1-10 さようならリュリー!でも、この展開は違う!
ファルネティ伯爵の待つ、食堂へと足を踏み入れ、私は思わず「うっ」っとうめいた。
温室育ちのたくさんの花が食卓を飾り、燭台はいつもより数が多い気がする。いつにもまして、華やかに飾り付けられていたのだ。
(いくら久々の夫婦の晩餐だからといって、気合いが入りすぎなんじゃ……)
そして、壁には、昼食の時にはなかった大きな絵画が飾られていた。
ジェラール公爵から贈られた、ヘルミーナの婚姻―――大神シューベリの娘、ヘルミーナが、英雄クリストフと婚姻をあげる場面だ。
何が楽しいのか、花の女神たちは踊りながら花びらを撒き、花嫁の純潔の証である百合が咲き誇り、豊穣の証である金色の麦畑が背景にいっぱい広がる。
まったく芸術に造詣のない私は(騒がしい絵だなあ)と思ってしまった。
この絵は、結婚祝いで贈られる事が多いモチーフだ。
もう、結婚して半年たつのに、今更、こんなものを贈ってきたジェラール公爵の思惑がわからない。
先に待っていた、ファルネティ伯爵は、絵の側でぼんやりと、微笑むヘルミーナを見ていたが、私が食堂に入ってきた事に気付いて、こちらに顔を向けた。とても疲れた顔をしている。
早朝から狩りに出て、気の合わないルゴフ子爵と時間を過ごし、あろうことか、連れていったリュリーが、やんごとない方の妾をぶった。
私もそれなりに疲れる一日を過ごしたが、この夫の心労に比べたら、まだマシなのかも。
うっすらクマの浮いた顔を見ていると、哀れに思えてきた。
こういう時、なんて言葉をかけるべきか?
「お疲れ様でした。大変でしたね」というのは、私が口にするのは嫌味な感じがするし、「今日は如何でしたか?」も同じく嫌味だ。
結局、私は、いつも通り「お待たせしました」といった。
カルロは少し残念そうな顔をしている。
(期待してくれるのは嬉しいけど、気の利いたことなんて言えないわ。無理よ……)
何か気の効いたことでも、このセレスが言うとでも思ったのだろうか。カルロに申し訳ない気持ちになった。
私が席に着くのを見届けて、ファルネティ伯爵が着席すると、料理が運ばれてきた。
リーキのポタージュからはじまり、チコリのサラダ、ゼリー寄せ……運ばれてくる料理を黙々と食べながら、会話もないまま、食事は続いていく。
今までも、そうだったし、いくら、普段あり得ない事件が起きても何も変わらないようだ。
(いや、今日は話しかけないと……。でも、なんて話しかけるの?あの騒がしい絵について?)
そう焦りながら、どう切り出そうか、どうやってリュリーの悪事を話そうか、どうやったら穏便に事をおさめられるかと迷っている間、主菜の仔羊を食べ終え食後酒とチーズが運ばれてきた。
私はお酒だけもらい、甘口の白葡萄酒をゆっくり飲んでタイミングをはかっていると、先に口を開いたのは、ファルネティ伯爵だった。
「リュリーとはもう会わない」
いきなりの進展に驚いて、私は手にしたグラスを落としそうになった。
「ジェラール公爵のお妾に手を上げたからですか?」
直接過ぎるかと思ったが、そのまま聞いてみた。
「……それだけではなく、彼女がしたことは、横領だ」
自分が伯爵に撒いた不信の種が思った以上の成長を遂げた。
発芽どころか、花はもう満開だった。
喜ぶどころか、私は身支度をしているときと同様、焦った。
あまりにも早すぎる展開だったからだ。
「……彼女をどうするつもりですか?」
いつかファルネティ伯爵が、私に言ったのと同じように彼に尋ねた。
「屋敷から出す。紹介状も書くつもりはない」
あまりにも冷淡な物言いに、私は、ずきりと胸が痛くなった。
「行く先を世話することもなく追い出すなんて、情を交わした相手に、あまりにも冷たくはありませんか?」
「君が、彼女を庇うとは思わなかった。罪に問わないだけでも有り難く思って欲しいぐらいだ」
「……私は、反対です」
ファルネティ伯爵はイライラした様子で、酒を呷った。
想像以上に彼はリュリーに怒っている。そして、その処遇に反対するセレスにも。
「なら、なぜ、君はあの宝飾を私に見せたんだ。君は願っていたんだろう?彼女がここから追い出されるのを」
そう、確かに私は、リュリーが勝手に頼んだパリュールを見せて、彼女の悪事を伯爵に知らせるような真似をした。でも、もっと穏便に、リュリーをここから出すつもりだったのだ。
「確かにそうですが、何もここまでの仕打ちを望んだのではありません」
