8-3










ガタガタ、揺れる振動。

地震?


ちがう


ばしゃのなかだ


だってこのてんじょうしってる


このにおいもしってる


でも


りおがいる


ひざまくら、してくれている?


そうしたらこれは、まきょーでみてるゆめ


よくみたゆめ


ゆめをみるのはただでめいわくにならない






フレックはそうかそうかと、夢心地ああ高熱付。

本来なら辛いのにそんなに辛く感じないのは、ヘリオスフィアが居るからだろう。


「フレック」


膝枕しながらだから覗き込む角度、新鮮でかっこいい。

フレックはヘラァっと笑ってしまった。


「気付けず…すまなかった…」


まるで自分に責任があるような響きだったから、フレックはぼわぼわな頭の中言葉をかき集める。


「りぉ、おれぇ、ねちゅ…へーきだよ…しごと、できる、よ」


そう仕事。

そうだ仕事。

今日は半分も進んでないのでは?

終わらせなければ、それがヘリオスフィアに出来る唯一の。

そんな考えを遮る様に、ヘリオスフィアの声がふる。


「…良い子だから…今は眠って…」


「きょうの、おわってないぃ…」


「大丈夫。君は優秀だから」


ああ、これはあれだまがらないやつ。

こうなったらわがままフレックでも、ヘリオスフィアの心変えることできない。


「…りぉぉ…」


「うん」


諦めの息とともに名を呼ぶ。

そしたら優しい反応に、フレックは求めてしまった。


「あちゅい…」


「…少し、冷やそうね…寒くはないかフレック」


そっと額に冷たいもの。

それは手だ。

分かるよ手だって。

フレックには、いやがおうにも分かるのさ。


「りおのてつめたくてきもちぃ…もっとしてぇ…」


「ああ、もちろん…そばに、いるよ。フレック」


やさしい


こえ



つめたい


ここちに


フレックは意識を手放した。

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