第7話 最強の布陣(全員裏切りました)
「もう僕達は終わりなんだぁ!仲間の大半がスパイに殺され戦力差は広がる一方!何故無実の僕達を狂ったシリアルキラー共は狙うんだ!?」
「何が明けない夜はないだ!朝とか夜とか関係無く殺されるなら時間帯なんて何の意味も無いじゃないか!」
「皆…気を強く持って!絶望しちゃダメだよ!」
「そこまでだ!」
そこに誰かの声が響く
「ふぅ…来るのが遅いよ」
「あっあの人達は!?」
「そっ、そんな!?1000年前の偉人じゃないのか!?」
「次元超越者は時間になぞ縛られぬ。故にこうして現れたのだ」
「絶望するのは無理はない。奪われて絶望するなと言う方がおかしな話だからな…だが!ボク達は違う!」
「たとえどれだけ絶望しようと!困難に陥ろうとものともせず!立ち上がり突き進む力に変えて来たのじゃから!」
「人はアタシ達を「ディメンション・ブレイカー」と…そう呼ぶのよ!」
何とか戦隊的なポーズを取りながら現れた4人組。
彼らはシュールだが確かに伝説的な存在であった。
説明しよう!ディメンション・ブレイカーとは…
実は神様から神核を授かるより自力で力を磨く方がより強くなれるというのはご存知だろうか。
奇跡に奇跡が重ならない限りそう簡単には越えられない…だが奇跡は弛まぬ努力と仲間との友情によって巻き起こったのである!
そして神核を超越する奇跡の力を手にしたディメンション・ブレイカーは世界を救い、別の次元の人間を助けに行ったのである。
確かに彼らによって魔王が打倒されたのは千年前
だが次元超越能力を持つ彼らに取ってそんな事問題にすらならない!
「で、でも神核狩りは大量の神核を持ってるんだろ?いくら伝説の救世主でも…」
「はっはっは!言われてしまったな!」
「ここは証拠を見せてはいかがかの?」
「ねぇゾッ、ゼール様?あれ見せたら?」
ゼールと言われた男は黙り告っている。
「………」
「ゼ!エ!ル!さ!ま!」
「お、オレっちの」
ドゴッ ゼールはみぞおちを殴られ吹き飛んだ。
「ごはぁっっっっ!?」
「ゼール様〜?…」
「わっ吾輩をあまり舐めるでない。神核狩り如きに吾輩達が勝てない呼ばわりするなど吾輩の統べる国ならば不敬罪で死刑だぞ」
仲間に殴られよろよろと立ち上がりながら偉そうに語る姿に
「ゼール様弱くね?」
「バカっ!そういうのはティー様強すぎるって言い換えるんだよ」
「聞こえているぞ、メインディッシュが控えていなければ貴様等の首は飛んでいた事を肝に銘じろ」
「えっ!?メインディッシュって…」
「我に取ってのではない貴様等全員の為の…極上のメインディッシュだ!!ティー!愚物共を転移させろ!」
「はいはーい!【DimensionCode0047】」
【テレポーテーション】
どこからともなく機械的な女性の声が響いたかと思うと。
ここに現れたのは…
神核を大量に所持した達磨達だった!
