第9話 甘えん坊

ということはこの子は解除してシロを育てて特徴が三つとも使える相性がいい魔物をみつけ転生、がいいか。よし、今回は解除して協会に連れて行こう。おっと、次回交配はいつかな、画面を見る。


「三十日後か」


強力な能力だから当然制限があるわけだ、いつでもできてしまったら魔物で溢れてしまうからな。解除してロックウォーカーに、シロとロックを拠点に待機させ協会へ。


「はい、こちらでお預かりします」


最後に抱きしめる、いい子にするんだぞ、任せておけといった返事をする。それから破獣の石を精算。受付の人は黒の石を受け取るとバーコードのような機材を使い石に光を当る。すると機械が反応しスモールホーンと名前が表示された。


「こちらは討伐報酬です」


お金を手に入れる。皮と角も売った、肉は食料として残しておく。そろそろお昼、食事の準備をしよう。森にあるスパイスとハーブを採集、石ですりつぶして肉に塗りつけ焼く。スモールホーンの丸焼きの完成。うまいね、ちょっと肉が固いけど前に食べた野ウザギよりも美味しい。シロとロックがすりよってくる、二体にはどんぐりパンを渡す。二体は草食、またパンを大量に作っておくか。森の草だけでも本来は足りるのだけど、かわいいからおねだりされるとついついあげちゃうんだよね。その日はパン作りに専念、夜は皆と一緒に美味しくどんぐりパンを食べる。翌日。


「どれから手を付けようか」


土器とかまどが欲しい、ベッドも欲しいな、シロもベッドが欲しそうだ。それから雨風をしのげる家を作ろう。粘土の情報は手に入れてある。家を建てるほどの粘土となるとかなりの量が必要だ、一気に運べるようにしたいところ、そこでソリを作成することに。石斧を作り木を伐採、ポイントを使いソリを開放、加工してソリを作った。二体に運んでもらおう、もう一つ作成。木材を削りスコップを作る。粘土層に移動、スコップを使い粘土をソリに乗せていく。積み終わったら拠点への繰り返し。今日はかまどと土器だけだから少なめでいいな、ある程度運んだところで粘土運びは終了。ここからは俺一人で、ご苦労さまと二体を洗った後に森に開放。土器を作りかまどを作る、それからベッドも、全て無人島と同じ物。草鍋など無人島にあったものはこちらの森にもあった。食料に関しては破獣を狩っていれば肉が手に入るから困らないだろう。次の日、今日は大量に粘土を運ぶ、今度は日干しレンガの作成。ある程度足で練って木で作った枠にはめ生成、出来上がった物は天日干し、これを繰り返す。三日目もレンガ造り。四日目は穴を掘りそこに乾燥した日干しレンガを置き、モルタル代わりの粘土を塗りつけレンガを重ね置く。作業を繰り返し外壁を作っていく。八日目、ここから高所作業。はしごを作り落ちないよう気をつけながら作業する。十二日目、外壁が完成。木枠を作り上に乗せる。その上に日干しレンガを乗せ、粘土を塗りつけそのまま平らに仕上げていく。瓦は大変だから屋根はなし。作業すること十五日。


「できたー!」


ついに家が完成、皆が入って寝てもまだまだ余裕がある。時間がかかったな、いや、むしろ早いか。


「ガウッ!」

「ん? ああわかったよ」


シロは甘えん坊だけど忙しそうにしてたから遠慮していたようだ。ワッシャワッシャと毛をモフる。満足げなシロ。


「カチン! カチン!」

「ん? ああわかったよ」


ロックも甘えん坊だ。いいぞ、皆まとめてかかってこい! 一緒に食事をし一緒に眠る。一夜明け、家ができたしこれからはレベル上げをしよう。8になれば三体使役できるようになる。


「ポーションを作っておこう」


怪我をしても即治せる便利なアイテム。ただ回復量は少ないため強敵との戦いではジリ貧になる。付近の破獣と戦うくらいなら十分。薬草を集め鍋に入れ煮詰めて完成。上澄みの青色部分をすくって草鍋の水筒にいれる。シロとロックを連れ破獣退治に。いつもより強い破獣と戦おう、基本的に強いほど取得経験値が多い。森を彷徨っていると破獣が現れる、牙が生えている空を飛ぶ魚スカイスイマー。ロックに噛みつくがダメージなし、俺とシロの攻撃で難なく撃破。姿通り魚として食すことができる、陸に上がっているからか味は肉に近い。


「お次は高速で飛ぶ破獣か」


鳥に似た破獣スピンバードが出現。ドリルのようなくちばしが突いていて自ら回転しながら突っ込んでくる豪快な破獣。予想外に苦戦する。飛び回り小さいため狙いをつけづらい。シロの攻撃もかわす厄介な相手。運良く俺の槍がカスッて動きが鈍くなったところをシロがトドメ。


「やった!」


鶏肉の代用としてよく使われる。しかしこいつとは戦うのはやめておこうかな。その後何度か戦闘すると槍が壊れてしまった。当然ながら武器は壊れることがある。特に初期の頃の武器は素材が脆いため壊れやすい。しかし直すのも簡単、落ちている木の棒に尖った石をくっつけるだけ。店で買っていたらお金がいくらあっても足りない。そのため魔物使いはできる限り自分で作っていくことが大事。その場で修理が可能なのも強み。

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