彼女がしたことは、許せる気はしないが、今の彼女はセレスに毒を盛った訳ではない。
それに、彼女を、ここまで増長させたのは、セレスの責任だった。伯爵夫人としての責務を考えず、リュリーに帳簿を任せてしまったのだ。
セレスが、もっと伯爵夫人としての責任を意識していれば、彼女もそこまでしなかったのだから。
「リュリーがこんな事をしたのは、元を辿れば、私が何もしなかったからです」
ファルネティ伯爵は、見た事もないほど怒っていた。顔を紅潮させテーブルに置いた片手を強く握りしめている。
普段、穏やかな人がここまで怒るということは、リュリーはファルネティ伯爵が許せないことをしたのだ。
私は、その怒った彼の様子に、情けないことに、怖くて泣きそうになっていた。
それに、この体の持ち主であるセレスも、こうやって男の人に怒りを向けられた事がなかった。
「これは、君だけの問題じゃない。リュリーは貴族の権威を蔑ろにしたんだ」
私は、その言葉でやっと、自分が伯爵の冷淡な態度に心を痛めたのかわかった。
彼が怒っているのは、リュリーがしたセレスへの仕打ちではなく、主への不敬に怒っているのだ。
その矛先が、いつか自分に向けられそうで、それが嫌だったから、リュリーを庇うようなことを言った。
何も、リュリーを慮ったわけではない。
「それなら、私は貴族としての責務を果たしませんでした。旦那様だってそうでしょう?それなのに、ただ奉仕されることを望むのですか?」
ファルネティ伯爵がテーブルにグラスを叩きつけるように置き、乱暴な音が鼓膜を震わせた。
「あの欲深い女に好き放題されるのを、甘んじて受け入れろとでも言うのか!」
男の人の大きな声と、射るような視線に睨み付けられ「ひっ」と情けない声が出た。
喉が締め上げられるような息苦しさを感じて、彼の顔を見ていられなかった。うつむいて、膝に置いた手を握りしめる。
「…そ、そう、ではな……く…」
声を絞り出そうとしたが、言葉を続けられることができず、情けないことに、両目からぽたぽたと涙が溢れてしまった。
ぎゅっと唇を噛みしめ、泣かないようにしたが、ダメだった。
ちゃんと話さなきゃ、このままじゃ、何も変わらない。
「こ…のまま、リュ、リュリーを、お、追い出しては……責められるのは………わ、私たち…です……」
声を出すと嗚咽が出て、上手く喋れない。悔しくて、情けなくて、余計に涙が出てくる。
みっともなく泣き出した私に驚いたのか、ファルネティ伯爵からは怒りが消えて、彼は気まずそうな顔をした。
「……君を泣かせたい訳じゃない」
気づけば、食堂には私とファルネティ伯爵、カルロだけしかいない。カルロが人払いをしたのだろう。
私はみっともなく泣いた事を恥じた。
ナプキンで涙を拭い「申し訳ありません」と謝ると、私が泣き止むまで暫く黙っていた伯爵が、静かに尋ねた。
「リュリーをどうしたい」
「……私達も責任を取る必要があります」
「あの宝飾を与えるだけでは駄目なのか?」
「高価な宝飾を与えても、庶民はそんなものを売る伝がないのです。場合によっては盗品だと難癖をつけられます」
「確かにそうだ……。では、どうする?」
「リュリーの結婚相手を、お世話していただきたいのです」
私の提案に、ファルネティ伯爵は眉をひそめた。
「……それは、甘過ぎる」
「わかってはいますが、宝飾の件は、先ほども申し上げた通り、私の管理不足が招いた結果です。彼女が今まで私にしてきた事もです。
ですから、これらの件は不問としていただきたいのです。
それに、外部に公になれば、この横領は家門の恥になります」
「それは分かるが、何も結婚まで世話してやる義理はないだろう」
「いいえ、あります。それにこれは旦那様の名誉の為でもあります。
お手付きの侍女を妾にして、数日で放り出すのは、あまりにも不誠実です。弄んで捨てたと思われます。
私達は事情を知っていますから、そんな事は思いませんが」
「……だが、事情を知らない輩には、私は、恥知らずな冷血漢だと言われる訳だ」
ファルネティ伯爵は、端正な顔に、さらに疲れを滲ませて長く息を吐いたあと、カルロにデザートを持ってくるように言った。
会話の雲行きがまだ怪しいことをカルロは察したのか、他の使用人は呼ばず、自ら給仕する。
デザートは蜂蜜のスフレだった。セレスの好物の一つだが、こんな気分で食べたくなくて、お茶を匙でぐるぐるかき混ぜながら、彼の返答を待っていた。
