静寂と廃墟、そして君との約束。終わった世界で見つける、青春の輝き

人類の栄華が過去のものとなり、200年が経過した未来。
残されたのは、天を突くような巨大な階層都市と、静かに侵食していく緑、そして――生き残った少年少女たち。

この物語は、そんな「終わってしまった世界」を歩く4人の旅の記録です。

廃墟のビルで缶詰を分け合い、見たことのない「空」に思いを馳せ、他愛のない会話で笑い合う。
その姿は、どんなに世界が変わっても変わらない「青春」そのもの。

透明感あふれる情景描写は素晴らしい。
誰もいない巨大な鉄橋、ビルの隙間から差し込む朝日、静寂に包まれたコンクリートの森。
文字を追うごとに、まるで自分もその廃都の風に吹かれているような、不思議な没入感を味わえます。

ここには確かに息づく「生」があります。
静かな夜に、一人でゆっくりとページをめくりたくなる、美しくも優しいロードムービーのような一作。

もしあなたが、騒がしい日常に少し疲れているのなら。
この4人と一緒に、静かな廃墟の旅に出かけてみませんか?