2-4
『やはりNAGIAなんかに行かせるんじゃなかった』
宇野真希葉は渋い顔で、廊下の壁に向かって体を小さくし、プライベート用のモバイルで電話をしていた。
朝一番で父親からかかってきたのだ。
歳を取ってからようやくできたひとり娘なので、やや過保護である。
『まさか、こんな仕事をすることになるなんて』
「私が適任だったんだよ」
『今からでも降りることはできないのか。言えないなら私が……』
「絶対やめて」
『しかし』
「お父さん、私は大丈夫だから。もう切るよ。会議があるから」
モバイルから顔を離しかけたとき、父親が素早く言った。
『アストルムシリーズとはもう顔を合わせたのか』
「仕事の内容は話せないよ」
それだけ言って、今度こそ通話を切った。
会議室に戻る。
「失礼しました」
特に誰も宇野真希葉には注目していなかった。
各部署から〈A7対策チーム〉担当者が集まっているが、宇野真希葉と今井以外は、おじさんばかりだ。
隅のほうにはエンゲルブレヒトが座っている。
自席に戻ると、隣の席の今井が、宇野真希葉が離席していたあいだの内容を簡単に記したメモを寄越した。
これに目を通していると、観測局の中俣丙二等官が立ち上がった。
「えー、それでは続いて、未確認ウラグ、暫定呼称〈アギト〉についてですが」
正面のスクリーンに、昨夜の作戦中の画像が映し出された。
強い補正がかかっており、やや粗いが、何が写っているかははっきりわかる。
立体駐車場の中で対峙する、アストルム5・ベガと黒い樹のウラグ。
「尖兵型とは似ても似つかず、これまでに例のない姿をしています。今も精査を続けているところですが、現時点でわかっていることとして、アリスティド放射光の波形が、特別指定媒棲新生物第2号、ナヅキと酷似しているということが挙げられます」
スクリーンに、ふたつの波形を比較した画像が映し出される。
「アイラスは、アギトはナヅキの出芽体ではないかと推測しています。露尾した姿が黒い樹のようであるところからも、その可能性は高いと考えます。えー、また、周囲に配備していたラミナの観測によると、マッキベンスケールが瞬間的にですが一万を超えており、場合によっては〈第二種〉相当の個体になることも考えられます」
おじさんのひとりが訊いた。
「出芽体とは? 初めて聞くが」
「非常に大雑把に言うと、分身、みたいなものです。三樹は特定の場所に、文字通り根を張り、固定された状態にあります。しかし、これまでに何度か、本体から離れて自律して行動する何かがある、と仮定しなければ説明できない事象が観測されており、前々からその存在は指摘されていました」
分身? と、おじさんたちは顔を見合わせた。
「三樹がその気になれば分身を生み出せるということか?」
「三樹が現出してから十四年のあいだに、はっきりとした形で観測されなかったことを踏まえますと、出芽体を生み出すのはそう簡単なことではない、もしくは、それほどメリットのあることではないと考えられます」
「ではなぜ今回現れた?」
「やはりリゲルかと」
スクリーンに、今度は、リゲルの顔が映し出される。
まだNAGIAにいた頃に撮られたらしい、ぶすっとした真正面からの顔だ。
ベガと瓜二つの顔をしている。
「アギトの行動を見ますと、リゲルを銃撃していたSAKaU隊員を襲い、ベガを襲って拘束し、リゲルを現場から離脱させ――と、リゲルの支援に一貫しています」
「リゲルと手を組んだということか?」
「えー、そこまではなんとも」
「困りましたね」
エンゲルブレヒトが突然口を挟んだ。
「リゲル一体だけでもずいぶん手こずらされているというのに、さらに未知のウラグまで現れて、NAGIA日本はこれからどうなさるおつもりですか? この先の方針をぜひ今ここでうかがっておきたい。ベガを投入する以上の策があると信じてよろしいですか?」
