あかしあ翼です。日本のLERの様な組織から、来ました」


「こっちのことは知らないことばかりなので、教えて貰えると嬉しいです」

少し頭を下げて会釈してから、席に戻ろうとする。


すると、パチパチと拍手をしてくれる人がいて少し安心した。

(よかった…)


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