伯爵は、デザートとお茶が置かれても、しばらく、うつむいて眉間に指を押し込むようにしながら黙っていたが、やがて面を上げて口を開いた。
「郊外に、私の教育係だったシモン夫人のために用意した家がある。去年他界して今は空き家だ。リュリーはそこに移そう。
結婚相手も探す。ただし、いい条件は期待しないように」
ファルネティ伯爵はそう言って、お茶ではなくグラスに残っていた火酒を呷った。
「あ…、ありがとうございます」
私は、もっと、交渉が長引くと思っていたが、ファルネティ伯爵が、意外と早く要求を飲んでくれた事が嬉しくて、私は心の中で両手を天にかかげて拳を握った。
―――私の計画は元々はこうだった。
ファルネティ伯爵がだんだんとリュリーに疲れてくるのは、わかっていた。
その間に、私は、彼がいずれ恋に落ちる相手と引き合わせるつもりだったのだ。彼女が悲しい目にあう前に。
彼らが出会い自然と恋がはじまるのを待ち、その後、リュリーの越権行為を打ち明け、リュリーを屋敷から出して、誰かに嫁がせるつもりだった。
これは穏便に事を解決するためでもあり、そして私なりの復讐だった。
なぜなら、リュリーは貴族になりたがっていた。
彼女は自分の出自がコンプレックスだった。
セレスの叔母の遠い親戚だったが、彼女の実家は貴族でもなかった。
それにリュリーは妾の子―――つまり、庶子だった。庶子は法的にその家の子とは認められない。
妾がお役御免となった時、支度金を渡し結婚を世話するのが囲っていた男の義務とされていた。もちろん、守らない男も大勢いたが。
慣例からして、庶民出身の妾の嫁ぎ先は、商人か、リュリーの実家のような家柄になる。
貴族に嫁ぐことはない。
彼女は、貴族にはなれないのだ。
ファルネティ伯爵には甘いと言われたが、結婚を世話して、彼女の野望を打ち砕くのが、私の復讐だったのだ。
計画は、恐ろしい早さで、前倒しになってしまったが、ちゃんと目的が果たされた事が嬉しくて仕方がなかった。
(セレス、あなた、やれば出来るじゃない)
そう自画自賛しながら、冷めかけてしまったスフレを口に入れた。温かいうちに食べるのが好きだったが、それも気にならないほど美味しく感じる。
そうやってスフレを堪能していると、ある違和感に気付いた。
じっとこちらを見つめる榛色の瞳に。
いつもなら、だらだらデザートを食べるセレスを置いて、先に食堂を出ていくはずの夫がまだいるのだ。
彼の皿からは、すでにスフレは消えているのに。
私が少し不思議に思っていると、彼は私に笑いかけた。
「ゆっくりでいい。待っているから」
私はきっと変な顔をしていたと思う。
なぜなら、こうやってセレスに微笑みかけた事なんて、今までなかったからだ。
居心地の悪さを感じ、いそいそと残りのスフレを口にいれ、お茶で流しこんで席を立つと、同時にファルネティ伯爵も席を立った。
「あの……なんでですか?」
訝しく思って尋ねると、彼も唇を曲げて変な顔をした。
「なんでって……部屋まで送ろう」
私は、訳が分からなかったが、ファルネティ伯爵に手を差しのべられ、そこに手をのせた。
こんな事をするのは、舞踏会や晩餐会に呼ばれた時ぐらいだ。
そうやって食堂を出ていくのを、カルロに見送られる。
歩きながら、私は少し気になった事を尋ねた。
「話しを蒸し返すようですが、万が一、彼女が身ごもっていたらどうするつもりですか?」
彼女が妊娠しないことは分かっていたが、念のため尋ねると、何故かファルネティ伯爵は面白くなさそうな顔をした。
「もし、妊娠したなら彼女は魔女か魔法使いだ。あり得ない」
何故、ここまで断言出来るか分からなくて、首を傾げると、ファルネティ伯爵は、何故か頬を赤らめた。
「……とにかく、あり得ないんだ」
「すみません。ただ、大丈夫かと気になって」
「そういう事はないから、安心しなさい。それと、君の化粧料で、あの宝飾の代金を支払うつもりだったと、今日知った」
「はい。そのつもりです。ですが、どうやってお知りになったんですか?」
「私だって帳簿ぐらい見るさ。でも、それは必要ない。化粧料をそんな目的で使ったら、君の叔父上が許さないだろう」
「……支払いは、どうされるんでしょう?」
まさか、リュリーがしたようなこと、するつもりじゃないでしょうね。と警戒しながら尋ねた。
「父の遺したグンテルを譲ることにした」