「…………」
「…………」
「…………」
「ひっ!」
「手足も目もないぞ!?舌まで!?」
「何を怖気づいておるのだ?憎かったのではないのか?」
「そうよ!神核狩りが何人殺してきたと思ってるの!?自業自得じゃない!」
「舌なぞ残して置いても暴言しか吐かん。ロクな情報も持っておらんこいつらに舌は不要でしかない、さぁ処刑ショーを始めよう」
「すまんがゼールは最後にしとくれ。一瞬で片付いてしまうからのぉ【DimensionCode8279】」
【アトミックルーム】
「…………」
透明な部屋に敵を閉じ込めたと思いきや部屋内で大爆発が起こった。
「敵を決して破れん部屋に閉じ込め核爆発で殺す技じゃ。部屋はすぐに消え周囲への被害は及ぼさんから安心しとくれ」
「こんなん人間技じゃないだろ…」
「ちょっと俺の脳みそじゃ理解できねぇよ…」
その老人の名は【魔鏖アルマ=ドーン】
最強の魔導師であり7つの異世界を支配する魔王を討ち滅ぼし次元超越者の領域に辿り着いた英雄である。
「次はボクの番だな!【DimensionCode7771】」
【オーバースペック】
「力が漲って来たぞ!そして思いっきり助走を着けて〜〜〜〜ブンッ殴るッッッ!!」
「…………」
殴り飛ばされた相手は天高く打ち上がりすぐに姿が見えなくなった。
「おいおいどこまで飛んで…!?」
「月が!?粉々に!?」
「ストラーイク!大丈夫大丈夫、月って砕けても3日もすれば治るんだからな!」
「月砕ける子なんてアンタくらいでしょ」
「そうかな?」
「こんなん人間技じゃないだろ…」
「おれは夢でも見てるのか!?」
その少女の名は【結者スー=ルート】
純粋な性格で仲間との絆を絶対視しており2000もの異世界を滅ほさんとする悪しき神の軍団と戦い、各世界の仲間との協力の末打ち破り救った。
英雄の中の超英雄、それが彼女である。
「次アタシの番ね、【DimensionCode6483】」
【アイテムコピー】
達磨達の持っていた神核が何十倍にも複製された。
「いくら強くても4人増えただけで貴方達全員を守りきれるわけが無いわ!だからいくらあっても困らないはずよ?受け取りなさい?」
「えっ!?こんなに大量の神核が…俺達の元に!?もしかしてもうこれだけで戦力差が覆せるのか!?」
「やった!俺達は絶対勝てるぞ!生き残れるんだ!!」
「はいはいいくらでも増やせるんだから押さないでねー?」
その少女の名前は【精零ティー=タニック】を殺して成り代わったディーヤ=エデン。
そもそも本物のティー=タニックは男の娘で性格も腐っている外道なのだが、ティーとディーヤの姿は似通っていた為誰も偽物だと気づいていなかった。
尚隠蔽されてはいるがティー=タニックは世界を救っておらず承認欲求の為に強化させた奴隷に悪役をさせたマッチポンプに過ぎなかった。
「最後に吾輩の力をお見せしよう。【DimensionCodeEX99999999】」
【エラーが発生しまままままままままままままままままままま】
「……………」
「小さいブラックホール!?」
「神核狩り共だけが吸い込まれていくぞ!?」
「一旦消滅したが、これでこいつらは何度生まれ変わろうが地獄の責め苦を越えた苦しみに喘ぎ続ける事だろう。よっぽどの極悪人にしか効かんがな」
「マジかよ…!?一瞬の内にそこまでエゲツねぇ事ができんのか!?」
「あの憎き神核狩り共が永遠に苦しみ続けるなんて…天国の弟も喜ぶはずだ!ありがとう!ディメンション・ブレイカー達!」
その男の名は【真神ゼール=ト=ラーク】を殺して成り代わったゾート=エデン。
【再生】の神核によってゼールそっくりな姿に変装した。
本物は冷酷な暴君で3つの異世界を支配しており歯向かう人間を一切許さず不穏因子として即処刑していた。
一切世界を救った事はないがゼールを疑う人間は皆殺しの為事実は隠蔽され彼は英雄として扱われた。
もはや偽物として疑う事など許されないと誰もが思っている為違和感を指摘する人間はこの場には誰も居なかった。
「これだけの強者が集うのだ。それでも尚勝てぬ等と抜かす阿呆は居らぬな?」
「居るわけありませんよ!ゼール様最高でございます!!」
「もう絶望してる人はいないよな?」
「スー様が助けに来てくれたんだ!当然ですよ!手伝える事があったらなんでも言って下さい!」
「複製した神核、アタシだと思って大切にしてね?君達への愛情が詰まってるんだからね?」
「ティー様お美しい…是非ともこのわたくしめを踏んでくだされ〜!」
「アタシだけ何か違くない!?」
(その調子だ…いいぞディーヤ…ちゃんと神核ボムを持たせといてくれよ…?)
