第2話 いちごの若さ 2

・・・


「それにしても、まだ若いのにどうしてこんな仕事してるの?」


風俗で働いていれば嫌というほど聞かれる質問。

私はこの質問が大嫌いだ。

私がこの仕事をしている理由なんてお前に関係ないだろ、面接官にでもなったつもりか?

お前は自分の仕事を他人に”こんな仕事”と言われてなんとも思わないのか?

そう言ってやりたい気持ちを押し殺して、にっこりと微笑む。


「そんなの、えっちなことが大好きだからに決まってるじゃん!」


「やっぱりそうなんだ。でも、こんな仕事親には言えないでしょ?」


吐き気がする。

お前が私の親に会うことは一生ないから口出すな。

いかにも心配してやってるような口ぶりで、ただ若い子に説教したいだけのクソジジイ。

出すもの出して、しっかり気持ちよくなってたくせに、自分のことは棚に上げる。

心の底から気持ち悪い、早くくたばれ。

・・・と言う本心も押し殺して、少しうつむく。


「私ね、父子家庭なの。お父さんが病気で入院しちゃって・・・。この仕事をしてるのはお父さんの入院費用と手術費用を貯めるためでもあるんだ。」


父親世代の客はすぐに騙される。

ただの設定なのに信じ込んで謝ってくる。

謝るなら最初から言うなボケ。


このまま噓泣きでも始めようかと思ったところでタイマーが鳴った。


「10分前だね!シャワー浴びよっか!」


少し悲しげな顔をして客を見れば、もうコイツは私の人生に同情するただの金ヅルになる。

さっとシャワーを済ませ、客に服を着せて部屋を後にした。




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