届かない告白を君独りに

霜月二十日

届かない告白を僕独りに

ぼくきみ告白こくはく出来できなかった


──出来できないままれてしまった


けれど、ぼくはやっぱりきみこと


れるまえに"き"という2文字もじつたえるだけでぼく人生じんせいわっていたかもしれない

きみ人生じんせいわっていたかもしれない


でも、もうおそかった

きみ今楽いまたのしんでいるのだろうか

とおくでもたのしんでいるのだろうか

きみしあわせをねがいたい


でも、どこかできみうらんでしまう自分じぶんがいる

なんでもすぐにぼくさききみをどこがでねたんでいたかもしれない

そんな自分じぶんにも嫌気いやけがさした

でもまたきみはなせたらきっと、いや絶対ぜったいぼくきみゆるすのだろう

き」ってつたえるだろう


そうかんがえているあいだきみとのおもおも

そのたびなみだこぼれる

あのころぼくうらやましいとおも

もうもどれないとかっているからこそ尚更なおさらおもうのかもしれない

くだらないはなしわらいあったのも

かなしいことなぐさめあったのも

喧嘩けんかしてすぐに仲直なかなおりしたのも

全部ぜんぶ大切たいせつおも


だからこのおもい、とどいてください







ぼくはおはかまえわせ

不器用ぶきよう笑顔えがお

き」の2文字もじつぶやいた


届かない告白を君独りにとどかないこくはくをきみひとりに

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届かない告白を君独りに 霜月二十日 @tadanosyousetukaki

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