第7話 決着

「魔具降臨」と言葉を発した刹那・・・

ラルクの右手には「ナイフ」が握られていた。

(ナイフか!?どう考えても普通のナイフではない。なるべき当たらないようにしないと。)

そう思考していると・・・

ラルクが行動した。常人には見えない超スピードで。

「速い!?」

俺は、無理やり体を動かし、その攻撃をよける。しかし・・・

「ビチャッ」と。血液が垂れる音がした。

(ちっ・・・かすりやがった。とりあえず・・・反撃といこうか。)

「ライフル【ロケットランチャー】」

そのロケランは「ロックオン式」。故に、確実に命中する。

だがそれは・・・たった1つのナイフにより破壊される。

(ちっ・・・強い。)

そう考えていたところ・・・ゼロがこうつぶやく。

「召喚」と。

そう言うと、ゼロの手には「刀」があった。

「ほう・・・面白い。その刀の名は何かね?」

そうラルクは、興味を示す。その回答としてゼロは、こうつぶやく。

「刀の名?そんなものねぇよ。だから言うならば・・・【名無しの刀】だ。」

(ぜってぇに・・・こいつの仮面をとる。)

そう心の中でつぶやき・・・次にこう言葉を発する。

「ははははは」

少々俺は狂った。この戦闘をしているうちに、アドレナリンが分泌したから。そう・・・たったそれだけが原因で。

「刀」は近距離担当。「銃」は遠距離担当。だからこそ・・・俺とゼロのコンビは理にかなっている。

(だから・・・勝てるさ。そう、100%・・・)

そう俺は、自分自身を鼓舞する。そう鼓舞している刹那・・・

ゼロは、ラルクを刀で切る。ナイフで受け止められているが、どちらかといえば優勢だ。そして・・・俺はその隙を逃さない。

「ライフル【ショットガン】」

仮面を壊すことを目的とした弾丸・・・そのことを、丁度今、ラルクは知ったのだろう。

だけど・・・

「避けられないよな!!( ゚Д゚)ァハハ!!」

(そう・・・ゼロの攻撃をおろそかにしたら、俺が放った攻撃を受けるより、もっと・・・悲惨な目に合う。威力は、ゼロのほうが高いのだから。)

そう思考しながらも・・・弾丸はラルクの仮面に当たる。仮面にひびが入った。そして、ラルクは、仮面を手で押さえながら・・・こうつぶやく。

「はっ!!オメェラ!!強いな!!」

完全に口調が変わっていた。

(多分だが、仮面が壊れたことが原因だな。)

そう言葉を心の中でつぶやきながら・・・

「その手をどけさせてやるよ。」

そう・・・ゼロと俺は息ぴったりに叫ぶ。

俺は、ライフルを使うことはやめた。もちろん、ゼロも刀を使うことをやめた。そう・・・

「こっからは・・・ステゴロだ。」

2人は同時に叫ぶ。刹那・・・

俺とゼロは超スピードでラルクに向かって攻撃を開始した。

ラルクは左手で仮面を押さえながら、その攻撃を捌く。ただ・・・2人を相手に片手で相手できるはずもなく・・・左手を使った。

そうして・・・壊れた仮面は、地に落ちた。そして・・・容姿があらわになる。だから、その姿を見て・・・俺とゼロはこう言葉を発する。

「は?」と。

そう・・・こいつが仮面をしていた理由。それは・・・

「傷を隠すため。」

そう俺は言葉を吐く。

「正解。俺は・・・顔面にえぐれたような傷がある。」

「故に、仮面をつけたほうがまだ、気味がられない。」

そう・・・ラルクは言葉を吐き捨てる。

「結局、気味がられることは確定かよ。」

あきれたように俺は言葉を発する。

「ああ、そうさ。気味がられることは確定なのだよ。」

そう、悲しそうな声色で言葉を発する。

そして・・・沈黙が流れる。戦闘音もなにもない。その沈黙を終わらせるかのように1人の男が言葉を発する。

「もう・・・終わりにしようか。」

そう言葉を発したのは・・・ゼロだった。

「なぜかね?」

そうラルクは、疑問を口にする。

「ここにいる全員が満足しただろう。そして・・・ラルク・アンシエル。お前は・・・俺たちの実力を大方理解した。そうだろう。」

「ああ・・・そうだな。」

そう会話を終えると・・・ラルクの持っていた、ナイフはどこかに消えた。それに続いてゼロも【名無しの刀】を消した。

(これで・・・終わりか。)

そう心の中で、言葉を発した。そして・・・いつの間にかラルクは仮面をつけていた。

「お前たちはもう帰っていいぞ。」

そう・・・ラルクは言葉を吐く。

(多分だが、「魔具降臨」は能力ではないだろう。だから、あいつの能力は何だろうか?)興味が尽きない。

(そう・・・あの傷だって、いつ・・・ついたのか?そして、その実力をどこで得たのか?)

(そう・・・なにもかもわからない。だからこそ燃えてくる。)

(俺の目的とは別にラルクの過去・・・そして能力を知る。)

そう・・・俺は決意した。

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