第2話 執行宣言

 精神干渉魔法により洗脳されているであろう信者達だけど、先ほどから魔法の類を使うことはなく単調な攻撃しかしてこない。

 エンシェの解析、それによれば、魔法を解いたとしても廃人となるだけで、自我を破壊されてしまった以上、洗脳は解けないらしい。

 

 街全体に伝染している洗脳魔法、少しずつではあるけど精神が浸食されているのを感じる。

 早めに処理しないと危険だ。

 

 そうして、私は教会へと走った。


 *


 高台にある教会へ着くとその扉を開けると身廊の奥、真正面の祭壇に教皇と思わしき人物と側近らしき者が2人いた。

 

「まさか、ここまで来るとは……」

 

 教皇と思われる老齢の男がそう言う。

 

「貴方が、教皇エルドですね?」

 

「えぇ……私が、教皇ルタール・エルドです」


 彼で間違いない。なら、あとは。


「筆頭執行官レインがルタール・エルド、貴方を"執行"します」


 執行官たちの間で行われる標的に対する最後の礼儀であり宣言。通称「執行宣言」という。


 


 そうして、執行宣言とともに、教皇デルタとの戦いが始まる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る