story-3-

入隊式が終わり各自教室へ向かうようにアナウンスが入る。

「イリア、一緒に教室まで行かないか?」


「は、はい」

あわあわと、荷物を片付けながら返事をしてくれた。


「僕は知らなかったのだけど、訓練生にもコースがいくつかあるみたいだな」

入隊式では、いくつかコースの名前が出てきていた。

(覚えてないけど…)


「知らなかったのですか?」

「あぁ」

俺は、知らない事が当たり前だと思っていた。


だが、イリアにとっては違ったらしい。歩きながら、イリアは驚いた表情をしている。


(そんなに驚くことなのか)

イリアが、それなら、と言うように口を開いた。


「これも知りませんよね?私達のコースが一番厳しいそうですよ」


「そうなのか!?」

コクと頷いている。


「通常、魔法コースそして能力者コースの人達が6年で学ぶことを、4年間で両方学びますので」

(なるほど)


しばらく歩いていたようで、教室の前まで来た。

(ここかな…?)


マップを何度も確認する。

「ここだな、イリア。僕の戦場はっ!」


イリアは、ブルブルと緊張していたが気にせず扉を開ける。扉を開けるその手には、期待、興奮、様々な感情が含まれていた。


しばらくすると、先程一次訓練生代表をしていたラリューリア・ネリュも入ってきた。

(あの子もこのクラスなのかな)


彼女はクラスメイトの顔を見渡すと、足を片方だけ引いてお辞儀をしていた。


「はじめまして、ラリューリア・ネリュと申します」


妙に惹き付けられる、笑顔をうかべ、彼女は教室に入っていった。

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