ヨリカカリ

@otomodachi25

派遣~いちごの人生~

第1話 いちごの若さ 1

見慣れたフロントで電話で鍵を開けてもらい、エレベーターに乗り、カビ臭い廊下を進む。

右手には自分のバッグと、店から渡された安っぽいトートバッグを持っている。


(メイク上手くいった日に限って暇なの、そろそろこの現象に誰か名前つけてほしいわ~)


501と書かれた部屋の前で止まる。

スマホのインカメを起動して軽く前髪を整え、バッグからピンクの香水瓶を取り出して髪に振りまく。


(は~、行くかあ)


大きなため息をひとつして、呼び鈴を鳴らす。

数秒でドアが内側から開けられた。


「こんばんは!ラブリーデリバリーのいちごです♡ご指名ありがとうございます!」




私は今日も若さを売る。

束の間の愛を感じるために。

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