「これだけの強者が集まれば神核狩りになんて絶対負けないね!ねぇ皆?これが長い夜を越えた先の景色だよ?」
「疑ってすまねぇ!リアン様、勝てるわけが無いって、勝手に決めつけてた!」
「リアン、勝敗を断定する前に少し頼んでいいか?」
「ゼール様、どうしたのかな?」
「【ラプラス】に勝率を伺ってみたらどうだろうか
?」
「えっ?前使った時99.99%勝てるって言ってたよ?変わらないと思うけど…」
(ていうかディメンション・ブレイカーが来てくれたんなら100%になってるかも…)
「ねぇ【ラプラス】私達の勝率を教えて?」
【えっと…聞かない方がいいかと…いや本当に】
「えっ!?」
【い、いや〜実は100%になってるんですけどそれを聞いたら手が抜かれやすくなって負けやすくなるかも〜って】
「本当なの?本当に…」
【いや、えっと…あの、そのぉ】
「………」
【0%です】
「えっ?」
「「「「「「「「「「「「「「は!!!!!?」」」」」」」」」」」」」」
【この際だから敗因も言いますけど、勝てるわけないじゃないですか!?ゼール達が殺した神核狩りって神核を管理してた神様ですよ!舌無いから言えなかったんです!仇を討ったつもりが仲間殺してたんですよ!それになんでこんな事してると思いますか!?裏切ってんですよ!ディメンション・ブレイカーが!4人共!】
ディメンション・ブレイカーは4人いるが仲間なのはアルマ=ドーンとスー=ルートだけであった。
本物のゼール=ト=ラークとティー=タニックは2000の世界を滅ぼそうとした悪しき神々の軍団の残党であり強すぎるが故殺せなかっただけの敵対関係に過ぎなかった。
故にゼールとティーを殺したゾートとディーヤに感謝し今回自分が守ろうとしていた異世界の人間が奴隷売買に手を出す極悪人だと知ったアルマとスーはチート所持者を裏切りゾートの仲間となったのだ。
「ボクは困ってる人は全員助けたい。だからこそ奴隷の子達を苦しめるお前達を倒さなきゃならないんだ!その苦しみが!絶望が!被害者の怒りだと思えよ!」
「ワシの婆さんはゼールの野郎に氷漬けにされたまま宝物庫に飾られておったのじゃ。酷いじゃろう?じゃから仲間を求めるスーの仲間となり復讐の為の修行を重ねておった。じゃがいつも後一歩の所で逃げられてしまう。今回も逃げられるかと思った瞬間そこにはゾート君がおった」
「嫁さん、助けたいんだろ?平気で人殺せる癖に自分は平気で逃げるクズなんてオレっちとお前で地獄にぶち落としてやろうぜ!」
「おやまあ!もう変装を解くのかね?それにあの時の再現まで!」
「まぁ0%なら変装解いてもいいわよね?」
「その時編み出したのがオレっちがさっき使った【DimensionCodeEX99999999】なんだ。奴の絶望する顔ときたらめっちゃスカッとしたぜ!」
「お陰でワシは婆さんと再会できた…感謝しても仕切れん。じゃからワシは恩を返すべく貴様等チート所持者を葬るのじゃ」
「ねぇゾート?親玉もいるしここで決着付けちゃってもいいんじゃないの?」
「それもそうだな!ノア達を呼んでくれ!」
「分かったわ!【DimensionCode0047】」
【テレポーテーション】
そして呼び出されたのは…
「ふっふっふ…+4返し成功したからって油断したね?言ってないよね?ウィノって!?」
「この俺が…ウィノ言い忘れだと!?あり得ん!?ちゃんと言ったはずだっ!」
「これってまとめて出せるよね?!」
「俺がっ!俺が勝っていたはずだ!たった一度言い忘れただけで…」
「虹色出すけど何色がいい?」
「ぜぇっ…ぜぇっ…青にしてくれ」
「青にするね?」
「こう言えば青意外になると踏んだ俺の予想が…!外れた…!?これじゃ…出せない!」
「はいウィノ」
「ぐあああああ!!バカなぁーーーー!!」
「メシアちゃん9位、ノアちゃん最下位でーす!ていうかここどこ?」
後で呼び出される事を忘れてすっかりカードゲームに熱中していた事についてはきっちりお説教を食らったのであった。
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