看護婦の、な・い・し・ょ♡

さいとう みさき

その1:看護婦さんのお仕事

「急患です! 通してください!!」


「先生、交通事故です。意識不明、心拍、血圧共に低下。救急医療班の対応で止血は出来てますが、内臓に損傷を認められたそうです!!」


「すみません、先生は急患でこれから緊急オペです! 午後の予約変わってもらえますか?」


 ここはとある国立大学病院。

 この近辺では一番大きな病院の為、救急車などの駆け込みは日常茶飯事だ。

 そこで働く看護婦、彼女たちは日夜ハードなお仕事に邁進している。


「すみません、シフト緊急で替えてください! 先生のオペ手伝いに数人入ります!!」


 ナースセンターではそれを聞きとりすぐにシフトの編成を変える。

 もちろん非番だった看護婦にも連絡は行くので、アパートで寝ている優美ゆうみも携帯電話でたたき起こされる。


「ううぅ~ん、夜勤明けだってのに何よぉ~」


 のっそりと起き上がり携帯電を見ていやな顔をする。

 大体緊急通知の電話が来る時は応援要請なのだから。

 優美は仕方なく電話に出ると、案の定シフト変更の通知だった。


「はいはい、急患ですね? 分かりました。今から準備して出ますんで午後一には入れます」


 そう言って電話を切ってから大きく伸びをする。

 優美は寝ぼけた頭をしゃっきりする為に下着のまま洗面所に向かうのだった。



 * * * * *



「お疲れ! 午後の検診からお願い!」


「はい、分かりました」



 ナースセンターのチーフから指示をもらい、入院患者さんの検診を始める。

 本来シフトで入っているはずの看護婦はみんな緊急手術で数人が手術室に行ったきりだ。

 優美はカートに必要な物を準備して病棟へと向かう。



「さてとまずは…… ああ、あの子の所か。だいぶ回復して来たもんね」

 

 そう言いながら個室で寝ている男の子の所へ来る。


「検診です」


 そう言って中に入ると高校生くらいの男の子がベッドに寝かされていた。

 全身ギプスに包まれて身動きがほとんどできない。

 とは言え、だいぶ回復したので話をしたりは出来る。


遼河りょうが君、具合はどう?」


「あ、優美さんですか…… うわぁ~どうしようかなぁ////////」


 そう言ってその患者は顔を赤くする。

 不思議に思って優美は彼に聞く。


「どうしたの?」


「いやあの、その、おしっこしたくて////////」


 全身ギプスで動けない彼は下の世話もしてもらう必要がある。

 しかし高校生くらいの少年には看護師の中でも美人で知られる優美に下の世話をしてもらうのは恥ずかしい。

 だが優美はあきれ顔で言う。


「だめよ、おしっこ我慢しちゃ。手伝ってあげるから、おしっこしちゃいましょう」


 そう言って尿瓶を取り出し遼河の股間をまさぐる。


「あ、ちょっと優美さん!」


 しかし引っ張り出したモノがパオーンしてしまう。

 それを見て優美は苦笑する。


「まぁ、若いから仕方ないわよ。でもこれじゃおしっこできないわね……」


 そう言って尿瓶に入れようとしてもやはり若いだけあって難しい。

 しばしそれを握っていて優美は考える。

 この後もまだまだ検診する患者さんはいる。

 ここで時間を長々と掛けていたら今度は夕食の配布の手伝いが間に合わない。


 ちらりと遼河の顔を見ると真っ赤になっている。

 思わず可愛いと思ってしまった。

 そして、看護婦特有の母性本能が沸き上がる。


「えっと、遼河君本当はこう言う事いけないんだけど、スッキリしちゃおうか? 大丈夫、痛くはしないからね~ みんなには内緒よ♡」


「はい?」


 そう言って優美は彼をスッキリとさせるのだった。



 * * *



「ふう、若い子ってやっぱりいいわね♡」



 ニコニコ顔の優美はそう言いながら次の患者さんの所へ行くのだった。

 

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