第4話 町で躓く

女神と別れてから、先ずは遠くに見える壁に囲まれてるだろう、街か城を目指して走る。

女神に、この世界の事に関して聞いたけど、女神から教える事には制限があり教えられないと言われた。


まぁRPGでも、いきなり最強の武器の場所とか教えられるとか無いし、手探りで冒険するのが醍醐味か。


スキル欄にあるダンジョン生成は多分だけどダンジョンを作れて、中でレベル上げが出来るんだろうな。

俺だけダンジョンでレベル上げして強くなれるスキルだろう。

ただ準備をしてからレベル上げはしよう。

食料とか武器は用意しないと、いきなりダンジョンで死んで初めからになりかねない。


スキルの筋力強化を使うと、走っても全く息切れもしない。

遠くに見えた壁も走ってみると思ったより近かった。

10分も走らないで壁に到着した。


近くに寄ると壁は思ったよりも見窄らしく、土と石で固めた高さ6メートルぐらいの城壁だった。

やらないけど、助走をつけて思いっ切り走って壁を蹴り上げて登ったら、城壁の上部に手を掛けて登れそうだ。


俺の筋力強化スキルが凄いのか、それとも此処がしょぼいだけなのか。

魔物が攻めてきたら守れなそうな城壁に見えてきた。


うーん魔物も弱くて、この程度の城壁で守れるのかなぁ。

此処が凄い城壁都市なら、ヤバいな俺が相当チートの持ち主な可能性が出てきた。

ニヤニヤが止まらない(笑)


一応、魔力防御と物理防御のスキルを使ってから城壁に沿って門がありそうな方へ向かう。

精神汚染遮断スキルも使っておくか、スキルは使えてると思うけど効果が実感できないな。


壁に沿って見つけた門は木と鉄で出来ているのかな。

物理防御スキルと筋力強化スキルを使ってパンチしたら壊せそうな気がする。


異世界の現金も無いから冒険者ギルドに加入して、暫くは生活資金を稼ごうと思ってたけど、チラッと見えた壁の中の町は冒険者ギルドがありそうな町に見えない。

門の前に居る門番は1人で、俺より背が低い頼りない感じの老兵士だ。


ここは町や城じゃなくて村なのかな?

話を聞いて食料や寝具を用意したら、もっと栄えてる街に移動した方が良いかも。


そんな事を考えながら老人に話しかけてみる。


『こんにちはー!すみません道に迷った旅人なんですが、盗賊に襲われて何もかも無くなってしまって』

『出来れば中に入れて貰えませんか?働き口もあれば一生懸命に働くので紹介して欲しいです』



まてまてまて、、、


なんだ、まさか!?


もしかして会話が通じない?

異世界物だと普通言葉は通じるだろ!?女神とは会話できたのに!?


老兵士の喋っている言葉が何一つ聞き取れない。


弱そうな老兵士は俺が笑顔で会話しているのに、睨みつけて槍をこちらに向けてきた。

俺は笑顔を絶やさずに老兵士に近付いて、ジェスチャーで助けてくれ、とお願いし続けた。


ジェスチャーで頭を下げて老兵士を視界から外した瞬間。



ゆっくりした槍捌きで、ジジイが俺の太腿に槍を刺してきた。

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