CAR.10 ハチロクに出会う
青空を撫でながら、2人でまったりしていると、ハチロクがやってきて、若い男の子が降りてきたまでが前のお話。「ねぇ、君がこのハチロクのドライバー?」あたしは聞くしかなかった。「そう、だけど。どうして?」彼は缶コーヒーを片手にきょとんとした顔をしている。「あたし、ずっとあなたに会いたかったんです!!あ、いや、その、すんごい速いハチロクがいるって聞いたから。」早口で変なことを言ってしまった。
「どうして会いたかったの?」彼はあたしに会いたかった理由を聞いてきたのだ。「ハチロクはどんなに頑張ってチューンしても240馬力が限界だからって聞いたから。それで。」「そうだったんだね。俺のハチロクはタコメーターとか色々付け替えてるから限界を突破して450PSくらいまで伸ばすことができてるよ。」そうだったんだ。てっきりハチロクは初期状態から大してのばせないものだと思っていた。どうやらあたしの勘違いだったようである。「あ、あの、ごめんなさい。勝手なこと言っちゃって..........。」
「ううん。わかってくれればいいよ。これからも頑張ってね。君には将来有望になりそうだ。」あたしは最後に聞きたいことがあったので口を開く。「あ、あの。名前を聞いてもいいですか?」でも、初対面で名前を聞くのは失礼かもしれない。「俺の名前は、神谷拓夢だよ。あと年齢は18歳。よろしくね。」彼の笑顔にあたしは、そう。“一目惚れ”してしまったのだった。
「じゃあ、俺はこれで。」ハチロクに乗ると4A-GEU特有のサウンドを鳴らしながら走り去っていった。やっぱりいいなぁハチロクは。あの子もそうだけど。やっぱりあたしよりも年下だった。あの子とハチロクを追いかけたくなった。
次の日、またあのハチロクが現れた。「また会ったね。」ハチロクのボンネットに腰掛けている。
そのビジュがとってもいい。「ミャァ〜」青空はインテRのボンネットの上が気に入ったのかいつもそこで寝ている。「かっわいいなぁ。頭を撫でると気持ちよさそうに力を抜く青空。今日は猫缶もあるからお腹が空いても大丈夫だよ。猫缶は全部で3つインテRのトランクの中にある。
なんだろう。サイレンの音が聞こえてきた。サツかなぁ。「違法改造車どもの検挙に参った。」サツがパトカー(クラウン)の中からマイクで喋る。「サツだ!!逃げろ!!」「ヴォウウウウ」誰が通報したんだろう。最近、走り屋が集まる峠で誰かが通報して楽しんでるのを聞いたことがある。とりあえず、今は逃げるしかないよ。
ハチロクも一緒になって逃げている。「そこのインテR、止まりなさい!!」え?ウソ?まじか。やばいやばい。「コク」「ヴォォォォ」「青空!!しっかり掴まっててね!!」「ヴヴヴ」
夜中の峠にサイレンとスキール音が鳴り響くのであった。「待ちなさーい!!!!!!!!!」
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