会議室は水を打ったように静まり返った。
〈A7対策チーム〉チーフとして、ここは黙っているというわけにはいかない。
宇野真希葉はエンゲルブレヒトのほうを見ないまま言った。
「もちろんです。我々の手札はベガだけではない」
「あなた方だけでなんとかできる、と、まだ、そう思っていていいのですね?」
「はい。ウンブラが介入する必要はありません」
そう言って、エンゲルブレヒトのほうを見やる。
「それ以前に、まだできることがあるはずです。我々にも、あなた方ウンブラにも」
「ウンブラは常に最善を尽くしていますよ」
「……」
宇野真希葉にはずっと言いたいことがあった。
おそらく、自分しか言う者はいない。言える者もいないだろう。ならば言ったれ、と思った。どうせ捨て駒と思われているのだ。
「信太陽子甲一等官はどこにいるんです」
会議室内がピリッとした。
あえて空気を読まず、宇野真希葉は一息に言った。
「リゲルが、なぜ、SAKaUに追い回される危険を冒して、何度もNAGIA関連施設に姿を見せるか、理由はご存じのはずです――信太陽子をさがしているからです! 信太陽子に会わせると言えば、リゲルは大人しく従う可能性が高い。我々はウンブラへの報告書にもそのように記しているはずですが」
いい大人たちが静まり返る中、エンゲルブレヒトは平静に言った。
「信太陽子を差し出せということですか」
「囮になれとまでは言いません。ですが、リゲル捕獲に協力する筋合いはあるかと思います。協力もしない姿も見せないというのは無責任すぎると思いませんか? そもそも、〈アストルム廃棄スキーム〉を発動したのは信太陽子であり、アストルムシリーズを生み出したのも信太陽子なんですよ」
「私も信太陽子がどこにいるかはわからないのです」
「そんなことがありますか?」
「信太陽子はウンブラの中でも重要人物です。所在を知る人間は限られています。私の立場ではとてもではありませんが知るすべはありません。わかるでしょう、あのアストルムシリーズを生み出した彼女の技術力。悪意ある者に――いえ、悪意がなかったとしても、軽々に利用されるわけにはいかないのです。そんな彼女が、アストルムシリーズの造出に乗り出したのは、持てる者の責務を果たそうとしたからなのです」
「だったらケツも自分で拭くべきでは?」
柘植がいよいよ青褪めてきた。
他の者は固唾を呑んで成り行きを見守っている。
エンゲルブレヒトは首を傾けてククと喉を鳴らすと、立ち上がった。
「次の作戦にもお邪魔することになります。今回はお疲れ様でした」
そう言うと、後ろ暗いことなど何もないと言わんばかりに颯爽とした足取りで、会議室を出て行ってしまった。
空気がぎこちないながらもようやく弛む。
柘植が冷ややかに宇野真希葉を見た。
その目に、あなた方が言わないから私が言ったんだ、と心の中で小さく反発する。
隣に座る今井を見ると、彼女は顔を引き攣らせて固まっていた。
そんな補佐役に向かって、苦笑いしてみせる。
「言い過ぎたかな」
「いいえ。全面的に同意します。よく言ってくださったと思っています」
そう言ったのは機動部隊長の折田乙三等官である。
NAGIA日本本部に配備されたSAKaU全分隊をまとめる立場にある。
最前線に立ってリゲルとやり合うのは彼らだ。
「アストルムに伏せなくてはいけない情報があるのは全隊員が理解していますし、そのうえで、任務には全力を尽くします。仕事ですから。しかし、特権的地位のひとりのために捨て駒のように扱われるのは納得できません。隊員の士気にも関わります。
