第9話 躓き
2ヶ月もの間、初めて訪れた村にずっと滞在している。
俺は幾つかの理由から他の町へ移動が出来ずに居る。
1つは、俺のスキルが寝ていると解除されてしまうみたいだからだ。
村の村長みたいなババアの家のベッドを借りて寝泊まりしているが、常に物理防御や魔法防御、精神汚染遮断スキルを俺は自分に使っていた。
スキルを使ったまま寝ていたら、朝になって村のガキが俺の腹の上に飛び乗って起こしてきた。
その時に俺は自分が寝ていると、スキルの効果が切れている事を知った。
ガキの容赦ない起こし方で腹が痛くならなかったら、スキルが使われていると思ってた俺は寝ている間に攻撃されて死んでたかもしれない。
起きると同時に物理防御スキルが使われた状態になって、ガキの攻撃は一切痛く無くなった。
一人旅をしようと思ってた俺に、これは誤算だった。
2つめは言葉と旅仲間の問題だ。
1ヶ月必死で村の人達と会話をして、片言の単語で意思疎通が出来るようになってきたなと思った時に、村へ行商の人達が訪れてきた。
商人が3人、その護衛が5人の8人の行商人達を見た時に、俺は彼等と一緒に村から出ようと思っていた。
だけど彼等と会話しようとしたら、全く言葉が通じなかった。
マジかよ、、俺が1ヶ月間頑張ってさ、覚えた言葉は行商人の彼等の話す言語とは違っていた。
村では村長のババアと門番の老兵士だけが、彼等と片言の会話が出来ているみたいだった。
この異世界は言語スキル持ち以外は、難易度が跳ね上がり過ぎだろ、、、
会話も出来ない彼等に他の町へ連れて行って貰う事も出来るかもしれないが、彼等に近付いて俺は諦めた。
何故かって?行商人達は臭すぎた。
近くに寄るだけで鼻が曲がるくらい臭かった。
村の人達も少し臭うが俺も多分臭いし、皆んな井戸で毎日水浴びをして身体を洗ってるから、そこまでは臭くない。
それに俺が土魔法で穴を作り、木材を集めて木の簡易風呂を作り、水魔法と火魔法でお湯を沸かして風呂を村に作ってからは、村の人達は毎日風呂へ入るようになっていた。
毎日、汗を流しているのと全く風呂に入ってない人達じゃ臭いが違う。
行商人の臭さは酷くて、村長のババアに頼んで行商人達全員に風呂へ入って貰う様にお願いしたのに、彼等は拒否した。
風呂が嫌なら井戸水で身体を洗えば良いのに、それも拒否してきた。
こんな衛生観念の無い人達と、旅を一緒になんてしたくないよ。
行商人達は冬になるまでは1ヶ月に一度は村を訪れるそうで、他の行商人も居るらしいし彼等はスルーして、他の行商人を期待する事にした。
そんなこんなで、俺は2ヶ月の間、村に住み続けている。
2ヶ月間毎日とは言わないが、ほぼ毎日、俺は村人と狩りに行って鹿、猪、狼、熊を狩り。
時々出会うゴブリンとオークを狩り。
村から少し離れたゴブリンとオークが出てくるダンジョンにも少し潜って戦い続けた。
ダンジョンの1番奥まで行こうと思っていたが、一日では辿り着けないぐらいダンジョンは深くて、今の俺では危険だし一日で行ける範囲までしか行けてない。
俺の回復魔法があるから今は村人も強気に戦ってる。
村人は獣や魔物を狩ると少しずつ強くなっていると思った。
1番魔物を倒している、俺だけが成長してない、強くなってる気がしない。
魔法の威力が上がってるとか感じないんだよな。
後は、唯一使い方が分からないスキルのダンジョン生成スキルは、使ってみてもダンジョンが作れないし、どう使うんだろう。
俺が強くなれなくても、狩りを沢山したら村はどんどん豊かになっていっているから良いか。
そんな生活をしていたら、前と違う他の行商人も来たみたいだ、今回の行商人は臭くなくて言葉が通じると良いなぁ。
俺は期待をして行商人達へ会いに行った。
俺は其処で俺以外の転移して来た日本人に初めて会えた。
日本人は4人居た、全員が奴隷にされていた。
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