第29話 空の世界へ

レベル上げを続けて25になる。魔物を九体仲間にできるようになった。食事をしながらアリーと話し合いをする。


「そろそろ空の世界へ行ってもいい頃か」


空を飛べないと入れない地域。世界各地にいくつかある。この近くにもあり適正レベルになったので行ってみようということに。装備を整えいざ空の世界へ。山に引っかかるように浮いている雲が見えてきた。普通の雲より白の色が濃いな。情報ではこの上に空の世界があるということだが。ジェットを操り高く飛び上がる。雲の上に出て下を見ると白く平たい土地の上に街が作られていた。雲の上に降り立つ、土のように固い雲だ。特殊な素材、雲土を用いることで浮いて固い特殊な物体を生成できる。面白い使い方として二階建ての家を建てて二階部の横に伸ばしていくことが可能。水が流れる音が聞こえた、小さいが川がある、最終的に雲へと吸い込まれていく川。空の世界ならではの光景だ。


「ようこそ空の街へ。楽しんでいってくれ」


ジェットをボックスに入れ街に入る。空飛ぶ馬車が俺達を追い越していく。海と同じ様に一般人でも来ることが可能。馬車を引くのは翼の生えた馬の魔物。海よりも行きやすいこともあり空の観光はかなりの人気。馬車もデコレーションを凝らすなど各社の競争が激しい。雲土を使った建物が立ち並ぶ。浮いている建物が多い、道もだ。その下は雲土を柔らかく加工したクッションになっている。落ちても安心、そこまで高さもない。空の上だが井戸がある、雲の中に水が貯まるのだろう。街の協会で魔物の情報を得る。仲間にしたい魔物を見つけ目的の場所へ向かった。


「不思議な光景だね」


空の世界は海と同じ様にかなり特殊。風になびく草を見つける。海と同じ様に道路の役割を果たしている。


「こいつは浮き草。空中に根付いているとかよくわからない草だな」


浮いている草。もう説明を放棄するくらいファンタジー全開な野草。木や花も似たようなものがある。


「いたいた、エアリアルランナー」


見た目は伝説上の生物麒麟。空を走っている、文字通り四本の足で。非常に強い魔物で空適性では最強クラス。特徴は力と素早さ、空のフェーザーファミリアといえるだろう。交配的には被ってしまうから残念ではあるが。力力素早さとかはないんじゃないかな。となると交配しても強くならないかもね。それでも念の為情報を得て交配を試してみる。


「なるほど、そうきたか」


力が「強力」に、素早さが「高速」に変化、ステータスが今のレベルではありえない数字に。被った場合は特徴が強化されるのか。しかし今まで見たことがない現象だな、一応情報を得た魔物全種で交配は試しているが強化されたのはこの交配が初めてだ。かなり珍しい部類になるわけだ。そして空適性があるから空中戦も可能、かなり強い魔物になる。力と素早さが高いエアリアルランナーを仲間にし、シロを転生交配。シロに一本角が生えて、足元と肩腰、尾に白く炎のような体毛が追加。こ、これは、モフモフが増量したっ!! 思わず頬で擦り上げる。触り心地も相変わらずだ。エアリアルランナーを協会に渡しシロを連れ破獣がいる場所に移動。空を駆けるように空中を飛ぶシロ。初めての感覚に非常にテンションが上っている。あっちこっち走り回っている。初めてドッグランに来たワンちゃんみたいになってるな。空中なら走り放題だ、ああ、ぶつかるのだけは気をつけるんだぞ。破獣を発見、む、ヤツは結構強敵だったはず、気を引き締めていくぞ、と構えていると一瞬にして近づき破獣を噛みちぎるシロ。こりゃ強い! しかももふもふ! 空中でモフモフをしながらアリーの仲間探しを。円盤形の奇妙な魔物をみつけた。


「クラヴィアゴーレム発見」


空飛ぶゴーレム、口元は鍵盤になっていてピアノのように音楽を奏でることができる。これで二人共空PTを組めたかな。俺は物理、アリーは魔法。街に戻り休み、次の日から他魔物の情報入手を。


「ブレイドインセクト、彼と交配するとロックが空を飛ぶように」


街に帰ってからロックと交配させよう。近場は一通り情報入手、今回はこんなところか。軽く観光後食事。食べ物も特殊な物が多いな。景色がいい場所で食事をしていると花火が打ち上がった。


「キレーイ」


花火か、いいね日本を思い出す。ここが人気なのも頷ける。堪能し宿で一泊。素材のいくつかを採集、ブレイドインセクトを仲間にし拠点に帰る。宅配サービスから空土を受け取る。金属のはしごに取り付けるようにして小さな倉庫を作る。食料用の浮いている倉庫が完成、これでネズミやアリなどの被害から食べ物を守ることができる。交配できるようになり交配してブレイドウォーカーが産まれる。石の翼が生え空を飛べるように。空はシロ、ロック、ジェットで揃ったといえる。これから空の世界の攻略がはかどりそうだ。

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