はっきり言って、信太甲一等官に対するウンブラ財団の態度は不可解です。どれだけ重要な人物か知らないが――いえ、たとえそうだとしても、度を越しています。〈A7対策チーム〉の前のチーフも、前の前のチーフも、優秀な兵術官でした。詳細を伏せられたまま規格外の任務を任されて、使い捨てられていい人材ではなかった」
宇野真希葉は頷いてみせた。
顔には出さないが、内心ほっとしている。
やはり、味方してくれる者がいるのは有難い。
「SAKaUが全力を尽くしてくれていることはよくわかっています――リゲルと共にアギトに連れ去られて行方不明になった隊員ですが、やはりSiriusL09が破壊されたようで、位置情報が掴めません。しかし捜索は引き続き行なっていきます」
「お願いします」と折田は頭を下げた。
宇野真希葉は、SAKaU隊員二名を伴い、地下一階への階段を降りた。
SAKaU隊員には小銃をさげさせている。念のためだ。
NAGIAはベガに、本部地下一階に限って、自由に歩き回ることを許していた。身動きひとつ取れないくらいガチガチに拘束することもできるが、ベガがその気になれば拘束など無意味だ。もちろん、ベガが暴れたりすればBxパックを起動させることになるが、しかしそれはNAGIAにとっても最終手段である。だから、本人が希望するなら本部内をうろうろするくらいのことは許されていた。
なにより、ベガは大人しかった。
こちらの言うことは基本的になんでも素直にきく。
これまで問題を起こしたことはない。
ベガは休憩スペースにいた。日勤職員の出勤前なのでまだ消灯されており、自動販売機と、つけっ放しのテレビだけが明るい。画面の中ではカラビンカが歌っていた。〈煤〉の時代最高の歌姫。気怠げなのに涼やかな、雲母のように薄く剥離していく声。赤銅色の肌にミルキーホワイトのドレスが映える。新曲だろうか。ベガはこれを見るでもなく見ていた。ミネラルウォーターのペットボトルを手に、ソファで膝を抱えていた。
作戦開始時に着ていた訓練服は、露尾した際に破れてしまっている。いま着ているのは新しいやつだ。
だが、なぜか裸足だった。回収班が靴を持っていくのを忘れたのだろうか。
宇野真希葉はベガのそばに立った。
「〈A7対策チーム〉チーフ、宇野乙三等官だ」
ベガは目線だけ寄越した。
右目は爛れた瞼で塞がっている。
一方、左目の虹彩は複雑な色をしていて、綺麗だ。
Bxパックなんてなければ、きっと右目も綺麗に見えていただろうに……
「なぜ
ベガは感情を見せないまま答えた。「露尾するだけで充分だと思って」
「リゲルが露尾する可能性もあった」
「しなかった。しないと思ってた」
「だがスフィアを使っただろう」
「ベイルを出すまでもない」
「逃げられているがな」
「邪魔が入ったからだ。それまではうまくいってた。見てたはずだ。あと一歩だった。あんなのが出るなんて聞いてない。あの樹みたいなやつはなんだ?」
「心当たりはないか」
「ない」
「やつについては現在精査中だ。何かわかれば報告する。暫定呼称はアギト。覚えておけ」
ベガはこくりと頷いた。
自分の膝を見つめながら、訊く。
「俺はまたリゲル捕獲に出されるか?」
「そうなる。近いうちに」
宇野真希葉は、それとなくベガの表情を窺いながら、訊いた。
「嫌か?」
「仕方ないことだ」
本当に素直だな。
不気味なくらいだ。裏がなければいいが。
宇野真希葉は踵を返して歩きだした。
「いつでも出られるようにしておけ」
「宇野チーフ」
背中に声をかけられ、宇野真希葉は振り返った。
ベガは顔を上げ、こちらをじっと見ていた。
「以前どこかで会ったか?」
ぞくりとした。なぜかはわからない。
宇野真希葉は平静を保ちながら応えた。
「私の顔は資料で見ているはずだ」
「実際に会ったのは」
「今が初めてだが?」
そうか、と言ってベガは黙った。
宇野真希葉はSAKaU隊員を伴ってその場を足早に離れた。
