第11話 奴隷から聞いた異世界
奴隷にされた日本人を買い取ろうとしたが、金貨8枚と言われて諦めた。
俺は手元に銀貨4枚しかない。
だけど何とかして助けてあげたい。
久しぶりに会った日本人だし、待遇を見てると可哀想だ。
3人が俺と同じ20代ぐらいで、1人の女の子はまだ10代だろう。
彼等と話したいと行商人へお願いすると銀貨を要求された。
なけなしの銀貨2枚を渡して、夜に彼等と話すのを許された。
勿論2人の傭兵みたいな人間が、監視してる中での会話だ。
『助けるから待ってて欲しい、先に転移してからの事を教えて』
4人は泣きながら、転移してからの話をしてくれた。
転移した状況は俺と同じで、頭の痛みを感じて目を閉じて、暫くしてから目を開けると異世界に転移していたらしい。
転移した場所は其々が違っていて、森の中に転移した人、街の近くに転移した人が居た。
俺と同じように異世界人と遭遇しても言葉が通じなくて、直ぐに奴隷にされた人と、野宿してから捕まって奴隷にされた人が居た。
異世界人エグいな、聞くと皆んな奴隷にされてる。
俺って実はラッキーだったのか?いや俺も初めて会った門番のジジイにいきなり刺されたから、下手すると奴隷にされてたかも。
隷属の契約や洗脳みたいな事は無くて、ただ紐で縛られているだけみたいだ。
抵抗すると殴られて、抵抗が激しい人は木の枷を両手に付けられるらしい。
それを付けられるとスキルが使えなくなるそうだ。
やっぱりスキルが使えなくなる道具とかはあるのか。
彼等は手に枷を付けられていない。
何故スキルを使って逃げ出さないのか聞いた。
奴隷の日本人男
「俺たちのスキルじゃ逃げ出すなんて無理だよ、直ぐに捕まって酷い体罰か殺される」
聞いたら皆んな1人一種類のスキルを持っていて、水、火、風、土魔法スキルが其々あるけど、1日一回しか使えなく水魔法なら両手を湿らす程度。
火魔法を持っている子は、火花が少し出るだけらしい。
風魔法なんて少し空気が揺れるのを感じるだけみたいだ。
土魔法はスキルを使って地面が硬くなったか、微妙で分からないレベルでしか使えない。
女神から俺が1番スキルが多いと言われてたし、他の人は俺よりスキルが少ないとは思ってたが、ここまでスキルが弱いのか。
これじゃ逃げ出すのも無理だな、スキルが無いようなもんだ、ただの日本人が異世界サバイバルするならキツい。
何人か逃げた日本人も居るそうだし、元々体力があったのか、凄いスキルを持っている人達も居るんだろう。
そう、他にも日本人がいるらしい。
俺は多くて100人、1000人ぐらい転移してるかなと思ってた。
4人の話だと街に集められてた、転移して来た地球人は、日本人だけだったらしい。
日本人だけ転移して来てるのかな?
ただ人数は俺の予想より多かった。
何万人、何十万人と居るそうだ。
この異世界がどれくらい広いのか分からないけど、もしかして日本人全員が転移してる?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます