第4話 レレの秘密とは?
「―魔神化―」
シャロップ・オリオンはそう唱える。そして、弾丸は素手で対処される。
(この弾丸で、魔神化まで持ってこられるのか。)
そう思考しながら、良いデータがとれたと喜びの感情を抱く。
(これ以上は、実力を出さないでおこう。)
そう思っていた刹那、
「ーダークフレイムー」
黒い炎が、俺たちを包みこむ。
(魔神化か。どうやらレレは、これ以上、実力を出すつもりはなさそうだ。よし。このまま負けよう。)
そうゼロは、決意を持つ。
そう思ったものもつかの間、
「ーダークフレイムー」
(あれ。思ったより威力があるかも。)
そう心の中でつぶやきながら、黒い炎が俺たちを包みこんだ。
「オマエら。模擬線は終わりだ。それより、息ぴったりだったな。」
「まあ、幼馴染ですからね。」
そうゼロはつぶやく。
「え?そうなのか?」
「なるほど。道理で息ぴったりなわけだ。」
「まあ、たとえ息ぴったりだとしても、魔神化を使わせるなんて、すごいな。」
シャロップ・オリオンはそう感心する。
「じゃあ、今日は解散だ。」
「了解です。先生。」
そう俺は言い、立ち去ろうとすると・・・
「レレ。少し話したいのだが。」
ゼロは、そう言う。
「ん?わかった。」
「俺の部屋で集合な。」
そう言うと、すぐにゼロは消えてしまった。
(まあ、この学園は寮制だからな。周りに聞かれたくなければ、自室で話すほうが良い。まあ、肝心のゼロの部屋がわからないのだけどな。)
そう思い、シャロップ・オリオンにゼロの部屋の場所を聞く。
「先生。ゼロの部屋の位置、教えてくれませんか?」
俺は、先生に尋ねる。尋ねたら、シャロップ・オリオンは丁寧に教えてくれた。
そして、ようやくゼロの自室に到着した。
「遅いぞ。レレ。」
「いや。お前の自室、知らないし。」
「あっ。そうだった。」
「それよりも・・・」
俺はいい加減ムカついてきたので、本題に入るとする。
「お前、どうして生きている?」
「もしかして、生きてほしくなかった?」
「そんな訳あるかよ。俺は、お前が死んだと思って・・・」
「勝手にどっか行ってごめんな。」
俺のことを遮るように、ゼロは謝罪する。
(今更、泣いても仕方ない。現にゼロは、生きているのだから。)
「っていうか、あの戦いからどうやって生き残った?」
「あの戦いね。あそこで、俺は死んだよ。でもね、俺の能力が発動したんだよ。」
「え?お前の能力って身体能力強化じゃ?」
「ん?違うよ。」
(っていうことは、あの身体能力、全部フィジカルだってことなのか?)
俺は、普通に驚愕した。
「結局、お前の能力って何?」
「俺の能力は、〔3度目の正直〕だ。」
「どういう能力だ?」
「死のうが、消滅しようが、転生させる能力だ。」
「まじか。」
(死んでも蘇生できる能力はあるけど、肉体の細胞が塵一つ残っていなかったら、蘇生できない。でも、ゼロの能力は、その欠点がない。)
「まあ、最近知ったことなのだけど。あと、死んでも即座に復活できないことが欠点だな。」
「へえー。ところで、この学園に来た理由って何だ?」
そう俺は、尋ねる。
「白川舞に興味があったからだね。そういうレレは、なんでこの学園に来た?」
「まあ、似たようなものだが、俺の場合は、シャロップ・オリオンに興味がわいたことも理由の1つだな。」
「へえー。ところで、なんで女の姿なの?」
そうゼロは尋ねる。
(俺が、シャロップ・オリオンと戦ったことを、ゼロは知らないな。まあ、理由として、「ラグロフ」だと即座にばれるしね。女の姿で動かざるを得ないし。)
「ほら。男の姿だと、神界の奴らにばれるかもしれないだろう。」
「当たり前のように許可とってないのだね・・・」
(できれば、ゼロを俺の目的に巻き込みたくないな。)
そう内心でつぶやく。
「まあ、レレは、神界で1番強いし。なんかあっても大丈夫か。」
(どうやら、ゼロは昔のように、地上に遊びに来ていると思っているらしい。まあ、そう思ってくれたほうが好都合かな。)
「じゃ、私は帰るね。」
「おお、切り替え早いな。」
ゼロは、そう驚いていたが、俺はそれを無視し自室へと向かった。
「ふう、ゼロに俺の目的はバレていなさそうだし、俺が楽園都市を襲撃したことも気づいていなさそうだね。」
(まあ、いつかはバレるのだろうけど。今はまだ、その時ではないだろう。)
「人類に救済を」
そう最後に願い、夢へと落ちていった。
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