どこかで会ったような気がしたのだが。
ベガは去っていく宇野真希葉の背中を見ながら内心で首を傾げた。とはいえ、アストルムシリーズが会ったことのある人間は限られているし、その限られた人間の中であんな若い女は見たことがない。やはり気のせいかもしれない。
まあどうでもいいか。
ベガはソファから立ち上がると、ひと気のない廊下をぺたぺた歩きだした。
裸足だが特に気にしていない。
NAGIAがベガに地下一階を歩き回ることを許可しているのは、地下一階に見られて困るものがないからでもある。
NAGIA日本本部の建物は広い。
長い廊下を進んで、やがてエレベーターホールに辿り着く。
ベガは乗り場ドア上部のインジケータ―を見上げた。しばらく眺めていたが、ランプは動かなかった。まだ日勤職員が出勤してくる時間ではないのだ。
地下二階に行ければ……
各階にエレベーターホールは二箇所ある。それぞれに四基。エレベーターホールのすぐ脇に避難階段。防火区画には非常用エレベーターもあるはずだ。
それ以外に何か方法は――
気配を感じ、ハッと振り返った。
柱の陰から、ずんぐりした何かがこちらを見ていた。
おきあがりこぼしにヒョロッと手足が生えているような、オモチャじみたフォルムである。背丈は子供くらいで、ささやかな検診衣みたいなものを着けている。
「コンニチハ」
「……こんにちは」
思わず返事をしてしまった。
丸い頭。なだらかな肩。首や顎はほぼないようなものだ。目玉がきょろっと大きく、まばたきをしないので圧が強い。
あきらかに人間ではないのだが、人間のような仕草で柱の陰から出てくると、ガニ股気味にのこのこ近づいてきた。
「とうとう我らの出番ってわけなのだ」
「?」
「シゲル捕獲、また失敗したと聞いたのだ。何度目なのだ?」
シゲル?
「リゲルだヨ」
ずんぐりむっくりの後ろから、もう一体、まったく同じ姿をしたずんぐりむっくりが現れた――いや、まったく同じではない。二体目は、首にスカーフを巻いている。水彩画タッチの素敵なスカーフだ。
二体目はエレベーターホールの壁に背を預けると、座りこんでしまった。
ベガのそばまで来た一体目は、構わずしゃべり続けた。
「NAGIAってのはマジでヒトいないのだ? アタマをすげ替えまくった挙句にあんな小娘をチーフにしてるの笑ってしまうのだ。でもあの小娘、バカじゃないのだ。チーフに就いて真っ先におまえを投入したので」
「……」
「リゲル捕獲のためおまえを投入することに反対するやつもいたのだ。それをあの小娘が押し切ったのだ。我らの投入にもひと悶着あったらしいが、まあ未知のウラグが出てきたんならしょーがねーってところなのだ。というか、もっと早く決断すべきだったのだ。そうすりゃあこんなに長引かなかったのだ」
「おまえら誰だ」
ベガが尋ねても、ずんぐりむっくりはひとりで勝手にしゃべり続けた。
「NAGIAは、本当は我らをあまり表立った作戦では使いたくないのだ。だがおまえ、おまえ……えーっと、おまえは、バ、ビ……ビガ、ベ、ビ……」
「ベガだヨ」
二体目がさりげなく言うと、一体目は「カーッ」と手足をバタバタさせた。
「日本人につくられたくせに横文字の名前なんてしゃらくせえのだ! 我らみたいに漢字の名前つけるのだ。そういえば我らまだ名乗ってなかったのだ。我らのかっこいい名前を聞くのだ! 我は千々岩」と自分を指差し、続いて、二体目を指差した。「こいつは百々縄」
そして、ベガの後ろを指差した。
「そいつは九々庭」
ハッと振り返ると、三体目がいた。
千々岩と百々縄に気を取られて、ここまで近づいていたのに気づかなかった。
九々庭と呼ばれた三体目は「これ九々のかなあ?」と言いながら、ベガの手からペットボトルをむしり取った。
