第8話 爆乳が大好きになった原因の師匠
爆乳美女を集めて作るハーレムギルド計画。
その計画を実行するため、俺はアヴィアやナディア、カレンを連れて行動する。
「まずは【闇夜の星】の解体だが、これはさっきも言ったように所属冒険者の半数の賛同があればギルドマスターのカレンが冒険者組合に申請することでいつでもできる。まあ、多分半数も賛同しないだろうから、その場合はカレンの『紅玉の剣』だけギルドを抜けろ」
「うむ。問題は新ギルドの設立、だな」
「そうだ。新しくギルドを作るための条件は三つのパーティーを集めること、その三つのパーティーが月にクエストを十個達成していること。これがF級ギルドを作るための条件だ」
現状、新ギルドを作る上で集まったパーティーは二つのみ。
俺とアヴィアとナディアのパーティーと、カレンの『紅玉の剣』だ。
つまり、あと一つ新ギルド設立のためにパーティーを集める必要がある。
「【闇夜の星】の他のパーティーに頼むのは……」
「今の【闇夜の星】にはロクなのがいないからな。微かに残ってるまともなパーティーは俺がギルドマスターの新ギルドとか嫌がるだろ」
「いや、【闇夜の星】はティオ殿がいなくなって落ちぶれてしまったことは分かっているだろうし、そうでもないと思うが……」
「だったら尚更嫌だね。俺は自分のプライドを捨ててまで懇願してきたカレンだから助けてやりたいんだ。カレンに便乗してるだけの奴らを助けようとは思わない」
俺がそう言うと、カレンはポッと頬を赤らめて視線を逸らした。
そういう女の顔をされると興奮するからやめて欲しいな。
「ではティオ様、残り一つのパーティーはどうなさるのでしょうか?」
「いい質問だ、アヴィア。俺の師匠を頼る」
俺の師匠、という言葉に全員が目を瞬かせた。
「ティ、ティオ殿に師匠がいたのか?」
「俺の使う治癒魔法や支援魔法は、ある冒険者から習ったものだ。そして、俺が爆乳好きになった原因でもある」
「「「!?」」」
その人は俺のルーツと言っても過言ではない。
俺は目を見開いているアヴィアたちを尻目に帝都のとある場所へと向かった。
帝都の一角にあるその建物は教会であり、孤児院でもある。
一つ言っておくなら、レナート帝国は孤児に対して辛辣な国だ。
孤児院などに税金を回さないし、そもそも孤児たちの世話をする孤児院を金の無駄遣いとして作らない。
では何故帝都に孤児院が存在するのか。
答えは決まっている。この世知辛い帝都で孤児たちの世話を焼きたがる変わり者がいるからだ。
俺は孤児院のドアをノックし、中から人が出てくるのを待った。
ノックしてすぐ「はーい」と物腰柔らかな女性の声が聞こえてくる。
「どちらさまで――まあっ!! ティオさん!!」
ドアの向こう側から出てきたのは、アヴィアやナディア、カレンにも負けず劣らずの美女だった。
プラチナブロンドの髪はふくらはぎまで届きそうなほど長い。
その瞳は黒い布に覆われていて見えないが、月の如く黄金に輝いていることを俺は知っている。
肌は色白でスタイルが抜群だった。
長身で脚が長く、腰がキュッと細く締まっており、肉感的な大きなお尻とムチムチの太ももの破壊力は半端ない。
その身長は180センチを優に越えており、2メートル近くあるのではないだろうか。
清楚さを全面に出したシスター服が素晴らしい。
何より素晴らしいのは、夏場の大玉スイカよりも更に大きいであろうおっぱいだ。
このおっぱいこそ、俺をおっぱい狂いにした悪いおっぱいである。
「お久しぶりです、アルネリア」
彼女の名前はアルネリア。
教会を管理するシスターであり、孤児院の院長である。
そして、両親を失って路頭に迷っていた俺を保護した変わり者でもある。
「エルフ、か?」
カレンがアルネリアの特徴的な長い耳を見て呟くように言った。
しかし、アルネリアは首を横に振る。
「ブッブー、ですよ。私はエルフじゃなくてハイエルフなの」
「ハイエルフ!?」
「うふふ、黄金の瞳はハイエルフの証なの。覚えておいてね」
そう言って両目を覆っている布をずらし、瞳を見せてくるアルネリア。
ハイエルフというのは、エルフにとっての王族のようなもの。
いや、もう信仰対象と言っても過言ではない。
そのハイエルフが帝都の一角にある教会で孤児院を運営しているのだ。
アヴィアとナディアはピンと来ていないようだが、ハイエルフの存在を知っているカレンは目を瞬かせて驚いた。
