第6話.生徒会室で……
「おや?そのクマどうしたんだい?」
「あぁ、はつじ・・・生徒会長。」
「君は私に対する当たりが強いね?それに、生徒会室じゃないんだから、桜花と呼び捨てしても良いんだよ?」
「はい。桜花先輩。」
「頑なだね。話を戻すけどどうしたんだい?そのクマ。」
「実は・・・・・・。」
昼休憩自販機に飲み物を買いに行ったところ、たまたま廊下で会った桜花と軽口を叩きながら、昨日の出来事を話す。
「へぇ・・・・・・。」
顎に手を添えて眉をゆがめる桜花。
その姿ですらとても様になっており危うく見とれかけた奏多。
何やらボソボソと呟いているが、いつも通りの周りの喧騒のおかげで桜花の声はかき消されている。
「いや・・・・・・しかし・・・・・・。幼馴染と義妹・・・・・・。
相手は強力な関係を盾に奏多くんと・・・。
ならば・・・・・・私は今まで以上に積極的に・・・。」
「先輩?何ボソボソと言ってんですか?」
「よし!!奏多くん!!私のパンツを嗅ぐとい・・・」
「うんうんはいはい。」
焦った奏多は、桜花の口を抑えると急いでいつもの場所へと桜花を担ぎ連れて行く。
「やぁん・・・。奏多きゅん。」
「俺の友達の妹、人の頭だけ出したまま体を土に埋めるの大好きなんでお願いしましょうか?」
「・・・・・・え?そういうプレイがお好みかな?奏多きゅんが望むなら・・・・・・。私はどこでもいつでも・・・・・・。」
「クスリやってます?」
「酷くないか!?」
「あ、いやぁすいません。いきなりパンツどうのこうのとか、はたから見たらイカれた人の行為かと。」
「君は私のボケに容赦ないね。」
「まぁ、桜花先輩ですからね・・・・・・。」
はぁ。とため息を吐くと奏多は頭を抱える。
「はぁ・・・・・・家でもろくに寝れなかったんですから勘弁してくださいよ・・・・・・。」
「む。それは悪かったね。」
それじゃあ。とふざけた口調ではない桜花は横一列に並べた椅子に座ると自分の膝をポンポンと叩く。
「?何ですか?」
「何ですか?ってこれはもうそれしかないだろう?」
「は?」
「仮にも私先輩だよ!?つまりだよ。お詫びに膝枕してあげるからこっちにおいで。」
「は・・・・・・い?」
思考の停止した奏多。
少し頬を赤らめているが桜花の態度を見るに冗談ではないと察した。
「いやいやいや!!やめておきます!!」
「・・・・・・良いのかい?この密室には私たち二人。
もし生徒会長である私がここで叫べば君の学校生活はここで終わりだよ?」
ふっふっふっ。となにやら企んだ笑みを浮かべているがどこか可愛らしい桜花。
「・・・・・・その脅し100%使うところ間違ってますけど・・・・・・。」
「いいから早く来るんだ!」
「えぇ・・・・・・。」
恥ずかしいながらも結局は押し負け、奏多は桜花のの太ももに頭を預ける。
「し、失礼します。」
「う、うむ。」
気まずいような・・・・・・。恥ずかしいような・・・・・・。
自らの顔も熱くなるのを感じた奏多だったが、柔らかな桜花の太ももと、桜花の柔軟剤の良い匂いに癒され、自然と瞼が重くなるのを感じる。
「せんぱ・・・・・・すいません・・・・・・。ちょっと・・・・・・だけ・・・・・・。」
「うん。おやすみ。」
その時の桜花はまるで赤子を愛でる母のような慈愛に溢れた表情を浮かべており、眠く視界の朧気だった奏多ですら普段は魅せない桜花の表情にドキッとしたのだった。
奏多が寝て数十分経った生徒会室では・・・。
「ひ・・・・・・ひじゃが・・・・・・し、しびれりゅ・・・・・・。」
桜花の足が痺れていた。
「か・・・・・・かにゃ・・・・・・。」
奏多が寝返りをうつと、余計になんとも言えない刺激に襲われる桜花。
抜けそうになる力で必死に奏多を揺すり起こす。
「ん・・・・・・。んんぁ・・・・・・?」
「か、かにゃたくん・・・・・・や、やばい・・・・・・。」
「・・・・・・・・・ん・・・・・・?・・・・・・ッ!!!」
意識が覚醒した奏多は、寝起きにも関わらず物凄い勢いで飛び退く。
「桜花先輩すいません。つい・・・・・・。」
「それは・・・大丈夫・・・だから・・・・・・ふぅ。」
奏多が状態を起こしたことにより、暫くすると足の痺れが消えてゆく。
「ふっふっふ。私の膝はそんなに良かったかね?まぁ私もそれなりにスタイルには自信がある。この
ムチムチの太ももの上に頭を乗せる快感・・・・・・どうだったかね?後輩くん。それはもう〇〇時の素晴らしい感覚といっしょ・・・・・・」
「ここが生徒会室じゃなく、生徒たちの行き交う場所だった場合俺はあなたを殴ってでも止めますけどね。」
「暴力で解決!?」
「はぁ・・・・・・何はともあれ・・・・・・その。ありがとうございました。」
「んん〜?何がかな?」
「ちっ。だるいな。」
「舌打ちしたよね!?奏多くん!?暴言酷くない!?」
結局二人は軽口を交えて、互いに教室へと戻って授業を受けたのであった。
その後とある二人から、昼休憩はどこに居たのかと強く聞かれたが返答次第では何故か危険を感じたので上手いこと話題を逸らしたのは言うまでもない。
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