あっ……と思う間にペットボトルの蓋を取り、斜め掛けしているポシェットに大事そうに収めた。ボトルのほうはそのへんに投げ捨てた。
「これ九々のだぞ!」
そう言って抱きしめるポシェットの中には、どこからか拾ってきたのであろうペンやクリップなど細々したものが詰めこまれている。
返答に困っていると、千々岩が言った。
「未知のウラグが出てきて状況がまた読めなくなったことで、ベガを単体で事に当たらせることのリスクが高くなったのだ。廃棄が決まったとはいえ、信太陽子の成果物は自分たちの成果物も同然、と考えてる高慢ちきなウンブラからの圧力もあったかもなのだ。というわけで、この作戦はもはや、我らに頼るしかないところまで来てしまったのだ! NAGIAの最終手段にして、とっても賢いウラグ、特別指定媒棲新生物第7号、千々岩三兄弟とは我らのことなのだ!」
「……おまえらが?」
ウラグの中でも、特異な能力を持っていたり、マッキベンスケールが大きかったりするものを、〈特別指定媒棲新生物〉として特に認定するようになったのは、二〇〇六年からである。第1号が〈ボヘミアのエレギア〉、第2号が〈日本のナヅキ〉、第3号が〈南極のゲシュライ〉――そして現在、第8号まで存在する、ということは知っていたが、まさかこんなやつらとは。
その特別指定媒棲新生物になぜこうもダル絡みされないといけないのかよくわからないが、とりあえず、何者かは大体わかった。
「なぜNAGIAに協力してるんだ」
「我らは賢いので!」
「NAGIAはおまえらを信用したのか?」
「するわけないのだ」
千々岩は自分の検診衣をべろりとめくった。胸の真ん中に、乾電池くらいの大きさのプレートが埋まっていた。Bxパックだ。プレートの周囲の組織は爛れている。ベガの右顔面と同じように。
百々縄も九々庭も同じく埋められているに違いない。
「……それでいいのか?」
「モチロン。これは必要なことなのだ」
「?」
「今日はおまえの顔だけ見物に来たのでもう用はないのだ! バイバイ」
言うだけ言って千々岩はさっさと歩きだした。そのあとを百々縄と九々庭がついていく。こうして並んでいるのを見ると、三体は本当によく似ていた。百々縄がスカーフを、九々庭がポシェットを着けていなければ、見分けがつかない。
ベガは黙ってその背中を見つめた。
しばらく歩いたところで千々岩は「あ、ソウソウ」と立ち止まり、振り返った。
「あとで文句言われても面倒なので先に言っとくが、一月の〈アストルム廃棄スキーム〉でカピラを狙撃したのは我らなのだ」
百々縄が「カペラだヨ」と訂正する。
ベガは眉をひそめた。
その表情の変化を喜ぶように、千々岩の目がにゅんと歪んだ。
「〈廃棄スキーム〉が継続中だったなら、おまえも我らが〈煤〉に還してたのだ。カペラが狙撃されたことを知ったリゲルが大暴れして逃げだして、〈廃棄スキーム〉はハンパになってしまったけど、まあリゲルがそうするのは理解できるのだ。それにひきかえ、おまえはここで何やってるのだ? 廃棄されても文句ないってことなのだ?」
「……信太陽子がそれを望むなら」
「わはは! 健気なことなのだ」
千々岩はベガをぴしりと指差した。
「こう言っちゃなんだが、おまえらは本当に出来がいいのだ。信太陽子は悪魔的な天才なのだ。〈廃棄スキーム〉の発動さえなければ、ひょっとしてひょっとすると、おまえらなら〈煤の王〉に辿り着いたかもなのだ」
まあでも廃棄されることは決まってるので~! と言って千々岩は、わはは!と笑った。百々縄と九々庭もいっしょになって、わはは! わはは!と笑い、三体そろって、わはは!と笑いながら、ガニ股でのしのしと歩き去った。
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