第3話 幼馴染
楽園都市が崩壊して3か月、楽園都市の技術のすべてを使い、最速で復旧・復興を果たした。楽園学園も今日から始まる。
(はあ、先生の魔力なしだと、下級神って言われていたやつにも負けた。)
そう気を落としていると、先生が話し始めた。
「今日からSクラスに転校生が2人増える。仲良くしてやれよな。」
(転校生?誰だろう?)
そう私が考えていると、教室の扉が開いた。中に入ってきたのは、銀髪の少女だった。目は透き通ったように青い。
「単なるレレです。よろしくお願いします。」
そう自己紹介を終えると私の席の左隣に座った。着席してすぐに、廊下を走る音が教室内に響いた。
(先生は、2人って言っていたし、もう1人の転校生がきたのかな。)
「もう入っていいぞ。」
先生がそう言うと、もう1人の転校生が教室内に入ってきた。
(え?)
私はそう心の中でつぶやいた。
そう、入ってきたのは、舞を助けたといっても過言ではない、「無名神」と名乗る少年だった。
「単なるゼロだ。よろしく。」
自己紹介を終えると私の席の右隣に座った。
(今日から俺は、Sクラスの生徒となるらしい。無名神と呼ばれた俺が学園に通う意味なんてないが、舞とやらの素質が神にも匹敵しそうだからな。面白そうだ。)
そう考えながら、教室内に入り、自己紹介を終え、舞の席の右隣に座ろうとした瞬間、
(え?)
(なんでこいつがここに!?)
そう驚愕するのだった。
(ふう。潜入は成功だな。まあ、本来、生徒になるつもりはなかったのだが、舞とやらの素質が神にも匹敵しそうだしな。目的のためにも利用させてもらうことにしょう。)
そう銀髪の少女が心の内でつぶやく。
(そういえば、俺以外にも転校生がいたな。一応どんな奴か見ておこうか。)
俺が心の内でつぶやいていると、転校生が入ってきた。
(は?)
(あいつ、生きていたのか!?それよりもどうしてここに?)
そう内心でつぶやいた。
(レレと名乗る少女。いや、レレと名乗る少年と言ったほうが正しいかな。何をしに来た?)
ゼロは、そう内心でつぶやく。そう試行錯誤していると、先生と呼ばれる「シャロップ・オリオン」が「実力を確認するから。」と言い、レレと俺で戦うことになってしまった。
(シャロップ・オリオンは魔神となっている。パッと見た感じ、下級神よりは強い。もとは人間なのに、ここまで成長できる時点で異常だと認めざるを得ない。それよりも、レレは本気を出すのだろうか。本気を出されたら、普通に困るのだが。まあ、十中八九本気を出さないだろう。)
そう思考しながら、こぶしを構える。そうして、戦闘が開始されるのだった。
(なぜ、あいつがここにいる?)
そう疑問を発したい。
(死んだはずの幼馴染。姿、形が違っても、魂が変わることがないのだから、あいつだとすぐ理解した。ただ少し、フリーズしかけたが。)
そう思考していると、シャロップ・オリオンが声をかけてきた。
「君たちの実力を確認したいから、模擬戦をするよ。」
(君たちとは、あいつと俺のことを指しているのだろう。)
そう思考しながら、「わかりました。」と伝える。
俺は、こぶしを構える。流れるように、あいつもこぶしを構える。そうして、戦闘が開始されるのだった。
(ゼロが殴って、隙ができたら、レレが強い蹴りを放つ。徐々に押されてきているね。少し本気を出さなければいけないようだね。)
「ー能力発動ー」
「∞」
(ゼロとレレの距離を離せば勝ちかな?)
「ワールウィンド」
(この魔法は、風により相手を吹き飛ばす魔法。能力使用前だったら、吹き飛ばせなかっただろうけど、今なら吹き飛ばせる。)
シャロップが放った魔法により、2人とシャロップの距離は遠くなった。
(君たちなら、今から使う魔法も耐えられるよね。)
「フレイムブロウ」
シャロップは危険な炎の魔法を放った。
(終わったかな。)
2人は炎に包まれた。だが、傷を負いながら、2人は笑みを浮かべて立っていた。
「ほへー」
(もしかしたら、重症になるかもと考えた僕が侮っていたね。)
(だけど、距離は離れているから、優勢かな。)
その瞬間、バーンと拳銃が発砲される音がした。
(まずっ!?)
ぎりぎりの瞬間で弾丸をよける。
(発砲したのは・・・レレか!?)
(レレも、ゼロも魔力回路がぐちゃぐちゃで、魔法が使えないはず。だったら能力か?)
「ホーリーシールド」
聖なる結界で、弾丸を防ごうとするが、その弾丸は結界を貫通した。
(まじか?ホーリーシールドでも防げないのか!?だけど、ホーリーシールドの影響で弾速やら威力やらが下がっている。それだけが救いかな。)
そう考えていると、ゼロが強い蹴りを放つ。
(レレに集中しすぎた!?)
その隙をレレが逃すはずがなく、容赦なく弾丸が放たれた。今回はなった弾丸は、特別性。さっき使用した弾丸は、ホーリーシールドの影響で弱体化を食らったが、今回の弾丸は、完全貫通。どんな結界でも、意味をなさない。
(どうする?シャロップ・オリオン。)
そう、レレはつぶやくのだった。
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