新薬採用争いの渦中に起こった日本三大峠の雁坂峠での殺人事件。巻き込まれた44歳の脱サラ探偵空木健介が狂気の犯人を暴く。万永製薬MRの乗鞍は、大企業である大和薬品工業と共同で開発した新薬について、両社の棲み分けの合意により万永製薬がプロモーション活動をすることになっていた昭和記念総合病院の薬剤部長から、大和薬品工業の製品と共に仮採用し、三カ月間の処方量の多い方が正式採用になることを告げられる。大和薬品工業MRの長谷辺は、全くプロモーション活動を行っておらず、内分泌科の藤江部長が勝手に採用申請をしてしまい、自身も困惑しているのだという。しかし、乗鞍は長谷辺が嘘をついているのだと疑っていた…