第47話
スキルオーブが入ったカードを手にしながらシルクと合流すると、既にシルクが開けていた宝箱の中身を確認しながらシルクから鑑定した結果を聞こうと思っていた。
でも、宝箱の中に入っていたのは贈与石だった。その数は3つ。これは仲間にしたフェアリーに最初に使って貰うために取って置こうと思う。
宝箱の贈与石をインベントリの中に収納すると、俺とシルクは消耗したHPと体力、シルクはそれに加えてSPの回復を魔法薬のポーションを使って回復して、ネームドモンスターのフェアリーを探す探索をして行く。
そして、フェアリーのネームドモンスターを探して7日目にようやく俺たちはフェアリーのネームドモンスターを発見することに成功した。
「ご主人様、来ますよ!!」
「他のフェアリーは任せたぞ!!」
魔法陣を複数個展開するフェアリー。それがネームドモンスターのフェアリーであるティーナの力だ。
魔力の弾丸が展開された複数の魔法陣から放たれ、俺はその軌道上から逸れるように移動して行く。
魔力の弾丸が後方へと通り過ぎると、俺はティーナに向かって接近していくのだが、ティーナは再び複数の魔法陣を展開し始めた。
魔法陣の構築が終わる前に俺はティーナに接近するのだが、その前に魔法陣が完成してしまう。
完成した魔法陣から魔力の波が放たれる。それも複数の魔法陣から放たれるせいで魔力の波を躱すことな出来ない。
少しでも魔力の波を防げるように鉄の盾とフェアリーソードを構えて防御体勢に入った。
「うぐぐぅっ!?」
鉄の盾とフェアリーソードを使って防御体勢でも、俺の身体に魔力の波が打ち付けられてしまう。
激痛というほどでもないが、それでもかなりの痛みを感じながらインベントリからポーションを取り出して飲み干していく。
HP、体力、怪我をポーションで癒していると、その間にティーナは俺と距離を取ってしまった。
「シルクが倒し終わるまで待った方が良いか?」
チラリとシルクが戦っている方向を確認すると、そこには魔法攻撃を躱し接近して攻撃を行なうシルクの姿があった。
シルクの方は5分もせずにティーナ以外のフェアリーを倒してしまいそうだ。
このままシルクを待つのもありなのだろうが、俺は出来るだけ自分の力でティーナを捕まえて無理矢理に契約をしようと思う。
ティーナとの距離がまだそれなりにある。俺は全力疾走でティーナに向かって駆け出して行く。
展開された魔法陣がこちらに向けられる。魔法陣から魔法が放たれる。そう思った瞬間に俺は魔法の軌道上から離れる為に移動する。
俺の勘は当たっていたのか、先ほどまで居た場所に魔力の弾丸が通り過ぎていた。
躱せた。そう心の中で思いながらティーナへと向かって走り出す。すると、またティーナは魔法陣を展開する。
これは魔力の波を放つ魔法を使うはずだ。少しでも魔力の波が当たらない様な位置を目指して全力で走り出して行く。
「間に合った!!」
展開された2つの魔力波の魔法陣。その魔法が放たれるのだが、俺は本当にギリギリで回避するのに成功した。
そのせいでティーナとの距離が離れてしまったが、これで回復に時間を使わずに済んだ。
再び全力疾走でティーナへと向かって駆け出して行く。距離にして10メートル。これだけ離れていれば、ティーナは魔力の弾丸を放つ魔法を使って来るだろう。
俺は魔力の弾丸を鉄の盾で防ぐことを覚悟してティーナに向けて突っ込んでいく。
来た。魔法陣が展開されると、俺に向けて魔力の弾丸が放たれる。
2つの魔力の弾丸の内で1つだけ鉄の盾で防ぎ、残りの1つはフェアリーソードで切り払ってみた。
鉄の盾での防御も、フェアリーソードの切り払いも成功すると、俺はティーナとの距離をどんどんと詰めていく。
そして、フェアリーソードと鉄の盾を手放した慌てて逃げようとするティーナを手掴みで捕獲した。
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