その2:ナースセンターの夜
「終わったぁ~」
「お疲れ、優美。とりあえずご飯にしよう」
一通りの事が終わって、ナースセンターに戻って来た優美は椅子に座って大きく息を吐く。
そこへペットボトルのお茶を差し出す同僚の
優美はそれを受け取ってお礼を言う。
「ありがとう~。はぁ~夜勤明けが緊急招集なんだもんね~」
「あ、そうか。優美は本来シフト外れてたんだよね? じゃあ、彼氏とは??」
「先日別れた~。あーもう、この仕事してると時間の融通利かないんだもん!」
言いながらペットボトルのお茶を一口飲む。
それを見ながら蓮華もため息を吐く。
「仕方なわよ、この仕事はね。でもまぁ、また分かれたか」
「だって、彼ったらやりたい時に私が相手できないから、いつの間にか他に女作ってるんだもん!」
「はぁ~それはねぇ~」
言いながらコンビニ弁当をレンジで温める。
優美の分も一緒に温めて二人して夕食のコンビニ弁当を食べ始める。
「大体にして、これだけ献身的にしてあげてるんだから少しくらいは我慢して欲しいわよね!?」
「とは言え、男はねぇ~。定期的に抜いてあげないとすぐに他に女作っちゃうからね~」
既に面会時間も終り、夕食なども一通り終わり検診も終わったのであたとは確認して消灯すれば病棟は終わりだ。
その後にパソコンにデーター記入等の雑務は残っているが、それはおいおいすればいい。
今は蓮華と愚痴の言い合いがしたい気分だった。
「抜くと言えば、今日遼河君がね~」
「なになに? あの子だいぶ回復したわよね? 抜くってもしかして優美////////」
コンビニ弁当を食べ終わる頃には話が猥談になり始める。
ナースセンターで話される話の実に三割くらいはこう言った猥談だ。
なにせ、大学病院ともなると比較的若い看護婦が多い。
そして患者の裸や下の処理等普通にやるのでこう言った話は事欠かさない。
「もしかしてしちゃったの?」
「まさか! 手だけよ手だけ。あ、でもすっごく感謝されちゃった♡」
「若い子はねぇ~。そう言えば
「マジ!? えー、山本さんてあのイケメンでしょ? 来週にも退院だったわよねぇ~」
「だから玲奈のやつ、既成事実を作りに行ったみたい。山本さんって事業家なんでしょ? しかも独身で彼女いないって言ったわよね? 私も狙ってたんだけどなぁ~」
彼女たちの話はどんどんエスカレートしていく。
「じゃぁさ、301号室の鮫島さんは?」
「あーパス。好みじゃないのよね~。私が行くとしょちゅうお尻触って来るし~」
「あーやっぱり。私もお尻触られた~」
「しかもこっちがしたい時に触って来るから、狙われてるのかな?」
「ん~、そう言う時ってついついこっちからのスキンシップ増えてるからなぁ~。私は彼がいたから仕事終わったらそのまま彼の所行って襲っちゃってたけど」
「やっぱ優美も襲う派かぁ~。看護婦しているとストレス発散もかねて激しくしちゃうから、男に任せておけないよね?」
「そうそう、だから遼河君なんかすごく新鮮で~。あんなに簡単に手で出しちゃうんだもん、驚きだよね?」
「若いからなぁ~。って優美まさか遼河君食べるつもり?」
「ん~、流石にそれはねぇ~。でも口までなら良いかな?」
「あんた何人その口で食べた(笑)?」
「上の口、下の口?」
「知らないわよ(笑)! でも若い子も良いなぁ~。付き合うとかじゃなくて処理してあげるくらいのサービス、私もしてあげようかな??」
「え~、遼河君は私専属よ~?」
「いいじゃん、ちょっと味見よ、味見♡」
とても白衣の天使の言葉には聞こえないが、事実看護婦なんて仕事しているとストレスも何も溜まって来るので、発散する時は激しくなってしまう。
そしてそのストレス発散は時に患者ですら被害者になる。
もっとも、たいていの患者は食べられる事に肯定的だが。
こうして誰もいない時間帯のナースセンターは猥談で盛り上がってゆくのだった。
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