第12話 古びた書物の秘密

アリスとクラウスは図書館の奥、古い書物が保管されているエリアに到着した。棚には年代物の書物や巻物が積まれており、埃をかぶっている。その中には、非常に古い文献や魔法に関する資料が含まれていると考えられた。アリスは慎重に棚の一つ一つを調べ始めた。


「リリィさんが言っていた通り、ここはかなり古い書物が集められている場所ね。」アリスは興奮した口調で言った。「もしかすると、この中に事件の手がかりが隠されているかもしれないわ。」


クラウスは棚の上に積まれた書物を整理しながら言った。「古い書物には、事件の前に使われた魔法や、伝説に関する記述があるかもしれません。特に、夜の魔法や影に関連する文献が見つかるかもしれない。」


アリスは棚の中から古びた巻物を取り出し、注意深く開いた。それは古代の魔法に関する文献であり、ページの隅に奇妙なシンボルが描かれていた。


「このシンボル、見覚えがあるわ。」アリスはクラウスに見せながら言った。「どこかで見たことがある気がする。」


クラウスはそのシンボルをじっと見つめた。「確かに、どこかで見たことがある。学校の魔法の授業で習った記憶があるが、具体的にどこで見たかは思い出せない。」


アリスはシンボルについて調べるために、その巻物の内容をさらに確認した。すると、巻物には「影の魔法」という章があり、その中には影を操るための呪文や儀式が詳細に説明されていた。


「影の魔法…これが事件に関係しているのかもしれないわ。」アリスは巻物の内容をクラウスに見せながら言った。「影を操るための儀式や呪文が、今回の事件に影響を与えている可能性がある。」


クラウスは巻物を見ながら考え込んでいた。「もしこの魔法が事件に使われたとしたら、それに関連する古文書や儀式の道具も探さなければならない。」


その時、棚の奥から古びた箱を見つけたアリスが手に取った。箱は長い間放置されていたようで、埃をかぶっていた。箱を開けると、中にはいくつかの古い書物と、一枚の紙が入っていた。紙には奇妙な記号とともに「影の神殿」と書かれていた。


「この紙、もしかすると重要な手がかりかもしれないわ。」アリスは紙をクラウスに見せた。「『影の神殿』という場所が書かれているわね。これが何かの鍵になるかもしれない。」


クラウスは紙の内容を真剣に見つめた。「影の神殿という場所が、影の魔法に関連している可能性が高い。もしかすると、事件の真相に迫るためにはその場所に行かなければならないかもしれない。」


アリスはその提案に頷いた。「私たちがこの影の神殿を調査すれば、事件の詳細やナイトメアに関する情報が手に入るかもしれないわ。早速、調査の準備を進めましょう。」


アリスとクラウスは、古びた書物と紙を手に、影の神殿に関する情報をさらに調査する決意を固めた。影の神殿が何を意味するのか、その場所がどこにあるのかを突き止めるための準備を始めるのだった。


調査の過程で、彼らは学校内外のさまざまな文献や記録を掘り下げ、影の神殿に関連する手がかりを探し続けることになる。アリスとクラウスの冒険は、ますます謎めいた深層へと進んでいくのだった。

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