第10話 うん◯最強伝説

来る日も戦いを続けレベル8に。シロとロックもレベルが上がり強くなった。


「三体使役できるようになりました」


最大の三体まで到達。まだ交配まで時間があるな、そうだ、塩が欲しかったところだ、無人島で作った分が残り少ない。ここから海まで結構近い、作っておきたいな。協会に相談すると港町で塩作りを許可された。街に移動し大量に塩を生産して拠点に帰ってきた。三十日経過、交配が使えるように。もう一体戦闘用の魔物を仲間にしよう。情報をもとに魔物を探す。途中破獣を退治しながら探していた魔物を発見。


「スパイクシューター、人間の背丈くらいの木の魔物。自分の木のトゲを、肩に乗せている砲台で発射する」


遠距離攻撃型の魔物、特徴は命中、射撃アップの壊れ性能、しかも回復持ち。ゲームでも強い魔物。これでバランスが良く強いPTが組めるな。厄介な部分があり、彼らは個々で縄張りを持っているため、ステータスを選別する場合は探し回ることになる。よしよし、お目当てのステを持っている魔物を見つけた。彼らを仲間にするには的当て勝負に勝つ必要がある。的を作っていざ勝負。やはり強敵だった、59回目にしてようやく勝利、スパイクシューターが仲間になった。拠点に戻り交配を試す。シロとは合わないな、射撃アップが付いたが戦技と通常技が近距離だ。ロックはどうだろう。


「石の糞」


うん、いつもの。この交配もハズレかな。


「!? いや、強いぞ」


戦技が大きく変わった、木のトゲではなく石の糞を射出する技に変化。その技の攻撃力がかなり高い、ハズレどころか大当たりかも。しかも見た目がウッドシューターとそこまで変わらない。新種を連れて歩くと色々面倒なところはある。よし、交配しよう、二体を隣に置き交配を。オゴォッ! 口から卵を発射、ここは慣れないな。卵が大きくなり中からストーンシューターが現れた。


「今日からお前はシューターだ」

「ササー!」


葉がこすれたような鳴き声を発するシューター。威力を試してみよう、木に厚めの的を取り付ける。


「石弾砲!」

「ワサッ!」


石の糞が充填され肩の砲から発射、的を貫き木の真ん中くらいまでめり込む。こいつは強い、まだレベル1なのに凄まじい威力だ。


「強い! うんこが強い!」

「ワサー!」


照れるシューター。ウッドシューターは協会に渡しシューターを連れ軽くレベル上げ。通常攻撃は木の葉刃、鋭い葉が破獣を襲う。苦戦したスピンバードに挑戦。試しに石弾砲で攻撃、命中するとあまりの威力に破獣は爆死。とにかく高威力射撃攻撃、強敵戦の奥の手として使えるな。今度は木の葉の刃、こちらも一発で命中、難なく撃破。凄まじい命中率、今後は戦闘してもよさそうだ。ある程度レベルを上げ、拠点に戻りスカイスイマーを焚き火で焼いていると、協会の人が俺のところへ。


「問題なく立ち回れているようだな、話は聞いていたがもう家まで建てたとは。ところで相談があるのだが」


長期間魔物使いが街にいなかったため魔物の補充ができなかった。本来は自由にやらせる期間なのだが何体か魔物を協会に譲って欲しいとか。魔物使いとして動けそうということで仕事の依頼が俺のところに。リストを見る、フォースバード四体か。四足歩行の珍しい見た目の鳥。特徴はなく戦闘能力も低いがクセがなく人懐っこいところから一般人に人気。ゲームのNPC達には一番人気の魔物。フェザーファミリアも人気ではあるが、大量の毛が抜けるという弱点があるため、この部分が差となっているようだ。


「わかりました」

「助かる。これはフォースバードのビーストボックスだ有効に活用してくれ」


現在三体まで使役できる。仲間にする場合は、事前に自分の仲間をビーストボックスに入れておくか仲間にする魔物のビーストボックスを用意しておく必要がある。食料は十日分か、余裕があるな。ここからそんなに遠くない位置にいる。ササッと仕事を済ませてしまおう。ちなみに一種一体のみのため、フォースバード四体を一気に仲間にということはできない。四往復する必要がある。途中魔物のフラワーフルートの生息域を通るな。情報だけでも取得しておくか。破獣を倒しながら魔物の生息域へ。進んでいくと笛の音が聞こえてきた。これはフラワーフルートの演奏かな。花が笛になっていて演奏できるという不思議な体を持つ魔物。邪魔をしないようにとそっと覗く。


「ラ~ラ~」


そこにはフラワーフルート達とその中心に一緒に歌っている女の子が。褐色の肌に長い耳、ダークエルフかな。この世界には獣人やファンタジーで有名な人種が多数暮らしている。ダークエルフも珍しくはない。


「そのままにしてあげたいが」


楽しげな演奏会だが、よろしくない。一般人は森に入ってはいけない。しかもここは周りに破獣がいる地域。ということは他から来た魔物使いという可能性があるかも? 街の人達がよく着ている服だから魔物使いには見えないけれど。確認してみよう、演奏会の中に入っていく。


「君は街の子かい?」

「!?」


声を掛けると驚きその場から走って逃げていってしまった。待ってと声を掛けるが怒られると思ったのかそのまま走っていく。おっとまずい、破獣に襲われないように護衛しないと。それにしても逃げ足が早い、地形を把握したような的確なライン取り、慣れてそうな足取りだな、常習犯か? 周りを警戒しながら移動してるのもありなかなか追いつけない。運良く破獣とは鉢合わせなかった、そのまま女の子は街に入っていく、ここで見失ってしまった。無事ならいいけど常習犯なら心配だな。衛兵さんの話しておくか。


「アリーか。たまに森に入っていってしまうんだ」

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