「いや、待て。ハイエルフで冒険者で、孤児院を運営している人物――まさか貴女は、『
「あら、その呼び方は恥ずかしいわぁ」
『戦母神』。
その英雄の名前を知らない者はきっとレナート帝国のどこを探してもいないだろう。
五十年前。
帝国がまだ小さな国だった頃、隣接する国が攻めてきたことがある。
大国の支援を受けて強大な軍事力を得た隣国に当時の帝国はあっさり負けてしまった。
敵軍が帝都まで迫った、まさにその時。
戦場に乱入して敵軍を瞬く間に蹴散らして、帝国軍全体に治癒魔法を施して一瞬で戦線復帰させた戦場の女神。
それがアルネリアだった。
カレンはヒーローでも見るかのように目を輝かせてアルネリアを見る。
「お、お会いできて光栄です!! まさか帝都にいらっしゃったとは!!」
「うふふ、政治に利用されそうだったから行方を眩ませて最近戻ってきたの。二十年くらい前から帝都で暮らしているのよ」
二十年前を最近と言ってしまえるハイエルフクオリティ。
「それで今日はどうしたのかしら、ティオさん。何か困り事?」
「事情を話しますよ。取り敢えず、中に入っていいですか?」
「あら、わざわざ聞かなくてもいいのよ。ここは貴方のお家なんだから」
孤児院の中に入り、俺は諸々の事情をアルネリアに説明する。
すると、アルネリアはこくりと頷いた。
「分かったわ。そういうことなら、私の所属している冒険者パーティー『女神の抱擁』の名前を使って」
「め、『女神の抱擁』、実在していたのか!!」
「うふふ、メンバーも全員健在よ。しっかり冒険者登録もされてるわ。皆ふらっといなくなるから、どこにいるかは分からないけど」
『女神の抱擁』はアルネリアが所属している冒険者パーティーだ。
『戦母神』の他にも『剣神』と『大魔女』の二人がいる。
冒険者にとっては半ば伝説のパーティーだ。
「し、しかし、本当によろしいのですか?」
「あら、どういう意味かしら?」
「いえ、その、他の『女神の抱擁』の方々に許可も取らないで大丈夫なのでしょうか?」
「うふふ、全然大丈夫よ。だって――」
カレンが申し訳なさそうな言うと、アルネリアはさらっとこう言った。
「愛しのご主人様たってのお願いですから♡」
「……え?」
カレンの顔が面白いことになる。
驚愕と困惑、その他にも色々な感情がごちゃ混ぜになってフリーズしていた。
十数秒後に再起動したカレンが俺に迫ってくる。
「どどどどどどういうことだ、ティオ殿!?」
「いやあ、ちょっと前にアルネリアが大きな怪我をして孤児院の運営に必要な資金を確保できなくなった時があってさ。その時に、ね? 援助を条件に、ね? あとは分かるでしょ?」
「分かるでしょ、じゃない!! 貴殿は帝国を救った伝説の英雄に何をしておるのだ!!」
「その時はそういうの知らなかったんだよ。初恋の女を手に入れるチャンスだと思って必死だったんだ」
「あの時のティオさん、とても素敵だったわあ。十三歳の子供とは思えないくらいカッコよくて、もう私も年増なのにキュンキュンしちゃって」
英雄の末路に発狂するカレン、俺との思い出を嬉しそうに語るアルネリア。
すると、更に場を混沌とさせる一言をナディアが躊躇わず放った。
「アルネリア。私はナディア。ティオさまの忠実な性奴隷。――貴女には、負けない」
「あら……」
「ティオさまの一番はナディアとアヴィア姉さまがなる。アヴィア姉さまもそう思いますよね?」
「こ、こら、ナディア。す、すみません」
ナディアからアルネリアへの宣戦布告。
勝手に宣戦布告されてしまったアヴィアは焦りに焦るが、アルネリアが更なる混沌発言をした。
「貴女、可愛いわね」
「……ん?」
「ナディアちゃん、もしよかったら私のこと『ママ』って呼んでくれないかしら?」
『戦母神』の母神たる所以を、発揮したのだ。
―――――――――――――――――――
あとがき
どうでもいい小話
作者「ははは、まともなヒロインかと思ったかね? 残念!! 性奴隷暴露と突然のママ宣言!!」
テ「二重の爆弾……っ!!」
「目隠し爆乳シスター性奴隷ママは最高」「ママ好き」「二重どころじゃなくない?」と思った方は、感想、ブックマーク、★評価、レビューをよろしくお願いします。
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