●メインキャラクターに関して
《銀作》
☆銀作のモデルは二人いて、共に幕末の名マタギ。
1人は「重ね撃ち竹五郎」こと村田竹五郎氏。「根子始まって以来の鉄砲撃ち」と称され、数々の伝説を持つ。
もう一人は「一発佐市」こと佐藤佐市氏。非常に慎重かつ我慢強い性格で、どんな獲物も一発で仕留めることを信条とし、ここぞという瞬間が訪れるまでいくらでも待ったという。また、非常に寡黙かつ硬派で、妻以外の女性は知らなかったらしい。
※参考文献
・戸川幸夫「マタギ 日本の伝統狩人探訪記」 ヤマケイ文庫
・長田雅彦「最後の狩人たち 阿仁マタギと羽後鷹匠」無明舎出版
《月乃》
・月乃は花でいうと銀木犀のイメージ。
中国の伝説にある「月の桂」は、実際には木犀の木だと言われており、そこから お月ちゃんのイメージも木犀の花とつながりました。華やかな金木犀もいいですが、個人的には銀木犀の方が色も香りも奥ゆかしくて好きです。
《幸吉》
・幸吉には設定の礎になった実在の人物がいます。作者が転職前に通っていた夜学で出会った●●さん(女性)。美人で明るい真の陽キャ。とにかく人の縁をつなぎまくる人で、作者の現在の職場もその人に紹介されたもの。●●さんと出会って、初めて人と人とのご縁の大切さを実感し、そこから「人の世の“めぐり”を生み出す」キャラとして幸吉を描くことに決めました。
《総合》
・RPGとかでよくある「属性」を付与するとしたら、ホノガミは「炎」、幸吉は「水」、銀作は実は「風」のイメージ。銀作の基本イメージが「冷たい泉の水底で青い炎が燃えている」であるため(※「さみしい魂」より抜粋)。水と炎で風が起こるという。
・能力を発現する時、
銀作→青い炎を使う、ホノガミ→赤い炎を使う
銀作→両目が青く光る、幸吉→両目が紅く光る
という形で、それぞれ対になるようにしている。
銀作にとって、ホノガミは対立する存在で、幸吉は並び立ち補い合う存在。
・銀作は強い未練や執着により成仏することができない霊たちに引導を渡すことで輪廻の輪をめぐらせる「死者の世界のめぐりを守る者」。
幸吉は孤立する者達の手と手をつなぎ、縁を結ぶことで社会をめぐらせる「生者の世界のめぐりを守る者」。
ふたりともめぐりの守り手だから通じ合うものがある。
対してホノガミは、己の自我1つで死の影さえはねのけ、妖怪にまでなってしまっているし、自然の理とかめぐりとかに真っ向から反抗している存在。銀作にとっては非常に不可解で相容れない。一方で、「かくあるべし」と雁字搦めにしている鎖を断ち切る力も持っている。
・幸吉は、銀作が最も気を許している同性の知人。故郷にも気にかけてくれる人はいなくはないけど、銀作は村の中の自分の存在にやや引け目を感じているので、同郷の人にはうまく甘えられないところがある。幸吉は妖関係に理解あるし、大抵のことは笑い飛ばしてくれるので非常に楽。
また、銀作は自分が世渡り下手なのをよくわかっているので、人間社会と妖世界の両方を器用に渡り歩いている幸吉のことを素直に尊敬しています。自分にはできないことをやってる人だ……と。
一方の幸吉は、銀作の超人的な能力を正当に評価しているけど、社会的にはまだまだ青いし、危なっかしいやっちゃなァと思っています。それを心配半分、おもしろ半分で眺めつつ、本格的にヤバイとなったら手を貸すつもりで見守っている。
「まがつ神」での「あんたの本業は祓い屋やのうて、マタギやろ」の一言には、銀作の仕事に対するリスペクトと、情にほだされやすい性格への心配と忠告が込められています
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