グンテルは馬の名前だ。見事な青毛の馬。
前ファルネティ伯爵は、何よりも、誰よりも、奥様よりも、馬が大好きだった。
皇都中の名馬の血統を集める勢いで、名馬を産ませ育てることに人生をかけていた。
そうした趣味も家を傾ける要因となった。
「よろしいんですか?大事になさってたんでしょう」
「君が心配することはない。私は馬の事は父ほどよく知らないし、そんなに構ってもやれなかったから、これでいいんだ。それに馬は他にもいる」
「可愛がってくれる方なら良いんですけれど」
「エベール侯爵なら私より可愛がってくれるさ」
血の気が引いて、歩みを止めた。
……ジェラール公爵に続いてエベール侯爵。
とっても嫌な組み合わせだ。
こんなにも早く、関わることになるとは思っていなかった。
「顔色が悪い。大丈夫か?」
「……大丈夫です」
出会うのは、ずっと先だと思っていた登場人物が、この一日で二人も関わってきたことに目眩を覚えたが、足を踏み出し歩きだした。
それから、会話することもなくセレスの部屋の扉まで着いたが、ファルネティ伯爵は手を離さなかった。
もう、いいですよ。と顔を見上げると、彼は何故か「もう少し飲みたいな」と言った。
「お茶でもお酒でも自分の部屋で飲めばいいじゃないですか」なんて、言えるはずもなく、私は自分の部屋に彼を入れた。
ちょうど居間で、私のための菩提樹のお茶の用意をしていたミアは、伯爵の姿を見ると、あからさまなぐらい嬉しそうに微笑んだ。夫婦揃ってこの部屋にいるなんて初めてのことだったので、侍女として嬉しかったのだろう。
セレスは晩餐のあと、入浴の準備が出きるまで、居間で本を読んで過ごす事が多く、私もそれに倣っていた。
テーブルの上には今読みかけの本が置きっぱなしで、私はそれを片付けようとしたが、その前に、伯爵が手にとる。
「モンヴォワザン夫人?」
彼が不思議そうに、タイトルを読み上げた。
今、流行っている小説で、主人公は侯爵の第二夫人で、毒殺魔だ。
愛人にそそのかされ、邪魔な妾と第一夫人、その息子を殺し、挙げ句の果て自分の家族や、夫まで手にかけていく。
毒殺は、エンドルフで、今一番問題になっている犯罪で、それをリアルに書き上げた作家ダミアン・コルベルは、この小説で一躍有名になった。
「君がこういうものが好きだとは思わなかった」
別に好きではない。ただ、こういう本を読めば、自分が毒殺されないよう、気をつける事も出来るのではと思って読んでいただけだ。
私は曖昧に微笑んで誤魔化した。
伯爵は長椅子に座り、私は向かいに座ろうとしたが、伯爵の為の火酒を準備していたミアが、私の方を見て首をふったので、仕方なく彼の隣に腰かけた。
飲み物の用意を終えたミアが、お辞儀をして部屋を出ていくと、居間に二人きりとなった。
よく考えたら、ファルネティ伯爵と二人きりなるのは、初めてのことだが、特に話すこともないので、黙ってお茶を飲んでいると、彼が口を開く。
「医師のバルビエの報告は、ずっと変わらないままだけど体調はどう?」
心配するように、私の顔を覗きこむ。
「変わりません」
健康だったが、伯爵が本当のことを知る必要はないので、そう答えた。
「前から考えていたことだが、医者を変えてみるのはどうだろう。半年も治療して成果がないなら、あの医者の腕も知れている」
セレスを見ているバルビエの腕がどうなのかは知らないが、主人と患者に嘘の診断を伝えていたのだから、風上にもおけない最低の医者だ。
そんな男を側に置くのも嫌だったが、もし、医者を変えたら、どうなるか考え、ぞっとした。
(私が健康だって報告される?そうしたら……)
―――白い結婚じゃなくなる。
血の気が再び引いて、体から力が抜け椅子からお尻がずり落ちそうになるのを、伯爵の手がセレスの腰を抱いて防いだ。
「本当に大丈夫なのか?」
「……はい」
そう答えたのに、彼の手は腰にあるままだ。
いい加減、離してくれないかなと身を捩ったら、彼の体が私にのしかかってきていて、セレスの顔に、彼の顔が近づいた。
はじめは、何がおきているのか分からなかったが、自分が口づけされそうになっていることに気付き、慌てて彼の唇を手で押さえて防いだ。
「だめです」
伯爵から離れるために、できるだけ長椅子の隅へ体を寄せると、彼は少し傷ついたような顔をした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます